お姉様が婚約者に裏切られてバッドエンドを迎えそうになっているので、前世の知識を活かして阻止します

第３話 それは、身勝手な後悔と エドゥアル視点（３）

『信じていたのに……』
『よくそんな真似ができたな！　っ、この下衆め!!』
『恥を知れ!!』
『なにが生涯正義を貫きますだ!!』
『言ってることとやってることが全然違うじゃないか!!』

　思った通りだった！　最初俺が登場した時は全員が驚き、喜び興奮していたくせに……。
　心変わりや捏造を告げると、全員の態度が一変した……っ。
　裏切りの件と間もなく王太子ではなくなると知るなり、ヤツらは暴れ出し……。#聖夜と生誕日を祝うために__城へと投げるために____#持参していたビーズを俺へと投げつけてきて、容赦なくビーズの雨が降り注ぐようになったのだった！

（（ぐ。ぐぅっ。ぐうう……!!））

　ビーズ一つ一つは小さいものの、飛んでくる量が膨大だから痛い！　しかもそんなものが白眼視や暴言と一緒に次々飛んでくるから、早く逃げたくなる。
　だが……っっ。

『厳密に言うと３つの事実に１つの嘘を付け加えてしっかりと語っていただき、その後その場に10分間留まっていただければ完了となります』

　そんな指定をされてるせいで、動けない！
　動いてしまえばコレと比にならない地獄が待っているから、一歩もその場を離れることができない……っっ。

『もし英霊様が来てくださらなかったらアヴァ様の人生は終わっていたんだぞ!!』
『このクズが!!』
『王族の力を私利私欲に使いやがって!!』
『王家の恥さらしめ!!』
『お前の顔なんて二度と見たくない!!』
『二度とこの国の頂点を名乗るなよ!!』

　そのせいで俺は、忌々しい声と激痛に耐え続ける羽目になって………………。

（（たっ、経った！　やっと10分経ったっ!!））

　体感で、１時間くらいが経過した頃だった。ようやく指定された時間となり、俺はヤツの指示に従い急いでパーティー会場へと戻ったのだった。

（（これで……。やっと……。やっと…………。この件は、終わる……））


　〇〇


（（エドゥアルはきっと、これで終わったと思っているんでしょうね））

　でも残念、まだ終わらないの。
　ここからあの姿を見てお姉様の溜飲はだいぶ下がったけど、まだ足りない。だからこれから、計画の２つ目を始めるわね。