21 / 24
第9話 その結果 俯瞰視点(3)
しおりを挟む
「なんで、メリナが……!?」
「なぜ、ブルーノ様が……!?」
「旦那様――両家当主様からの、最後の計らいだ」
息子娘を正しく導けなかった責任もある――。
サッズだけではなくオトイユ家当主にも同様の感情があり、サッズから届いた提案を快諾。ブルーノとメリナを会わせた状態で追放させることとなっていたのでした。
「浮気し画策を試みるくらい、お前達は一緒にいたかったのだろう? ありがたく受け取るといい」
「……う、うそでは、ないよな……? 喜ばせるだけ喜ばせておいて、嘘だと言い出しはしないよな……?」
「このあと――もしくは後日、引き離しに来はしないんですのね……?」
「言い出さない」
「引き離しませんよ」
両家当主の判断に、他意はありません。ザヌエルエ家の人間もオトイユ家の人間も、即答しました。
「そ、そうなのか……! そうなのか……!!」
「そう、なんですのね……!!」
ブルーノもメリナも、本当に相手を愛していました。
貴族籍は失ってしまうものの、貴族でいたらあり得なかった関係を築けるようになった。ずっと青ざめていた2人の顔に、血色が戻ってきました。
「君が隣に居てくれるなら、たとえ地獄でも天国だよ……!」
「ええ……! ええ……!! あっという間に景色が変わりましたわ……!!」
「愛しているよメリナ……! これからもよろしく……!!」
「愛していますわブルーノ様……!! はいっ! これからもよろしくお願い致しますわ……!」
2人は抱き付いて喜びを分かち合い、そんな彼らに更に良いニュースがありました。
「旦那様からだ」
「旦那様からです」
こちらも、同じく導けなかった責任。第二の人生の土台を作れるだけのお金が用意されていました。
「君とこの金があれば、俺達はやっていける……!! メリナ!!」
「はい……!!」
「力を合わせて、薔薇色の人生を作っていこう……!! 誰よりも幸せな人生を歩んでやろうね……!!」
「はいっ!! 手を取り合い、最高の未来を作ってまいりましょう!!」
出発前とは180度反対。ブルーノとメリナは満面の笑みを浮かべ、2人は希望を胸に抱きながら仲良く歩き出したのでした。
「まさか、こんな未来が待っているだなんて。今までの日常は失ってしまったが、これはこれでよかったね……!!」
「貴族のままなら無理でした。ある意味正解、大正解ですわ……!!」
「まずは、愛の巣作りから始めないとね。どんな場所に済みたい?」
「ブルーノ様と一緒なら、どこでも構いませんわ」
「嬉しいことを言ってくれるね。俺も同じだよ」
などと、上機嫌で笑い合っていた2人ですが――。ブルーノとメリナは、まだ知りません。
幸せに満ちた第2の人生は、僅か1年で終わりを告げてしまうことを。
「なぜ、ブルーノ様が……!?」
「旦那様――両家当主様からの、最後の計らいだ」
息子娘を正しく導けなかった責任もある――。
サッズだけではなくオトイユ家当主にも同様の感情があり、サッズから届いた提案を快諾。ブルーノとメリナを会わせた状態で追放させることとなっていたのでした。
「浮気し画策を試みるくらい、お前達は一緒にいたかったのだろう? ありがたく受け取るといい」
「……う、うそでは、ないよな……? 喜ばせるだけ喜ばせておいて、嘘だと言い出しはしないよな……?」
「このあと――もしくは後日、引き離しに来はしないんですのね……?」
「言い出さない」
「引き離しませんよ」
両家当主の判断に、他意はありません。ザヌエルエ家の人間もオトイユ家の人間も、即答しました。
「そ、そうなのか……! そうなのか……!!」
「そう、なんですのね……!!」
ブルーノもメリナも、本当に相手を愛していました。
貴族籍は失ってしまうものの、貴族でいたらあり得なかった関係を築けるようになった。ずっと青ざめていた2人の顔に、血色が戻ってきました。
「君が隣に居てくれるなら、たとえ地獄でも天国だよ……!」
「ええ……! ええ……!! あっという間に景色が変わりましたわ……!!」
「愛しているよメリナ……! これからもよろしく……!!」
「愛していますわブルーノ様……!! はいっ! これからもよろしくお願い致しますわ……!」
2人は抱き付いて喜びを分かち合い、そんな彼らに更に良いニュースがありました。
「旦那様からだ」
「旦那様からです」
こちらも、同じく導けなかった責任。第二の人生の土台を作れるだけのお金が用意されていました。
「君とこの金があれば、俺達はやっていける……!! メリナ!!」
「はい……!!」
「力を合わせて、薔薇色の人生を作っていこう……!! 誰よりも幸せな人生を歩んでやろうね……!!」
「はいっ!! 手を取り合い、最高の未来を作ってまいりましょう!!」
出発前とは180度反対。ブルーノとメリナは満面の笑みを浮かべ、2人は希望を胸に抱きながら仲良く歩き出したのでした。
「まさか、こんな未来が待っているだなんて。今までの日常は失ってしまったが、これはこれでよかったね……!!」
「貴族のままなら無理でした。ある意味正解、大正解ですわ……!!」
「まずは、愛の巣作りから始めないとね。どんな場所に済みたい?」
「ブルーノ様と一緒なら、どこでも構いませんわ」
「嬉しいことを言ってくれるね。俺も同じだよ」
などと、上機嫌で笑い合っていた2人ですが――。ブルーノとメリナは、まだ知りません。
幸せに満ちた第2の人生は、僅か1年で終わりを告げてしまうことを。
17
あなたにおすすめの小説
婚約者が裏でこっそり姫と付き合っていました!? ~あの時離れておいて良かったと思います、後悔はありません~
四季
恋愛
婚約者が裏でこっそり姫と付き合っていました!?
