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3 あたしが初仕事! (5)
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「…………5年生の、月下さんと陽上さんですよね……? どうしてここに……?」
入り口に『橋田』の表札があるお家についてお邪魔すると、広いリビングにリョーコちゃんがいた。
でもこのリョーコちゃんは、さっきのリョーコちゃんと全然違う。あたしたちのコトをオドオド名前で呼んでるし、少し暗めだ。
(そこにいる彼女は、橋田涼子さんの本来の『心』が人の姿になったもの。つまりそれが、本物の性格なのよ)
頭の上にハナテマークを浮かべていると、モミジちゃんが小声で教えてくれた。
(アコヘン状態になると、本物の心はこの世界――奥に引っ込んでしまうの。新たな性格にバトンタッチをして、心の中から今の自分を見守っているのよ)
(そー、なんだ。ここにいるリョーコちゃんが元に戻れるよーに、『本来の自分でいーんだよ』って説得しないとだね)
(ええ。今回は私に任せて、陽上さんはそこで見ていて)
小さく頷いたモミジちゃんは、トコトコトコ。7歩前に進んで、テレビの傍にいるリョーコちゃんの前に立った。
「こちらの貴方とお話するのは、はじめてね。自分に何が起きているのか、大体分かっているわよね?」
「は、はい。ウチは3日前に現れたもう1人のウチに頼んで、性格を変えてもらいました」
表の自分は、アコヘンがあったコトを覚えていないんだよ。ってナツキちゃんさんが言ってたけど、心の中にいる自分は覚えてるんだね。
ふむふむ。
「ねえ、橋田涼子さん。内側から見ていた別の自分は、どう?」
「色んな人に簡単に話しかけられて、簡単に仲良くなれて、いいなって思いました。テレビに出ていたあの人みたいになれてよかったな、って思ってます」
「そうね。確かに貴方は積極的になって、友人が増えた。それは、いい事だわ」
モミジちゃんは、『それは』を強く発音した。
ここを使って、説得する、のかな……?
「つ、月下さん。なにを、言いたいんですか?」
「橋田涼子さん、よく思い出してみて。貴方は誰を一番、大切に想っていたの?」
「だ、誰って……。それは、家族です。一緒に住んでるお父さんとお母さん、おじいちゃんとおばあちゃんです」
最初は戸惑ってたけど、『家族』って答えはすぐに出た。
だからリョーコちゃんはほんとに、家族のみんながとっても好きなんだ。
「そ、それが……。どうしたん、ですか……?」
「貴方が誰よりも愛している、その4人。お父様達はこの3日間、どうだった?」
「友達が沢山できて、喜んでくれました。今まで自分はあまり友達がいなかったから、ご馳走でお祝いしてくれました」
「…………そう。では、それ以外には何もなかったのかしら?」
「それ、以外……? 笑ってくれて……。一緒にピザとかケーキを食べて……。学校が楽しみだね、って言ってくれて――ぁ……。無理はしてないよね? って、みんなが心配そうにしてた……」
急に。リョーコちゃんのお目目が大きくなって、息をのんだ。
入り口に『橋田』の表札があるお家についてお邪魔すると、広いリビングにリョーコちゃんがいた。
でもこのリョーコちゃんは、さっきのリョーコちゃんと全然違う。あたしたちのコトをオドオド名前で呼んでるし、少し暗めだ。
(そこにいる彼女は、橋田涼子さんの本来の『心』が人の姿になったもの。つまりそれが、本物の性格なのよ)
頭の上にハナテマークを浮かべていると、モミジちゃんが小声で教えてくれた。
(アコヘン状態になると、本物の心はこの世界――奥に引っ込んでしまうの。新たな性格にバトンタッチをして、心の中から今の自分を見守っているのよ)
(そー、なんだ。ここにいるリョーコちゃんが元に戻れるよーに、『本来の自分でいーんだよ』って説得しないとだね)
(ええ。今回は私に任せて、陽上さんはそこで見ていて)
小さく頷いたモミジちゃんは、トコトコトコ。7歩前に進んで、テレビの傍にいるリョーコちゃんの前に立った。
「こちらの貴方とお話するのは、はじめてね。自分に何が起きているのか、大体分かっているわよね?」
「は、はい。ウチは3日前に現れたもう1人のウチに頼んで、性格を変えてもらいました」
表の自分は、アコヘンがあったコトを覚えていないんだよ。ってナツキちゃんさんが言ってたけど、心の中にいる自分は覚えてるんだね。
ふむふむ。
「ねえ、橋田涼子さん。内側から見ていた別の自分は、どう?」
「色んな人に簡単に話しかけられて、簡単に仲良くなれて、いいなって思いました。テレビに出ていたあの人みたいになれてよかったな、って思ってます」
「そうね。確かに貴方は積極的になって、友人が増えた。それは、いい事だわ」
モミジちゃんは、『それは』を強く発音した。
ここを使って、説得する、のかな……?
「つ、月下さん。なにを、言いたいんですか?」
「橋田涼子さん、よく思い出してみて。貴方は誰を一番、大切に想っていたの?」
「だ、誰って……。それは、家族です。一緒に住んでるお父さんとお母さん、おじいちゃんとおばあちゃんです」
最初は戸惑ってたけど、『家族』って答えはすぐに出た。
だからリョーコちゃんはほんとに、家族のみんながとっても好きなんだ。
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「…………そう。では、それ以外には何もなかったのかしら?」
「それ、以外……? 笑ってくれて……。一緒にピザとかケーキを食べて……。学校が楽しみだね、って言ってくれて――ぁ……。無理はしてないよね? って、みんなが心配そうにしてた……」
急に。リョーコちゃんのお目目が大きくなって、息をのんだ。
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