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第14話 時間が巻き戻った結果~バジルの場合~ 俯瞰視点
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あの日から数か月後が経ち、7月15日がやって来ました。
時間が巻き戻る前は、自己中心的な悪態をつきながらシドニーとの結婚式に臨んでいたバジル。そんな彼は現在――
「こらっ、何をのんりびしているのだ! さっさと働かないか!!」
「もっ、申し訳ございません!! ご主人様!!」
「申し訳ございません!! ご主人様!!」
「そこが終わったら、今日の仕事は終わりだ。大人しく檻に入っておけ!」
「承知致しましたっ!」
「承知、致しました!」
――とある成金の屋敷で、雑用兼ペットとして飼われていました。
『まもなく「元」になるとはいえ、現当主と嫡男が手に入るのか。素晴らしい。買ってやろうじゃないか』
平民生まれ平民育ちの彼は、貴族に対して強烈な嫉妬心を抱いていました。
そんな対象を扱き使えるし、『檻に入れて眺める』など様々な楽しみ方ができる。生殺与奪の権利を得られる。
ソレに飛びつかないはずがなく、バジルとエドメは非常に悪趣味な男のことに送られていたのでした。
「ほら、今夜の餌だ。食え」
「あ、ありがとうございます……!」
「ありがとうございます……!」
「はっはっは。あの貴族様が檻の中で動物用の餌を食っているとはなぁ! 愉快だ! 実に愉快だ! あーっはっはっは!!」
((……誰か、助けてくれ……! こんな生活、もうこりごりだ……!))
((頼む……! 誰か……わたし達を助けてくれ……!!))
日中は常に働かされて、夜は『見世物』にされてしまう。
ふたりの中は屈辱と絶望で満ち満ちていて、今夜も心の中で嘆き助けを求めます。
((もう一度、時間を巻き戻してください……! お願いします……! 神様……!!))
((時間を、お戻しください……! やり直すチャンスをください……!!))
そしてランドラーズン神に向かって懇願しますが、ここは祭壇の前でも、結婚式の場でもない。そんな奇跡が発生するはずがありません。
((嫌だぁ……。嫌だぁ……。あの頃に、戻らせてくれぇえ……!!))
((お願いだぁ……! お願いだぁ……!!))
ですので、この状況は死ぬまで変わりません。
『その際に、「時間を巻き戻してこの婚約を白紙にしたい」と願え。そうすれば、神が助けてくださるかもしれない……!!』
あの時、そんな命令をしなければ――そもそも強引に結婚しようとしなければ、幸せな人生が約束されていました。
ですがバジルもエドメも、自分勝手な行動を繰り返してしまった。
それによってふたりは、あまりにも悲惨な人生を歩まないといけなくなってしまったのでした――。
時間が巻き戻る前は、自己中心的な悪態をつきながらシドニーとの結婚式に臨んでいたバジル。そんな彼は現在――
「こらっ、何をのんりびしているのだ! さっさと働かないか!!」
「もっ、申し訳ございません!! ご主人様!!」
「申し訳ございません!! ご主人様!!」
「そこが終わったら、今日の仕事は終わりだ。大人しく檻に入っておけ!」
「承知致しましたっ!」
「承知、致しました!」
――とある成金の屋敷で、雑用兼ペットとして飼われていました。
『まもなく「元」になるとはいえ、現当主と嫡男が手に入るのか。素晴らしい。買ってやろうじゃないか』
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そんな対象を扱き使えるし、『檻に入れて眺める』など様々な楽しみ方ができる。生殺与奪の権利を得られる。
ソレに飛びつかないはずがなく、バジルとエドメは非常に悪趣味な男のことに送られていたのでした。
「ほら、今夜の餌だ。食え」
「あ、ありがとうございます……!」
「ありがとうございます……!」
「はっはっは。あの貴族様が檻の中で動物用の餌を食っているとはなぁ! 愉快だ! 実に愉快だ! あーっはっはっは!!」
((……誰か、助けてくれ……! こんな生活、もうこりごりだ……!))
((頼む……! 誰か……わたし達を助けてくれ……!!))
日中は常に働かされて、夜は『見世物』にされてしまう。
ふたりの中は屈辱と絶望で満ち満ちていて、今夜も心の中で嘆き助けを求めます。
((もう一度、時間を巻き戻してください……! お願いします……! 神様……!!))
((時間を、お戻しください……! やり直すチャンスをください……!!))
そしてランドラーズン神に向かって懇願しますが、ここは祭壇の前でも、結婚式の場でもない。そんな奇跡が発生するはずがありません。
((嫌だぁ……。嫌だぁ……。あの頃に、戻らせてくれぇえ……!!))
((お願いだぁ……! お願いだぁ……!!))
ですので、この状況は死ぬまで変わりません。
『その際に、「時間を巻き戻してこの婚約を白紙にしたい」と願え。そうすれば、神が助けてくださるかもしれない……!!』
あの時、そんな命令をしなければ――そもそも強引に結婚しようとしなければ、幸せな人生が約束されていました。
ですがバジルもエドメも、自分勝手な行動を繰り返してしまった。
それによってふたりは、あまりにも悲惨な人生を歩まないといけなくなってしまったのでした――。
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