あの時離れておいて良かったと思います、後悔はありません。
婚約破棄と言われても、どうせ好き合っていないからどうでもいいですね
うさこ
恋愛
男爵令嬢の私には婚約者がいた。
伯爵子息の彼は帝都一の美麗と言われていた。そんな彼と私は平穏な学園生活を送るために、「契約婚約」を結んだ。
お互い好きにならない。三年間の契約。
それなのに、彼は私の前からいなくなった。婚約破棄を言い渡されて……。
でも私たちは好きあっていない。だから、別にどうでもいいはずなのに……。
本当に妹のことを愛しているなら、落ちぶれた彼女に寄り添うべきなのではありませんか?
木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるアレシアは、婿を迎える立場であった。
しかしある日突然、彼女は婚約者から婚約破棄を告げられる。彼はアレシアの妹と関係を持っており、そちらと婚約しようとしていたのだ。
そのことについて妹を問い詰めると、彼女は伝えてきた。アレシアのことをずっと疎んでおり、婚約者も伯爵家も手に入れようとしていることを。
このまま自分が伯爵家を手に入れる。彼女はそう言いながら、アレシアのことを嘲笑っていた。
しかしながら、彼女達の父親はそれを許さなかった。
妹には伯爵家を背負う資質がないとして、断固として認めなかったのである。
それに反発した妹は、伯爵家から追放されることにになった。
それから間もなくして、元婚約者がアレシアを訪ねてきた。
彼は追放されて落ちぶれた妹のことを心配しており、支援して欲しいと申し出てきたのだ。
だが、アレシアは知っていた。彼も家で立場がなくなり、追い詰められているということを。
そもそも彼は妹にコンタクトすら取っていない。そのことに呆れながら、アレシアは彼を追い返すのであった。
私と婚約破棄して妹と婚約!? ……そうですか。やって御覧なさい。後悔しても遅いわよ?
百谷シカ
恋愛
地味顔の私じゃなくて、可愛い顔の妹を選んだ伯爵。
だけど私は知っている。妹と結婚したって、不幸になるしかないって事を……
婚約者に嫌われた伯爵令嬢は努力を怠らなかった
有川カナデ
恋愛
オリヴィア・ブレイジャー伯爵令嬢は、未来の公爵夫人を夢見て日々努力を重ねていた。その努力の方向が若干捻れていた頃、最愛の婚約者の口から拒絶の言葉を聞く。
何もかもが無駄だったと嘆く彼女の前に現れた、平民のルーカス。彼の助言のもと、彼女は変わる決意をする。
諸々ご都合主義、気軽に読んでください。数話で完結予定です。
妹が私の婚約者と結婚しちゃったもんだから、懲らしめたいの。いいでしょ?
百谷シカ
恋愛
「すまない、シビル。お前が目覚めるとは思わなかったんだ」
あのあと私は、一命を取り留めてから3週間寝ていたらしいのよ。
で、起きたらびっくり。妹のマーシアが私の婚約者と結婚してたの。
そんな話ある?
「我がフォレット家はもう結婚しかないんだ。わかってくれ、シビル」
たしかにうちは没落間近の田舎貴族よ。
あなたもウェイン伯爵令嬢だって打ち明けたら微妙な顔したわよね?
でも、だからって、国のために頑張った私を死んだ事にして結婚する?
「君の妹と、君の婚約者がね」
「そう。薄情でしょう?」
「ああ、由々しき事態だ。私になにをしてほしい?」
「ソーンダイク伯領を落として欲しいの」
イヴォン伯爵令息モーリス・ヨーク。
あのとき私が助けてあげたその命、ぜひ私のために燃やしてちょうだい。
====================
(他「エブリスタ」様に投稿)
婚約破棄寸前、私に何をお望みですか?
みこと。
恋愛
男爵令嬢マチルダが現れてから、王子ベイジルとセシリアの仲はこじれるばかり。
婚約破棄も時間の問題かと危ぶまれる中、ある日王宮から、公爵家のセシリアに呼び出しがかかる。
なんとベイジルが王家の禁術を用い、過去の自分と精神を入れ替えたという。
(つまり今目の前にいる十八歳の王子の中身は、八歳の、私と仲が良かった頃の殿下?)
ベイジルの真意とは。そしてセシリアとの関係はどうなる?
※他サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる