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第8話 幕開け ベルナール視点
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「みんないなくなっちゃってる!! どうなってるの!? ねえっ、ねえ!?」
「僕に分かるはずがないですよ! 静かにしなさいマルゴ!!」
「そんなこと言ったってっ! 静かになんてできないよ!! ねえベルナール兄様っ! どうしようっ!! どうしたらいいの!?」
「俺にも分かるはずがないだろう!! ライナに言われたように黙ってい――そうだ! 外だっ! 外に行けば誰かが居るかもしれない!」
マルゴを怒鳴っている際に偶々玄関部の扉が視界に入り、思い付いた。
異変が起きているのは、城内だけかもしれない。外にはちゃんと人が居るかもしれない!
「さすがベルナールだ! 外を確認しよう!」
「そうね! 行きましょ!」
俺達は急いで扉へと走り、生まれて初めて自分達の手で出入口の扉を開ける。そうして燦燦と太陽が照らす外へと出て、すぐに声を張り上げる。
「俺だっ、ベルナール王太子殿下だ!! 誰か!! 誰かいたら返事をしろ!! すぐ来い!!」
「王命令だ! 返事をせよ!!」
「早くしなさい!!」
「僕らの声に応えるのです!!」
「居るんでしょ!? 聞こえてるんでしょ!? 早くしてよ!!」
俺達は喉が裂けんばかりに大声を出し、反応を待ち……………………………………。
5分経っても、誰もやって来ない。
「べっ、ベルナール王太子殿下が呼んでいるんだぞ!? はやくしろ!!」
「この声が聞こえんのか!? 早くするのだ!!」
「早くなさい!!」
「どうしたんですか!! 早くしなさい!!」
「早くしてって言ってるでしょ!!」
俺達は更に声量を上げて声を発し、反応を待って……………………………………。
更に5分経っても、誰もやって来ない。
「…………そ、そうだ! 一番先に来た者には褒美をやるぞ!!」
「100万リペイルをやろう!!」
「好きな場所の土地もあげるわ!!」
「一番だけの特権ですよ!!」
「欲しいよね!? 早く来てよ!!」
今度は豪華な褒美まで加えて、待ち……………………………………。
更に10分、合計20分待っても、誰もやって来なかった。
「「「「…………………………」」」」
「…………そ、そうか! きっと城の敷地内全体に異変が起きているんだ!! 敷地の外にはちゃんと人が居るはずだ!!」
そう! 今度こそ、そうに決まっている。
なので――王族が単独で外部に出るなど本来は言語道断だが、そんなことを気にしている場合ではない。全員で城門まで走り、門を開けて外に出る。
そうして周りを確認して――
「居た!! 居たよ!! 人が居る!!」
「おおっ! 本当だ!! 人がい――………………」
――俺はマルゴと一緒に喜びの声をあげ、その直後に父上と一緒に悲鳴をあげることになってしまう。
……確かに、人はいた。たくさん、うじゃうじゃ居たんだ。
でも……。でも…………。
ソイツらは――
「なんだ、あれは……。死体が、歩いて、きている……」
「僕に分かるはずがないですよ! 静かにしなさいマルゴ!!」
「そんなこと言ったってっ! 静かになんてできないよ!! ねえベルナール兄様っ! どうしようっ!! どうしたらいいの!?」
「俺にも分かるはずがないだろう!! ライナに言われたように黙ってい――そうだ! 外だっ! 外に行けば誰かが居るかもしれない!」
マルゴを怒鳴っている際に偶々玄関部の扉が視界に入り、思い付いた。
異変が起きているのは、城内だけかもしれない。外にはちゃんと人が居るかもしれない!
「さすがベルナールだ! 外を確認しよう!」
「そうね! 行きましょ!」
俺達は急いで扉へと走り、生まれて初めて自分達の手で出入口の扉を開ける。そうして燦燦と太陽が照らす外へと出て、すぐに声を張り上げる。
「俺だっ、ベルナール王太子殿下だ!! 誰か!! 誰かいたら返事をしろ!! すぐ来い!!」
「王命令だ! 返事をせよ!!」
「早くしなさい!!」
「僕らの声に応えるのです!!」
「居るんでしょ!? 聞こえてるんでしょ!? 早くしてよ!!」
俺達は喉が裂けんばかりに大声を出し、反応を待ち……………………………………。
5分経っても、誰もやって来ない。
「べっ、ベルナール王太子殿下が呼んでいるんだぞ!? はやくしろ!!」
「この声が聞こえんのか!? 早くするのだ!!」
「早くなさい!!」
「どうしたんですか!! 早くしなさい!!」
「早くしてって言ってるでしょ!!」
俺達は更に声量を上げて声を発し、反応を待って……………………………………。
更に5分経っても、誰もやって来ない。
「…………そ、そうだ! 一番先に来た者には褒美をやるぞ!!」
「100万リペイルをやろう!!」
「好きな場所の土地もあげるわ!!」
「一番だけの特権ですよ!!」
「欲しいよね!? 早く来てよ!!」
今度は豪華な褒美まで加えて、待ち……………………………………。
更に10分、合計20分待っても、誰もやって来なかった。
「「「「…………………………」」」」
「…………そ、そうか! きっと城の敷地内全体に異変が起きているんだ!! 敷地の外にはちゃんと人が居るはずだ!!」
そう! 今度こそ、そうに決まっている。
なので――王族が単独で外部に出るなど本来は言語道断だが、そんなことを気にしている場合ではない。全員で城門まで走り、門を開けて外に出る。
そうして周りを確認して――
「居た!! 居たよ!! 人が居る!!」
「おおっ! 本当だ!! 人がい――………………」
――俺はマルゴと一緒に喜びの声をあげ、その直後に父上と一緒に悲鳴をあげることになってしまう。
……確かに、人はいた。たくさん、うじゃうじゃ居たんだ。
でも……。でも…………。
ソイツらは――
「なんだ、あれは……。死体が、歩いて、きている……」
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