1 / 24
プロローグ アメリア・フザロード視点(1)
しおりを挟む
わたくしには心配事があります。
それは、フザロード子爵家の未来についてです。
「フザロード家の長は私なのだぞ! 異論は認めん!」
「うるさい黙れ! お前達は当主の言うことを大人しく聞いていればいいのだ!!」
「いつでも追い出せることを忘れるなよ!! チェスで例えると貴様らは駒で私は打ち手なのだからな!!」
などなど。お父様は所謂、独裁者気質。反対の声に一切耳を傾けようとしないどころか、立場を利用して声を上げる者を脅す有様なのです。
この点だけでも非常に厄介なのですが、なによりタチが悪いのが『無能』であること。
目に見えている情報だけで判断してしまう癖があり、そうであるが故にこれでも失敗を幾度も繰り返し、ご先祖様たちが遺してくださった財を日々消費していっている有様なのです。
((お父様に舵を取らせていたら、フザロード家は取り返しのつかないダメージを受けてしまう。これ以上お父様は当主で居てはいけません))
しかしながら、お父様は当主の力を――お金を使って親族の過半数を仲間に引き込んでおり、まともな思考回路を持つロザート叔父様たち反対派が声を上げても意味はなし。お父様、そして当主の威を借るお母様と妹ミルアの好き放題を許してしまうという最悪の状況になっているのです。
((……この状況下でお父様を当主の座から引き摺り下ろせるとしたら、引責、しかありません))
引責させる方法はいくつかありますがどれも実行が難しく、唯一可能なのは『娘の不祥事』。わたしが意図的に他貴族相手に問題行動を起こし、ロザート叔父様にソレを利用してもらって『当主一家』を追い出してもらうのです。
こうすればお父様たちの暴走を止めることができるのですが、わたくしが――責任能力を有する17歳の娘がそこまでの不祥事を起こしてしまうと、『フザロード家』の名にも傷がついてしまいます。
((これでは、意味がありません))
実行しようとすればできますが、実際にしてしまえば次の世代以降に大きな悪影響を及ぼしてしまいます。そのため方法がないと同じで、わたくしは焦っていたのですが――。
ある日思わぬところから、活路を見出すための道具が見つかるのでした。
((ブルーノ様が、浮気をされている……?))
それは、フザロード子爵家の未来についてです。
「フザロード家の長は私なのだぞ! 異論は認めん!」
「うるさい黙れ! お前達は当主の言うことを大人しく聞いていればいいのだ!!」
「いつでも追い出せることを忘れるなよ!! チェスで例えると貴様らは駒で私は打ち手なのだからな!!」
などなど。お父様は所謂、独裁者気質。反対の声に一切耳を傾けようとしないどころか、立場を利用して声を上げる者を脅す有様なのです。
この点だけでも非常に厄介なのですが、なによりタチが悪いのが『無能』であること。
目に見えている情報だけで判断してしまう癖があり、そうであるが故にこれでも失敗を幾度も繰り返し、ご先祖様たちが遺してくださった財を日々消費していっている有様なのです。
((お父様に舵を取らせていたら、フザロード家は取り返しのつかないダメージを受けてしまう。これ以上お父様は当主で居てはいけません))
しかしながら、お父様は当主の力を――お金を使って親族の過半数を仲間に引き込んでおり、まともな思考回路を持つロザート叔父様たち反対派が声を上げても意味はなし。お父様、そして当主の威を借るお母様と妹ミルアの好き放題を許してしまうという最悪の状況になっているのです。
((……この状況下でお父様を当主の座から引き摺り下ろせるとしたら、引責、しかありません))
引責させる方法はいくつかありますがどれも実行が難しく、唯一可能なのは『娘の不祥事』。わたしが意図的に他貴族相手に問題行動を起こし、ロザート叔父様にソレを利用してもらって『当主一家』を追い出してもらうのです。
こうすればお父様たちの暴走を止めることができるのですが、わたくしが――責任能力を有する17歳の娘がそこまでの不祥事を起こしてしまうと、『フザロード家』の名にも傷がついてしまいます。
((これでは、意味がありません))
実行しようとすればできますが、実際にしてしまえば次の世代以降に大きな悪影響を及ぼしてしまいます。そのため方法がないと同じで、わたくしは焦っていたのですが――。
ある日思わぬところから、活路を見出すための道具が見つかるのでした。
((ブルーノ様が、浮気をされている……?))
