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第4話 24時間が経つ、その前に 俯瞰視点

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「……どうなっているんだ……?」
「……どうなっているのだ……?」
「……どうなっているの……?」
「……どうなっているのでしょうか……?」
「……どうなってるの……?」

 殺害後にお茶を楽しみ始めてから、4時間半後のこと。ベルナール。クレマン。モニック。ライナ。マルゴ。親子5人の顔からは笑みが消え去り、一様に困惑の表情を浮かべていました。
 彼らがこのようになってしまっている理由は、今し方神殿から戻って来た遣いの言葉にありました。

『新たな聖女の誕生を感知できない』

 神殿長マリエールがいくら探しても、水晶には何一つ反応がない。そんな報告を受けてしまったため、こうなっていたのです。

「新聖女を調べても、見つからない……? なぜだ……?」
「前聖女は死んでいるのだぞ……? ……モニック。死亡後はすぐ感知できるようになる、はずだよな……?」
「え、ええ。そう、その通りですわ。実際これまでも死亡直後に、水晶に反応が出るようになったそうですもの」
「2年前は――先々代の聖女が亡くなった際は偶々神殿に居て、僕はこの目で水晶を見ました。前聖女ファニーが覚醒した際は、すぐでしたよ」
「だったら、どうなってるの……? もしかして……聖女ファニーは、生きてる……!?」

 反応しないのは、生きているから? そう考えマルゴは、急いで衛兵を――4時間半前に処理を命じた人間を呼びました。

「お前達はさっき死体を運んで行ったよね!? そのあとどうしたの!? ちゃんと燃やしたんだよね!?」
「も、もちろんでございますっ。遺体は速やかに焼却し、残った骨は森の中に埋めてまいりました。現場を確認していただければ信じていただけるかと思います!」
「…………そこまで言うなら、ホント、か」
「マルゴ、そもそもコイツらに嘘を吐く理由がない。すべて事実だ」

 この衛兵たちは、金さえ出せば何でもする。そんな性質は目を付けたベルナールが誰よりも知っており、マルゴに向けて頷きました。

「わたしも、そうだと確信しておるよ。……となると、余計に理解できなくなってしまう……」
「そうですね、父上。どうなっているのでしょうか……?」

 ますます謎が深まってしまい、5人は顔をしかめながら改めて理由を探し始めます。そうして5人の長い長い思案の時間が幕を開け、睡眠や食事などを挟み、22時間が経過した頃でした――。
 いくら考えても変わらなかった状況が、突如として激しく変化を始めることとなるのでした。


「緊急の報告だと……? なんなのだ……?」
「……………………」
「? どうした?」
「……………………神殿長マリエール様……。を始めとした、神殿関係者5名が……。消失、いたしました……」







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