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6 あたし達がさがします! (2)
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「陽上さん。ここの504号室が、大原四葉さんのお家なの」
「ふぇー、こーきゅーそーな建物だねぇ。マンションの入口に色々ボタンがあるけど、関係ない人が入れるのかなぁ?」
「この世界にある鍵は全て空いていて、問題なく通れるわ。ほらね」
ガラスの扉の前に行くと勝手に開いてくれて、あたしたちはエレベーターに残って5階に到着。降りて4つ目の、『大原』って表札があるお部屋に入った。
「おじゃましまーすっ。ヨツバちゃんさん、いるかなぁ? 呼んだら、お返事してくれるかなぁ?」
「心の中の本人は、近づかないと反応してくれないの。残念だけどそれは無理よ」
「あそっか、前もそうだったよね。それじゃーおさがしスタートだよっ」
まずは、右にあるお部屋をチェック。まくらが2つある大きなベッドとレコードが沢山あるから、パパさんとママさんのお部屋かな。
「ここは………………いないね。クローゼットの中にもいないやぁ」
「次は、反対側。大原四葉さんの部屋ね」
木の扉に、『よつば』ってプレートがある。
ここに、いてくれるといいなぁ。
「ヨツバちゃんさーんっ。いますかーっっ?」
「……………………残念。いないようね」
ヒナエちゃんさんのポスターが貼られてたり本棚にモデルの雑誌がどっさりあったりするお部屋は、からっぽだった。
にゅぅ。ハズレ、かぁ。
「リビングも、和室も、キッチンなどその他の場所にもいないわね。ここじゃないみたいだわ」
「あややぁ。それならそれなら、どこなのかなぁ……?」
「よくあるパターンは、祖父母や友人の家ね。503号室が菊池碧さんのお宅だから、調べてみましょう」
「うんっ。そーしましょーっ」
ヨツバちゃんさんのお家にサヨナラをして、今度はお隣にお邪魔。さっきのおんなじよーに、出入口に近いお部屋から手分けをしてチェックする。
「にゅぅぅぅ。こっちには、いないよー」
「菊池碧さんの部屋にも、いないわ。私は和室を調べるから、陽上さんはリビングとキッチンをお願い」
「りょーかい、だよっ。いるかな、いるかなー……?」
おっきなテレビとテーブルがある広いリビングには、いない。綺麗で清潔そーなキッチンにも、いなかった。
「ふにゅぅ、×、ですー。そっちはどーだったかな?」
「こちらも同じ。祖父母さんのお家に向かいましょうか」
「だねーっ。おじーちゃんさんたちの住所も、知ってるのかな?」
「実行が決まったあとで、念の為に両親から聞いているわ。少し待って頂戴」
モミジちゃんは手帳を取り出して、後ろのページをペラペラ捲る。
みんなの家だけじゃなくて、こういうところまで調べてるんだ。月下家さんの皆さん、ほんとにお疲れ様です、だよ。
「……………大原四葉さんの祖父母のお家は、父方が徒歩で25分程。母方のお家が30分程ね。申し訳ないけれど、また歩いてもらうことになるわ」
「言いだしたのはあたしだし、歩くのはモミジちゃんもおんなじ。気にしなくていーよ」
モミジちゃんは、何も悪くないもんね。
あたしはブンブン首を右と左に振って、モミジちゃんの左手を掴んでから出発。気持ちが明るくなるよーに歌を歌いながら、おじーちゃんさんとおばーちゃんさんのお家を目指したのでした!
○○○
「ふぇー、こーきゅーそーな建物だねぇ。マンションの入口に色々ボタンがあるけど、関係ない人が入れるのかなぁ?」
「この世界にある鍵は全て空いていて、問題なく通れるわ。ほらね」
ガラスの扉の前に行くと勝手に開いてくれて、あたしたちはエレベーターに残って5階に到着。降りて4つ目の、『大原』って表札があるお部屋に入った。
「おじゃましまーすっ。ヨツバちゃんさん、いるかなぁ? 呼んだら、お返事してくれるかなぁ?」
「心の中の本人は、近づかないと反応してくれないの。残念だけどそれは無理よ」
「あそっか、前もそうだったよね。それじゃーおさがしスタートだよっ」
まずは、右にあるお部屋をチェック。まくらが2つある大きなベッドとレコードが沢山あるから、パパさんとママさんのお部屋かな。
「ここは………………いないね。クローゼットの中にもいないやぁ」
「次は、反対側。大原四葉さんの部屋ね」
木の扉に、『よつば』ってプレートがある。
ここに、いてくれるといいなぁ。
「ヨツバちゃんさーんっ。いますかーっっ?」
「……………………残念。いないようね」
ヒナエちゃんさんのポスターが貼られてたり本棚にモデルの雑誌がどっさりあったりするお部屋は、からっぽだった。
にゅぅ。ハズレ、かぁ。
「リビングも、和室も、キッチンなどその他の場所にもいないわね。ここじゃないみたいだわ」
「あややぁ。それならそれなら、どこなのかなぁ……?」
「よくあるパターンは、祖父母や友人の家ね。503号室が菊池碧さんのお宅だから、調べてみましょう」
「うんっ。そーしましょーっ」
ヨツバちゃんさんのお家にサヨナラをして、今度はお隣にお邪魔。さっきのおんなじよーに、出入口に近いお部屋から手分けをしてチェックする。
「にゅぅぅぅ。こっちには、いないよー」
「菊池碧さんの部屋にも、いないわ。私は和室を調べるから、陽上さんはリビングとキッチンをお願い」
「りょーかい、だよっ。いるかな、いるかなー……?」
おっきなテレビとテーブルがある広いリビングには、いない。綺麗で清潔そーなキッチンにも、いなかった。
「ふにゅぅ、×、ですー。そっちはどーだったかな?」
「こちらも同じ。祖父母さんのお家に向かいましょうか」
「だねーっ。おじーちゃんさんたちの住所も、知ってるのかな?」
「実行が決まったあとで、念の為に両親から聞いているわ。少し待って頂戴」
モミジちゃんは手帳を取り出して、後ろのページをペラペラ捲る。
みんなの家だけじゃなくて、こういうところまで調べてるんだ。月下家さんの皆さん、ほんとにお疲れ様です、だよ。
「……………大原四葉さんの祖父母のお家は、父方が徒歩で25分程。母方のお家が30分程ね。申し訳ないけれど、また歩いてもらうことになるわ」
「言いだしたのはあたしだし、歩くのはモミジちゃんもおんなじ。気にしなくていーよ」
モミジちゃんは、何も悪くないもんね。
あたしはブンブン首を右と左に振って、モミジちゃんの左手を掴んでから出発。気持ちが明るくなるよーに歌を歌いながら、おじーちゃんさんとおばーちゃんさんのお家を目指したのでした!
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