89
あなたにおすすめの小説
婚約破棄と言われても、どうせ好き合っていないからどうでもいいですね
うさこ
恋愛
男爵令嬢の私には婚約者がいた。
伯爵子息の彼は帝都一の美麗と言われていた。そんな彼と私は平穏な学園生活を送るために、「契約婚約」を結んだ。
お互い好きにならない。三年間の契約。
それなのに、彼は私の前からいなくなった。婚約破棄を言い渡されて……。
でも私たちは好きあっていない。だから、別にどうでもいいはずなのに……。
婚約者が裏でこっそり姫と付き合っていました!? ~あの時離れておいて良かったと思います、後悔はありません~
四季
恋愛
婚約者が裏でこっそり姫と付き合っていました!?
あの時離れておいて良かったと思います、後悔はありません。
本当に妹のことを愛しているなら、落ちぶれた彼女に寄り添うべきなのではありませんか?
木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるアレシアは、婿を迎える立場であった。
しかしある日突然、彼女は婚約者から婚約破棄を告げられる。彼はアレシアの妹と関係を持っており、そちらと婚約しようとしていたのだ。
そのことについて妹を問い詰めると、彼女は伝えてきた。アレシアのことをずっと疎んでおり、婚約者も伯爵家も手に入れようとしていることを。
このまま自分が伯爵家を手に入れる。彼女はそう言いながら、アレシアのことを嘲笑っていた。
しかしながら、彼女達の父親はそれを許さなかった。
妹には伯爵家を背負う資質がないとして、断固として認めなかったのである。
それに反発した妹は、伯爵家から追放されることにになった。
それから間もなくして、元婚約者がアレシアを訪ねてきた。
彼は追放されて落ちぶれた妹のことを心配しており、支援して欲しいと申し出てきたのだ。
だが、アレシアは知っていた。彼も家で立場がなくなり、追い詰められているということを。
そもそも彼は妹にコンタクトすら取っていない。そのことに呆れながら、アレシアは彼を追い返すのであった。
私と婚約破棄して妹と婚約!? ……そうですか。やって御覧なさい。後悔しても遅いわよ?
百谷シカ
恋愛
地味顔の私じゃなくて、可愛い顔の妹を選んだ伯爵。
だけど私は知っている。妹と結婚したって、不幸になるしかないって事を……
婚約者に嫌われた伯爵令嬢は努力を怠らなかった
有川カナデ
恋愛
オリヴィア・ブレイジャー伯爵令嬢は、未来の公爵夫人を夢見て日々努力を重ねていた。その努力の方向が若干捻れていた頃、最愛の婚約者の口から拒絶の言葉を聞く。
何もかもが無駄だったと嘆く彼女の前に現れた、平民のルーカス。彼の助言のもと、彼女は変わる決意をする。
諸々ご都合主義、気軽に読んでください。数話で完結予定です。
妹が私の婚約者と結婚しちゃったもんだから、懲らしめたいの。いいでしょ?
百谷シカ
恋愛
「すまない、シビル。お前が目覚めるとは思わなかったんだ」
あのあと私は、一命を取り留めてから3週間寝ていたらしいのよ。
で、起きたらびっくり。妹のマーシアが私の婚約者と結婚してたの。
そんな話ある?
「我がフォレット家はもう結婚しかないんだ。わかってくれ、シビル」
たしかにうちは没落間近の田舎貴族よ。
あなたもウェイン伯爵令嬢だって打ち明けたら微妙な顔したわよね?
でも、だからって、国のために頑張った私を死んだ事にして結婚する?
「君の妹と、君の婚約者がね」
「そう。薄情でしょう?」
「ああ、由々しき事態だ。私になにをしてほしい?」
「ソーンダイク伯領を落として欲しいの」
イヴォン伯爵令息モーリス・ヨーク。
あのとき私が助けてあげたその命、ぜひ私のために燃やしてちょうだい。
====================
(他「エブリスタ」様に投稿)
婚約破棄寸前、私に何をお望みですか?
みこと。
恋愛
男爵令嬢マチルダが現れてから、王子ベイジルとセシリアの仲はこじれるばかり。
婚約破棄も時間の問題かと危ぶまれる中、ある日王宮から、公爵家のセシリアに呼び出しがかかる。
なんとベイジルが王家の禁術を用い、過去の自分と精神を入れ替えたという。
(つまり今目の前にいる十八歳の王子の中身は、八歳の、私と仲が良かった頃の殿下?)
ベイジルの真意とは。そしてセシリアとの関係はどうなる?
※他サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる