上 下
23 / 30

第16話 真実 アメリ視点(2)

しおりを挟む
「調査をしてみたら、君達はセレステ・ニフェエルと――本性は性悪な怖い怖い侯爵家令嬢と、手を組んでいると分かった。そこでセレステの性質を活かして、面白い状況・・・・・を演出してみたんだ」

 …………。思った通り、だった……。
 あれは――わたしに煽ったり脅迫をさせたのはっ! こうするためだったんだ……!!

「折角だから、これまでの行動を全て教えてあげようか。……ロゼを止めて動き出した僕は、まずはイヤリングを贈った。アンジェリーナ様名義でね」
「!! イヤリングって、あの薔薇のイヤリング!? あれはマエル様からのもの!?」
「僕が贈っていたら、流石に奪えないからね。旧友の名を拝借して、店で一番高価なものを贈っていたのさ」

 わたしが興味を持つようにして、わたしはまんまと興味を持っちゃって……。翌日学院につけていって、っっ!!

「気付いたみたいだね、そうだよ。アンジェリーナ様と会って、イヤリングを知っていたのも嘘。大勢の前で君を激しく慌てさせたかったから、ああ言っていたのさ」

 わたし達は、お姉様にイジメられているという噂や証拠を用意していたから……。それが無駄になるように……。わたしに、お姉様大好きと繰り返させた……。

「そうすると水面下で進めていた計画が破綻し、セレステは怒る。怒ったセレステは何とかしろと言い出し、けれどこの状況下でセレステの希望を満たしつつ――ロゼの評判を下げつつ目標を達成する手段なんて、見つかるはずがない」

 そのタイミングで、出てきて……。わたし達は縋るしかないから……。あのように言って、動かした……。

「ただでさえ不機嫌になっている時に反故に、しかも格下の人間があんなにも強気に出てきたんだ。そりゃあ爆発するよねぇ。狙われるように、なるよねぇ」
「っっ!! よくもぉっ!! よくも騙したわねぇぇ!!」
「わたし達は、信じてたのにっ! よくも……っ! よくもぉぉぉぉ――」
「ベル、アメリ。そのまま僕に掴みかかれば、正当防衛が成立する。激痛で転がり回ってもいいのであれば、続けるといいよ」

 飛び出そうとしていたら、後方で控えていた従者の目つきが鋭くなった。
 なので…………。わたし達は唇を噛んで、怒りを抑え込んで、ソファーに座って……。そうしたら、マエルは嘲笑いながら口角を吊り上げて――

「ベル、アメリ、よく我慢できたね。じゃあそのご褒美として、君達に2つの選択肢を与えようじゃないか」

 右の人差し指と中指を、立てた。
 せんたく、し……?

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

アンバー・カレッジ奇譚

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

さよならイクサ

現代文学 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

だからあの時、忠告をしましたよね?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:702pt お気に入り:419

妖精のいたずら

恋愛 / 完結 24h.ポイント:420pt お気に入り:392

川と海をまたにかけて

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

私を捨てた元婚約者は、新しい恋人に飽きられてきたらしい

恋愛 / 完結 24h.ポイント:28pt お気に入り:1,075

息抜き庭キャンプ

キャラ文芸 / 連載中 24h.ポイント:21pt お気に入り:8

1人の男と魔女3人

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

処理中です...