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第10話 1年後 俯瞰視点(2)
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「お前浮気をしていたな!?」
「貴方こそ浮気をしていたんですのね!?」
内緒で関係を持っている相手がいると、発覚。なんの因果か浮気中にバッタリ出くわしてしまい、同時に発覚してしまったのです。
「お前のせいでリンスに逃げられてしまったじゃないか!! どうしてくれるんだ!!」
「それはこっちの台詞ですわ!! あの場で浮気だなんて言い出すからっ! ロックさんに縁を切られたじゃないの!!」
どちらも、相手に既婚者だと告げていませんでした。リンスもロックも未婚と思っていたため、激怒されその場で別れを告げられたのです。
「せっかく運命の人に出逢えていたのに……!! 最悪だ……!!」
「最悪なのはこっちですわ!! 運命の人だったのに……! どう責任を取ってくれますのよ!?」
「責任を取るのはお前の方だ!! リンスがいなくなったじゃないか!!」
自分が悪かった、そんな意識はどちらにもありません。ブルーノもメリナも相手を睨みつけ――
「だいたいなあ!! 浮気はお前の容姿の劣化が原因なんだぞ!! 最大値を維持できなくなったお前が悪い!!」
「そっくりそのまま返しますわ!! なんですのその顔は!! そんな顔だから浮気をしたくなるんですわ!!」
――相手を責め続け、非難罵倒が飛び交う。どちらも一切非を認めはせず、他責の身を繰り返し――
「ここまで馬鹿だとは思わなかった。こんな馬鹿なブスと一緒に居られるか!!」
「こんなにもバカだっただなんて……! こんなバカでブサイクな男と一緒になんて居られませんわ!!」
――激しくぶつかり合った結果、ついに離婚。あんなにも喜んでいた結婚生活は、僅か1年で終わりを告げてしまったのでした。
そうして愛を誓い合った2人は、自己中心的な理由で別々の道を歩むこととなり――
〇〇
「……あの時あんなことをしなければよかった……」
「……あの時、あんなことをしなければよかった……」
それから10年後。ブルーノとメリナはそれぞれ別の場所で、まったく同じ後悔をしていました。
――使用人に頼り切っていた貴族が、ひとりきりで生活できるほど世の中は甘くない――。
仕事、家事。これまで分担して行っていたことをすべてひとりで行わないといけなくなり、その慌ただしさによってすっかり疲弊。
恋人を作る余裕すらない日々を過ごしていたのです。
「……メリナと浮気をしなければ……。今も貴族で暮らせてたのに……」
「……ブルーノと浮気をしなければ……。今も、貴族として生きていたのに……」
「浮気なんかしなればよかった……。あの頃に戻りたい……!」
「浮気なんて、しなければよかった……。あの頃に戻らせて……!」
滂沱の涙を流しながら空に訴えますが、逆行が実現するはずがありません。
今日も明日も明後日も。ブルーノとメリナは過去の行いを後悔しながら、汗と涙に塗れた辛くキツイ毎日を生きていく羽目になってしまったのでした――。
「貴方こそ浮気をしていたんですのね!?」
内緒で関係を持っている相手がいると、発覚。なんの因果か浮気中にバッタリ出くわしてしまい、同時に発覚してしまったのです。
「お前のせいでリンスに逃げられてしまったじゃないか!! どうしてくれるんだ!!」
「それはこっちの台詞ですわ!! あの場で浮気だなんて言い出すからっ! ロックさんに縁を切られたじゃないの!!」
どちらも、相手に既婚者だと告げていませんでした。リンスもロックも未婚と思っていたため、激怒されその場で別れを告げられたのです。
「せっかく運命の人に出逢えていたのに……!! 最悪だ……!!」
「最悪なのはこっちですわ!! 運命の人だったのに……! どう責任を取ってくれますのよ!?」
「責任を取るのはお前の方だ!! リンスがいなくなったじゃないか!!」
自分が悪かった、そんな意識はどちらにもありません。ブルーノもメリナも相手を睨みつけ――
「だいたいなあ!! 浮気はお前の容姿の劣化が原因なんだぞ!! 最大値を維持できなくなったお前が悪い!!」
「そっくりそのまま返しますわ!! なんですのその顔は!! そんな顔だから浮気をしたくなるんですわ!!」
――相手を責め続け、非難罵倒が飛び交う。どちらも一切非を認めはせず、他責の身を繰り返し――
「ここまで馬鹿だとは思わなかった。こんな馬鹿なブスと一緒に居られるか!!」
「こんなにもバカだっただなんて……! こんなバカでブサイクな男と一緒になんて居られませんわ!!」
――激しくぶつかり合った結果、ついに離婚。あんなにも喜んでいた結婚生活は、僅か1年で終わりを告げてしまったのでした。
そうして愛を誓い合った2人は、自己中心的な理由で別々の道を歩むこととなり――
〇〇
「……あの時あんなことをしなければよかった……」
「……あの時、あんなことをしなければよかった……」
それから10年後。ブルーノとメリナはそれぞれ別の場所で、まったく同じ後悔をしていました。
――使用人に頼り切っていた貴族が、ひとりきりで生活できるほど世の中は甘くない――。
仕事、家事。これまで分担して行っていたことをすべてひとりで行わないといけなくなり、その慌ただしさによってすっかり疲弊。
恋人を作る余裕すらない日々を過ごしていたのです。
「……メリナと浮気をしなければ……。今も貴族で暮らせてたのに……」
「……ブルーノと浮気をしなければ……。今も、貴族として生きていたのに……」
「浮気なんかしなればよかった……。あの頃に戻りたい……!」
「浮気なんて、しなければよかった……。あの頃に戻らせて……!」
滂沱の涙を流しながら空に訴えますが、逆行が実現するはずがありません。
今日も明日も明後日も。ブルーノとメリナは過去の行いを後悔しながら、汗と涙に塗れた辛くキツイ毎日を生きていく羽目になってしまったのでした――。
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