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7 あたし達が、見つけた! (4)
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「月下ちゃん、陽上ちゃん。折角来てくれたのに、ごめんね」
「………………」
「これは、アタシの問題だからさ。そのお気持ちだけ受け取っておくよ」
確かに、そう。
これは、ヨツバちゃんさんの問題。夢が叶うか叶わないかの、大事な大事な問題。
なので。ご本人じゃないあたしたちは、お口を挟んじゃいけないんだと思う。
でもっ!
モミジちゃんが言ってたように、このままだと絶対にダメになっちゃう。
将来バッテンになっちゃうとわかってるんだから、お口を挟ませてもらいますっ。
「ヨツバちゃんさんっ! あたしの思ってるコトを、言いますです!」
「ひ、陽上さん……!?」
「あたしは。あたしはっ、ここにいるヨツバちゃんさんでオーディションをしてほしいっっ!」
大きな声を出しながら目の前まで歩いていって、しっかりと両手を掴む。
「ヨツバちゃんさんはずっとずっとモデルになりたかったっ! だったらすっごくすっごく、ずーっと頑張ってたはずです!」
「…………そう、毎日毎日努力をしてた。テレビや雑誌をたくさん見て読んで、モデルの勉強をしてきた。けど、結果がでなくって――」
「結果なら、出てる! 今回は、最後まで残ってるっ!」
ヨツバちゃんさん、ごめんなさい。あたしも遮らせてもらいますっ。
「調べてみたらオーディションは、1次審査と2次審査と3次審査があったんだもんっ。今まで頑張ってきた分は、今ちゃんと出てきてるんだよっ!」
「そ、それは……。今回は運が良くて……」
「ううんっ。そんなんじゃなくて、実力なんだよっ。じゃないと、3回続けて通過はできませんっ!」
毎回、たくさんの人が落ちてるんだもん。
ラッキー、だけで残れるはずがないよっ。
「ヨツバちゃんさんは、自分が思ってる以上にせいちょーしてるっ。成長してないと、おかしいのっ! だってヨツバちゃんさんは、『毎日毎日努力をしてた』って言ってたもん!!」
「っっ」
「だから、その自分をダメって思わないでっ! 捨てようとしないでっっ! 最後まで、頑張ってきた自分を信じてっっっ!!」
握っていたお手手を強く握って、お顔を覗き込む。
でね。それから、ちょっぴり苦笑いをした。
「あたしもね、自分で気が付いてないコトが一杯あるの。絵が上手だと思ってたらへたっぴだったり、苦手だと思ってたお歌がそうじゃなかったりとか」
「………………」
「ヨツバちゃんさんも、それとおんなじ。自分の力に、ちゃんと気が付けてないんだよ」
「………………」
「そのヨツバちゃんさんだって絶対に、今まで合格した人に負けないくらい素敵。最後だからこそ、1番いいヨツバちゃんさんで挑戦してくれませんか?」
あたしは手を離して、首を傾けてみる。
どう、かな? どうお返事、してくれるのかな……?
「………………」
「これは、アタシの問題だからさ。そのお気持ちだけ受け取っておくよ」
確かに、そう。
これは、ヨツバちゃんさんの問題。夢が叶うか叶わないかの、大事な大事な問題。
なので。ご本人じゃないあたしたちは、お口を挟んじゃいけないんだと思う。
でもっ!
モミジちゃんが言ってたように、このままだと絶対にダメになっちゃう。
将来バッテンになっちゃうとわかってるんだから、お口を挟ませてもらいますっ。
「ヨツバちゃんさんっ! あたしの思ってるコトを、言いますです!」
「ひ、陽上さん……!?」
「あたしは。あたしはっ、ここにいるヨツバちゃんさんでオーディションをしてほしいっっ!」
大きな声を出しながら目の前まで歩いていって、しっかりと両手を掴む。
「ヨツバちゃんさんはずっとずっとモデルになりたかったっ! だったらすっごくすっごく、ずーっと頑張ってたはずです!」
「…………そう、毎日毎日努力をしてた。テレビや雑誌をたくさん見て読んで、モデルの勉強をしてきた。けど、結果がでなくって――」
「結果なら、出てる! 今回は、最後まで残ってるっ!」
ヨツバちゃんさん、ごめんなさい。あたしも遮らせてもらいますっ。
「調べてみたらオーディションは、1次審査と2次審査と3次審査があったんだもんっ。今まで頑張ってきた分は、今ちゃんと出てきてるんだよっ!」
「そ、それは……。今回は運が良くて……」
「ううんっ。そんなんじゃなくて、実力なんだよっ。じゃないと、3回続けて通過はできませんっ!」
毎回、たくさんの人が落ちてるんだもん。
ラッキー、だけで残れるはずがないよっ。
「ヨツバちゃんさんは、自分が思ってる以上にせいちょーしてるっ。成長してないと、おかしいのっ! だってヨツバちゃんさんは、『毎日毎日努力をしてた』って言ってたもん!!」
「っっ」
「だから、その自分をダメって思わないでっ! 捨てようとしないでっっ! 最後まで、頑張ってきた自分を信じてっっっ!!」
握っていたお手手を強く握って、お顔を覗き込む。
でね。それから、ちょっぴり苦笑いをした。
「あたしもね、自分で気が付いてないコトが一杯あるの。絵が上手だと思ってたらへたっぴだったり、苦手だと思ってたお歌がそうじゃなかったりとか」
「………………」
「ヨツバちゃんさんも、それとおんなじ。自分の力に、ちゃんと気が付けてないんだよ」
「………………」
「そのヨツバちゃんさんだって絶対に、今まで合格した人に負けないくらい素敵。最後だからこそ、1番いいヨツバちゃんさんで挑戦してくれませんか?」
あたしは手を離して、首を傾けてみる。
どう、かな? どうお返事、してくれるのかな……?
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