殿下、妃殿下。貴方がたに言われた通り、前世の怨みを晴らしに来ましたよ

柚木ゆず

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???

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 ――『上』を目指せ。
 ――貪欲に地位を手に入れろ。
 ――約束を違えないように――。

 物心ついた時からだった。僕の心が、そう訴え続けた。
 その文字が魂に焼き付いているようで、無視しようとしても絶対に無視できない。気持ち悪いから気にしないようにしても、なぜだか頭から追い出せなくなる。

 どうして、そこまで必死になって上を目指す必要があるんだ?
 今の地位じゃ駄目なのか?
 約束って、なんの約束なんだ?

 そうする意味が、動機が、分からない。何度考えても、思い当たる節がない。
 我武者羅に上を目指す理由なんてないし、そもそもだ。そう思い始めたのは、物心がついた直後。ロクに自我がなかったのだから、約束なんてできるはずがない。
 やっぱり、そうだ。これは、何かの間違いなんだ。

 そう思う、けれど。
 それでも。

 ――『上』を目指せ。
 ――貪欲に地位を手に入れろ。
 ――約束を違えないように――。

 胸の奥にある本能が、そうしろと言い続ける。そうしなければ悲劇を生むと、根拠のない確信をさせる。

 ――『上』を目指せ。
 ――貪欲に地位を手に入れろ。
 ――約束を違えないように――。

 ――『上』を目指せ。
 ――貪欲に地位を手に入れろ。
 ――約束を、違えないように――!!
 ――今度こそ、守り抜けるように――!!






 だから僕はあの日、動き出した。
 今はまだ、暗闇の中を手探りで進んでいるような状態だけど。いつか『答え』を掴めると信じて、僕は前進を続ける。

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