貴方様の浮気や裏切りを怒ってはいませんよ?

柚木ゆず

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第9話 その結果 俯瞰視点(3)

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「なんで、メリナが……!?」
「なぜ、ブルーノ様が……!?」
「旦那様――両家当主様からの、最後の計らいだ」

 息子娘を正しく導けなかった責任もある――。
 サッズだけではなくオトイユ家当主にも同様の感情があり、サッズから届いた提案を快諾。ブルーノとメリナを会わせた状態で追放させることとなっていたのでした。

「浮気し画策を試みるくらい、お前達は一緒にいたかったのだろう? ありがたく受け取るといい」
「……う、うそでは、ないよな……? 喜ばせるだけ喜ばせておいて、嘘だと言い出しはしないよな……?」
「このあと――もしくは後日、引き離しに来はしないんですのね……?」
「言い出さない」
「引き離しませんよ」

 両家当主の判断に、他意はありません。ザヌエルエ家の人間もオトイユ家の人間も、即答しました。

「そ、そうなのか……! そうなのか……!!」
「そう、なんですのね……!!」

 ブルーノもメリナも、本当に相手を愛していました。
 貴族籍は失ってしまうものの、貴族でいたらあり得なかった関係を築けるようになった。ずっと青ざめていた2人の顔に、血色が戻ってきました。

「君が隣に居てくれるなら、たとえ地獄でも天国だよ……!」
「ええ……! ええ……!! あっという間に景色が変わりましたわ……!!」
「愛しているよメリナ……! これからもよろしく……!!」
「愛していますわブルーノ様……!! はいっ! これからもよろしくお願い致しますわ……!」

 2人は抱き付いて喜びを分かち合い、そんな彼らに更に良いニュースがありました。

「旦那様からだ」
「旦那様からです」

 こちらも、同じく導けなかった責任。第二の人生の土台を作れるだけのお金が用意されていました。

「君とこの金があれば、俺達はやっていける……!! メリナ!!」
「はい……!!」
「力を合わせて、薔薇色の人生を作っていこう……!! 誰よりも幸せな人生を歩んでやろうね……!!」
「はいっ!! 手を取り合い、最高の未来を作ってまいりましょう!!」

 出発前とは180度反対。ブルーノとメリナは満面の笑みを浮かべ、2人は希望を胸に抱きながら仲良く歩き出したのでした。

「まさか、こんな未来が待っているだなんて。今までの日常は失ってしまったが、これはこれでよかったね……!!」
「貴族のままなら無理でした。ある意味正解、大正解ですわ……!!」
「まずは、愛の巣作りから始めないとね。どんな場所に済みたい?」
「ブルーノ様と一緒なら、どこでも構いませんわ」
「嬉しいことを言ってくれるね。俺も同じだよ」

 などと、上機嫌で笑い合っていた2人ですが――。ブルーノとメリナは、まだ知りません。
 幸せに満ちた第2の人生は、僅か1年で終わりを告げてしまうことを。




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