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第7話 なぜの答え アネッサ視点
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「ここからは私が話すとしよう」
「!? なっ!?」
エヴァネアの言葉に驚いていると部屋の扉が開き、使用人2人を連れてお父様が入ってきた。
「レロック茸の粉末を混ぜ込んだ紅茶をなぜ飲まなかったのか、気になって仕方がないのだろう? 今ここで教えよう」
「れ、レロック茸……!? な、なんのことですか……!? この紅茶にはそんなものは入っておりませんっ。ただの紅茶ですわ!」
「そうか、ではソレを飲んでみてくれ。ただの紅茶なら飲めるだろう?」
「……………………」
飲めない。飲める、はずがない。
「……アネッサよ、お前に秘密にしていたことがある。階段からの落下事故が起きた日からずっと、私はお前の行動を監視していたのだよ」
「ど、どうして……? どうしてそんなことを……!?」
「エヴァネアが教えてくれたからだよ。あの事故が起きたのは偶然ではなく、必然だったと――お前が引き起こしたものだったとな」
……あの、とき……。転げ落ちた、とき……。わたくしはうっかり、笑ってしまっていて……。
それを…………エヴァネアは、見ていた……。
「これまでの言動に加えてコレ、もう庇うわけにはいかん。故に即座に対応しようとしていたのだが、エヴァネアから待って欲しいと言われてな。チャンスを設けていたのだ」
「ちゃ、チャンス……?」
なんですの、それは……。
「もしも、もしもだ。お前があの件に罪悪感を覚えたり反省したりした場合は、温情を与えるつもりだったのだよ」
自分にも原因があるから――。そう感じたエヴァネアが声を上げ、見極めるためにわたくしはずっとマークされていた……。
「辻褄が合うよう一部を変えたが、あの日お前にはエヴァネアの想いを伝えた。ソレによって心の中に波紋が生じることを願ったが、意味はなかった。それどころかお前は、悪事を重ねようとした」
「……………………」
「エヴァネアは直前まで、止めようとした……。どうにかして温情を与えられるようにしようとしていたのだがな……。お前には届かなかったな」
!
さっきの、飲まない。あれは、そういう……。
「エヴァネアには申し訳ないし、我々にも思うところはある。だがもう、なにもしてやれることはなくなってしまった……」
「お、お父様!! お姉様!! ごめんなさい!! 反省していますっ、反省しましたっっ!! 心を入れ替えます!!」
「……もう遅い。…………お前達、アネッサを拘束してくれ」
「本当なんです!! おっ、お姉様!! わたくしっ、目が覚めました!! 今度こそいい子になりますから――ぁあああああああ!!」
言い切る前に両側から腕を掴まれ、ずるずると引きずられていく。
「いやだ!! おっ、お姉様助けてください!! お姉様ぁっ! お姉様ぁっ!!」
「……………………」
「お、お願いします!! お願いです!! い、いやぁあああ!! いやぁあああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
いくら訴えても、駄目だった。
あっという間に部屋から連れ出され……。お屋敷から連れ出され……。馬車に、乗せられて――
「!? なっ!?」
エヴァネアの言葉に驚いていると部屋の扉が開き、使用人2人を連れてお父様が入ってきた。
「レロック茸の粉末を混ぜ込んだ紅茶をなぜ飲まなかったのか、気になって仕方がないのだろう? 今ここで教えよう」
「れ、レロック茸……!? な、なんのことですか……!? この紅茶にはそんなものは入っておりませんっ。ただの紅茶ですわ!」
「そうか、ではソレを飲んでみてくれ。ただの紅茶なら飲めるだろう?」
「……………………」
飲めない。飲める、はずがない。
「……アネッサよ、お前に秘密にしていたことがある。階段からの落下事故が起きた日からずっと、私はお前の行動を監視していたのだよ」
「ど、どうして……? どうしてそんなことを……!?」
「エヴァネアが教えてくれたからだよ。あの事故が起きたのは偶然ではなく、必然だったと――お前が引き起こしたものだったとな」
……あの、とき……。転げ落ちた、とき……。わたくしはうっかり、笑ってしまっていて……。
それを…………エヴァネアは、見ていた……。
「これまでの言動に加えてコレ、もう庇うわけにはいかん。故に即座に対応しようとしていたのだが、エヴァネアから待って欲しいと言われてな。チャンスを設けていたのだ」
「ちゃ、チャンス……?」
なんですの、それは……。
「もしも、もしもだ。お前があの件に罪悪感を覚えたり反省したりした場合は、温情を与えるつもりだったのだよ」
自分にも原因があるから――。そう感じたエヴァネアが声を上げ、見極めるためにわたくしはずっとマークされていた……。
「辻褄が合うよう一部を変えたが、あの日お前にはエヴァネアの想いを伝えた。ソレによって心の中に波紋が生じることを願ったが、意味はなかった。それどころかお前は、悪事を重ねようとした」
「……………………」
「エヴァネアは直前まで、止めようとした……。どうにかして温情を与えられるようにしようとしていたのだがな……。お前には届かなかったな」
!
さっきの、飲まない。あれは、そういう……。
「エヴァネアには申し訳ないし、我々にも思うところはある。だがもう、なにもしてやれることはなくなってしまった……」
「お、お父様!! お姉様!! ごめんなさい!! 反省していますっ、反省しましたっっ!! 心を入れ替えます!!」
「……もう遅い。…………お前達、アネッサを拘束してくれ」
「本当なんです!! おっ、お姉様!! わたくしっ、目が覚めました!! 今度こそいい子になりますから――ぁあああああああ!!」
言い切る前に両側から腕を掴まれ、ずるずると引きずられていく。
「いやだ!! おっ、お姉様助けてください!! お姉様ぁっ! お姉様ぁっ!!」
「……………………」
「お、お願いします!! お願いです!! い、いやぁあああ!! いやぁあああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
いくら訴えても、駄目だった。
あっという間に部屋から連れ出され……。お屋敷から連れ出され……。馬車に、乗せられて――
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