あこがれチェンジ!

柚木ゆず

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2 あたしをスカウト!? (4)

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「あー違う違う、陽上ちゃんに害があるんじゃないから。そんなに焦らなくても大丈夫だよ」
「そ、そーなんですか。じゃーじゃー、どーしてなんですか?」
「うん、それはね。2つ、理由があるんだ」

 ナツキちゃんさんは右手の、人差し指と中指を立てた。

「まず、1つめ。それは――自分の意思でアコヘンを拒絶した人にも、月下家とおんなじ力が宿るから。何かの拍子にうっかり力を使っちゃうと大変だから、そうならないように教えるようにしてるんだよ」
「えええっ、あたしにもあるんですか!? ヒーローの力があるのっ!?」
「アコヘンの誘惑に勝つと『素質あり』って判断されて、同じ力を渡されるみたいなんだ。誘惑に負けないのはしっかりとした自分を持っているという証で、人をアコヘンから救うには、そういう気持ちが必要なんだよ」
「………………………………。ぁぅぅ」

 い、言えない。夢と思い込んでて断わったなんて、言えない……。

「? 急にモジモジして、どったの?」
「なっ、なんでもないですっ。2つ目はなんなですかっ?」
「?? なんなですか?」
「まっ、間違えました、だよ。何なんですかっ?」
「なんか気になるけど、まーいっか。2つ目はね、アタシ達の仕事を――アコヘンの仕事を、陽上ちゃんにちょっとだけ手伝ってもらいたいなって思ったからなんだよ」

 首をかしげていたナツキちゃんさんは、あたしを見つめた。

「実を言うとアコヘンの仕事をできる人はとっても少なくて、この地域はアタシ達親子4人が担当してるの。だから常に人手不足で、仲間が欲しかったんだよ」
「ふぁ。そーなんですかぁ」
「それに紅葉は先月までアタシのサポートをしていてね、1人で数回解決してはいるものの、単独で任せるのはまだ心配だった。しかも4月は環境の変化で新しい友達や人と出会うから、1年間で1番憧れを抱く人に出会いやすい時期――1年間で1番、アコヘンが起きる時期なの。つまりアタシ達家族が手伝っている余裕が全然なかったから、普段以上にそういう人を求めてたんだよ」

 あたしも、4月にアコヘンしちゃったもんね。
 月下家さんは今、とっても忙しいんだ。

「というワケで陽上ちゃんには、忙しくなくなるまでの約1か月間、5月になるまでこの子のパートナーになってもらいたいんだよ。人助けってのはものすごくプレッシャーがかかることなんだけど、もしよければ少しだけ協力してくれないかな?」
「やりますっ! あたしやりますっっ!」

 右手をたかーく上げて、ハキハキと。首をブンブンって縦に動かして、すぐにオッケーをしました。

「……さすがのアタシも、即答されるとは思ってなかったなぁ。陽上ちゃんはどうして、すぐに引き受けてくれたのかな?」
「誰かがアコヘンのままになったら大変だってわかったし、ナツキちゃんさんたちが大変そうだし……。それに……」
「? なあに?」
「えっと、なんでもなくって、りゆーはいじょー以上です。あたしには力があるしじじょー事情も知っちゃったから、喜んでやります」

 言いかけてたお話は、恥ずかしいから内緒。あたしはもう1回おっきく頷いて、ナツキちゃんさんとモミジちゃんに笑ったのでしたっ。


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