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2 あたしをスカウト!? (2)
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この声を出したのは、後ろの席の月下紅葉(つきしたもみじ)ちゃん。おんなじ小学5年生とは思えないくらい落ち着いていて大人っぽい、長い黒髪が綺麗な美人さんなの(なんと去年お隣のクラスに転校してきたその日にファンクラブができて、今では5年生の3分の2の人が入ってるんだって……!)。
「モミジちゃんが慌ててるのははじめて見たし、こーやって話しかけてくれるのもはじめてだよね。どしたの?」
「……陽上さん。貴方は間違いなく、真っ白な場所で、もう一人の自分に、憧れている自分になりたいか? と話しかけられたのね?」
「う、うん。そだよ」
すっごく、区切ってるなぁ。なんなんだろー?
「だとしたら……。もう1人の自分が途中で理想の自分になって、『はい』か『いいえ』かを問われなかった?」
「えっ!? どーして知ってるの!?」
あたしが、見た夢なのに……。もしかしてこの夢って、有名なのかな……?
「…………まさか……。こんな事が、あるだなんて……」
「へっ? ぁぇ? な、なになに……?」
「…………ごめんなさい。陽上さん、ちょっと待っていて」
モミジちゃんはポケットからスマートホンを取り出して、電話をかけ始めた。
うわぁ、スマホだぁ。あたしもパパもママもこういうのが苦手だから、使いこなせる人はすっごくカッコいい――じゃなくって。どこにかけてるのかな?
「…………もしもし、私よ。ええ、ええ、そうなの。なので急いで報告を…………ええ、ええ、ええ。分かったわ。ええ、またあとで」
ユーカとユーナと一緒に待ってたら、お電話が終わった。
どきどき。どきどき。何か、起きるの、かな……?
「陽上さん。申し訳ないのだけれど、私についてきて頂戴」
「どっ、どこにっ? もうすぐ先生がきちゃうよっ?」
「これはね、とてつもない緊急事態なの。近くにある公園まで同行をお願いするわ」
「まっ、待ってっ。その前にご説明を――」
「それは、後でさせてもらうわ。来て頂戴」
あたしはモミジちゃんに右手を掴まれ、ずるずるずる。ぐいぐい引っ張られて、そのまま学校の外に出ちゃったのでした。
ぅぅぅ。先生、さぼってゴメンナサイ。
ユーカユーナ、言い訳お願いねぇ。
「モミジちゃんが慌ててるのははじめて見たし、こーやって話しかけてくれるのもはじめてだよね。どしたの?」
「……陽上さん。貴方は間違いなく、真っ白な場所で、もう一人の自分に、憧れている自分になりたいか? と話しかけられたのね?」
「う、うん。そだよ」
すっごく、区切ってるなぁ。なんなんだろー?
「だとしたら……。もう1人の自分が途中で理想の自分になって、『はい』か『いいえ』かを問われなかった?」
「えっ!? どーして知ってるの!?」
あたしが、見た夢なのに……。もしかしてこの夢って、有名なのかな……?
「…………まさか……。こんな事が、あるだなんて……」
「へっ? ぁぇ? な、なになに……?」
「…………ごめんなさい。陽上さん、ちょっと待っていて」
モミジちゃんはポケットからスマートホンを取り出して、電話をかけ始めた。
うわぁ、スマホだぁ。あたしもパパもママもこういうのが苦手だから、使いこなせる人はすっごくカッコいい――じゃなくって。どこにかけてるのかな?
「…………もしもし、私よ。ええ、ええ、そうなの。なので急いで報告を…………ええ、ええ、ええ。分かったわ。ええ、またあとで」
ユーカとユーナと一緒に待ってたら、お電話が終わった。
どきどき。どきどき。何か、起きるの、かな……?
「陽上さん。申し訳ないのだけれど、私についてきて頂戴」
「どっ、どこにっ? もうすぐ先生がきちゃうよっ?」
「これはね、とてつもない緊急事態なの。近くにある公園まで同行をお願いするわ」
「まっ、待ってっ。その前にご説明を――」
「それは、後でさせてもらうわ。来て頂戴」
あたしはモミジちゃんに右手を掴まれ、ずるずるずる。ぐいぐい引っ張られて、そのまま学校の外に出ちゃったのでした。
ぅぅぅ。先生、さぼってゴメンナサイ。
ユーカユーナ、言い訳お願いねぇ。
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