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第2話 お屋敷を去った結果~妹と婚約者の場合~ 俯瞰視点(1)
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「マクサンス様、夢のみたいですわ……!」
「ああ、そうだね。夢のようだ……!」
カプシーヌが去った、翌日のお昼のことでした。ガズトック子爵邸では、妹のフローラとマクサンスが手を取り合って喜んでいました。
ふたりが嬉々としている理由は、もちろん『マクサンスとフローラ』という形で婚約できるようになったからです。
――ロドレル家に子どもは二人で、その長女がいなくなった――。
ならば相手は必然的に次女へとスライドすることとなり、ついに二人の願いが叶ったのでした。
「マクサンス様……! マクサンス様……っ!」
「ふふ。なんだい、フローラ?」
「これからは、もっと会えるようになるんですよねっ?」
「ああ、そうだね。会えるようになるよ」
まもなく結婚するのだから、カプシーヌ嬢を仲を深めろ――。父親からそう言われており、せっかくロドレル子爵邸を訪れてもフローラと満足に過ごせませんでした。
ですがこれからは、フローラが正式な婚約者。むしろフローラとの関係強化を推奨されるようになるため、ふたりで過ごす時間は何倍にも増えるのでした。
「マクサンス様……! マクサンス様……っ!」
「なんだい、フローラ?」
「これからはふたりであちこち出歩いたり、ふたりでパーティーに出席したりできるんですよねっ?」
「そうだね。色んなところに行ったり、ふたり一緒に参加できたりするよ」
婚約者なのですから二人きりの姿を目撃されても何ら問題はありませんし、婚約者であるが故に『マクサンスとフローラ』で招待されるようになります。ソレらはマクサンスにとってもフローラにとってもずっと願っていたもので、すでに緩んでいた両者の頬は更にだらしなく緩みました。
「そうだ! 今日は一日、時間があるんだよね?」
「え? は、はい。ありますわ。どうかなさいましたか?」
「このあと改めて書類を作成したら、俺達は正式に婚約者となるんだ。そいつを記念して、早速どこかに出かけないかい?」
「賛成ですわっ! 参りましょうっ!」
「ありがとう、じゃあ決まりだね。……お、ちょうど呼ばれたね。行こうか」
マクサンスとフローラはそれぞれの父のもとに向かい、書類にサインをして拇印を捺す。これによって二人は二人が切望していた関係を手に入れることができ、満面の笑みを浮かべながら外出――したのですが、二人はまだ知りません。
今浮かんでいるその笑顔は、やがて消えてしまうことを。
「ああ、そうだね。夢のようだ……!」
カプシーヌが去った、翌日のお昼のことでした。ガズトック子爵邸では、妹のフローラとマクサンスが手を取り合って喜んでいました。
ふたりが嬉々としている理由は、もちろん『マクサンスとフローラ』という形で婚約できるようになったからです。
――ロドレル家に子どもは二人で、その長女がいなくなった――。
ならば相手は必然的に次女へとスライドすることとなり、ついに二人の願いが叶ったのでした。
「マクサンス様……! マクサンス様……っ!」
「ふふ。なんだい、フローラ?」
「これからは、もっと会えるようになるんですよねっ?」
「ああ、そうだね。会えるようになるよ」
まもなく結婚するのだから、カプシーヌ嬢を仲を深めろ――。父親からそう言われており、せっかくロドレル子爵邸を訪れてもフローラと満足に過ごせませんでした。
ですがこれからは、フローラが正式な婚約者。むしろフローラとの関係強化を推奨されるようになるため、ふたりで過ごす時間は何倍にも増えるのでした。
「マクサンス様……! マクサンス様……っ!」
「なんだい、フローラ?」
「これからはふたりであちこち出歩いたり、ふたりでパーティーに出席したりできるんですよねっ?」
「そうだね。色んなところに行ったり、ふたり一緒に参加できたりするよ」
婚約者なのですから二人きりの姿を目撃されても何ら問題はありませんし、婚約者であるが故に『マクサンスとフローラ』で招待されるようになります。ソレらはマクサンスにとってもフローラにとってもずっと願っていたもので、すでに緩んでいた両者の頬は更にだらしなく緩みました。
「そうだ! 今日は一日、時間があるんだよね?」
「え? は、はい。ありますわ。どうかなさいましたか?」
「このあと改めて書類を作成したら、俺達は正式に婚約者となるんだ。そいつを記念して、早速どこかに出かけないかい?」
「賛成ですわっ! 参りましょうっ!」
「ありがとう、じゃあ決まりだね。……お、ちょうど呼ばれたね。行こうか」
マクサンスとフローラはそれぞれの父のもとに向かい、書類にサインをして拇印を捺す。これによって二人は二人が切望していた関係を手に入れることができ、満面の笑みを浮かべながら外出――したのですが、二人はまだ知りません。
今浮かんでいるその笑顔は、やがて消えてしまうことを。
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