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第5話 翌日・昼~エイデア侯爵邸での出来事~ オラース視点(1)
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「ば、バカな……! そんな…………バカな……!!」
新たに7人を追加し、10人体制で行わせた情報収集。再び戻ってきたドニウスからその報を受けた俺は、身体を震わせていた。
「ドニウス……。それは、間違いないのか……!?」
「はい、間違いなき情報でございます。ベーカリー『パネッタ』のオーナー、レオニー・ザッテ。あの者に、オラース様が懸念されているような側面はございませんでした」
生まれも育ちも平凡で、結婚相手も平凡。強力なコネクションは、どこにも見つからなかったというのだ。
「……な、なんてことだ……。なんてことなんだ……!!」
「お、オラース様?」
「わ、我が主……?」
「オラース……? いったい、どうしたというのだ……?」
たまらず後ずさってしまっていると、目の前にいるドニウス、傍に居たラウル、父上までもが不思議そうな顔をし始めた。
この状況を、理解できないなんて……。コイツらは、なんておめでたいんだ……!
「我が家(いえ)の諜報部隊が、総力を挙げてこの結果になった。その意味が、分からないのか……!?」
「??? え……?」「??? あ、主……?」
「お前は、何を言っているんだ……? で、ではオラースよ……。ソレには、一体どういう意味があるというのだ……?」
「決まっているでしょう父上!! レオニー・ザッテ! その女は、ウチの諜報部隊が見つけられないほど巧妙に素性を隠しているということ!! 我々を遥かに超える力量の持ち主だということなんですよ!!」
ヤツに強力な『何か』があるのは、確定している。なのに、なにも見当たらなかったんだぞ⁉
どうして誰もそう結び付けられないんだ!?
「……オラース様……」「我が、主……」
「……オラースよ……。いいか? それはお前の勘違いによるもので、実際には何もなかっただけだと――」
「そんなはずはありません! レオニーには確実に『ある』!! 父上達はノエルのあの笑みを見ていないからそう言えるんですよっっ!!」
自らの日常が完全崩壊してしまうのに、「ふふふふふ」なんだぞ!? それを回避する方法が――捏造を証明する手段が、ないわけがない!!
「勘違いだったら、どれほど幸せか……。あの笑みは、ほんに恐ろしいものでしたよ……」
「……そ、それほどまで、だったのか……」
「ええ、それほどまで、です。ですので父上、昨夜形となった『対策その3』を実行させ――なっ、なんだ!? どうしたんだ!?」
喋っていると、スキンヘッドの男が――諜報部隊の別動隊、ノエルを見張っていた男・ニックが大慌てでやって来た。こ、今度はなんなんだ……!?
新たに7人を追加し、10人体制で行わせた情報収集。再び戻ってきたドニウスからその報を受けた俺は、身体を震わせていた。
「ドニウス……。それは、間違いないのか……!?」
「はい、間違いなき情報でございます。ベーカリー『パネッタ』のオーナー、レオニー・ザッテ。あの者に、オラース様が懸念されているような側面はございませんでした」
生まれも育ちも平凡で、結婚相手も平凡。強力なコネクションは、どこにも見つからなかったというのだ。
「……な、なんてことだ……。なんてことなんだ……!!」
「お、オラース様?」
「わ、我が主……?」
「オラース……? いったい、どうしたというのだ……?」
たまらず後ずさってしまっていると、目の前にいるドニウス、傍に居たラウル、父上までもが不思議そうな顔をし始めた。
この状況を、理解できないなんて……。コイツらは、なんておめでたいんだ……!
「我が家(いえ)の諜報部隊が、総力を挙げてこの結果になった。その意味が、分からないのか……!?」
「??? え……?」「??? あ、主……?」
「お前は、何を言っているんだ……? で、ではオラースよ……。ソレには、一体どういう意味があるというのだ……?」
「決まっているでしょう父上!! レオニー・ザッテ! その女は、ウチの諜報部隊が見つけられないほど巧妙に素性を隠しているということ!! 我々を遥かに超える力量の持ち主だということなんですよ!!」
ヤツに強力な『何か』があるのは、確定している。なのに、なにも見当たらなかったんだぞ⁉
どうして誰もそう結び付けられないんだ!?
「……オラース様……」「我が、主……」
「……オラースよ……。いいか? それはお前の勘違いによるもので、実際には何もなかっただけだと――」
「そんなはずはありません! レオニーには確実に『ある』!! 父上達はノエルのあの笑みを見ていないからそう言えるんですよっっ!!」
自らの日常が完全崩壊してしまうのに、「ふふふふふ」なんだぞ!? それを回避する方法が――捏造を証明する手段が、ないわけがない!!
「勘違いだったら、どれほど幸せか……。あの笑みは、ほんに恐ろしいものでしたよ……」
「……そ、それほどまで、だったのか……」
「ええ、それほどまで、です。ですので父上、昨夜形となった『対策その3』を実行させ――なっ、なんだ!? どうしたんだ!?」
喋っていると、スキンヘッドの男が――諜報部隊の別動隊、ノエルを見張っていた男・ニックが大慌てでやって来た。こ、今度はなんなんだ……!?
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