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9 あたし達のゴールデンウィーク! (3)
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「……あった。今日ボクが買うのは、これ」
色んな音楽が鳴ってたり、ギターを背負ってる人がいたりするお店の、真ん中くらいにある場所。今人気のある商品を置いてるコーナーで、ユーカは棚にあったCDを1枚手に取った。
「……ボクが密かに応援している、歌い手のアルバム。ハナは前ウチに来た時、動画サイトのを聴いたでしょ?」
「………………。………………。………………」
「……。必死に思い出そうとしてるけど、思い出せそうにないね」
「…………ぁぅ、ごめんなさい。あの日は新しく覚えたコトがどっさりで、覚えよーとしすぎて殆ど忘れちゃったんだよぉ」
あたしはパソコンを触ったコトがなくって、使い方を教えてもらったの。
ブラウザ? とかアプリ? とかアップロード? とか普段聞かない単語ばっかりで、途中で頭が痛くなっちゃったんだよねぇ……。
「ハナちゃんのお父さんもお母さんも、機械が苦手だもんね~。また今度、ゆっくり教えてあげるね~」
「ユーナ、ありがとぉ。ユーカも、ほんとゴメンね?」
「……改めて説明すれば、なにも問題ない。ハナ、よければ月下ちゃんも、聞いてね」
にゅ、にゅう。
今度は忘れないよーに、しっかりお聞きするよー。
「……まず歌い手とは、動画投稿サイトに自分が歌った動画を投稿している人のこと。とはいえその種類は様々で、既にある歌を歌うカバー中心の人、自作した曲を歌う人、誰かに作ってもらった未発表の曲を歌う人などがいる」
「ふぇー。そーなんだー」
「……この歌い手は作詞作曲編曲を自分で全て行えるシンガーソングライターで、等身大の自分を表現した歌詞と切なくも前向きなメロディーが特徴。主に10代の男女から圧倒的な支持を得ており、投稿動画は必ず5000万回以上再生されている」
「5000万回!? す、すごいねぇ」
この国に住んでる人が確か、1億2600万人くらい、だったよね?
だとしたら3人に1人は聴いてるってことで、ほんとにすごいよっ!
「……しかもどの曲も、今でもすさまじいペースで数字が増えてる。毎日何十万人もの人が再生してる、超人気者」
「はぇ~」
「……あとね。この人の楽曲――この人が作詞作曲編曲をした曲を他の人が歌って、その曲はドラマの主題歌にもなってる。今お店で流れてるのが、それね」
その曲は、ゆっくりで少し寂しそうなリズム。でも聴いてるとなんでか『前に進まないと!』って思ってきちゃう、勇気の出る不思議な曲だった。
「……ボクはこの人の曲と歌を1回聴いてすぐファンになって、全邦楽の中で――日本の中で、1番オススメの人。以上で、説明終わり」
途中からズィィッと近寄ってきて、あたしとモミジちゃんに紹介をしてくれた。
ユーカは昔から、興味のあることになるとすっごく喋るの。だから初めて見る人は絶対にビックリしちゃって、多分モミジちゃんも――あれ?
モミジちゃんは、ビックリしてないや。
「??? ふや?」
モミジちゃんは、落ち着いた人。だから、ビックリしないのかなぁ?
「陽上さん? 私の顔に、何かついているかしら?」
「ううん、違うの。なんでもないよぉ」
ユーカは急に沢山喋っちゃう癖を、実は少し気にしてる。なのでそういうお話は、ここではしないのです。
「……動画サイトには曲とかPVとか色々アップされてるけど、やはりCDを欲しかった。買ってくる」
ソワソワしながら早歩きでレジに持っていって、ユーカのお買い物もお仕舞い。
お次は、お買い物モミジちゃん編っ。モミジちゃんの行きたいお店に、レッツゴーっ!
○○〇
色んな音楽が鳴ってたり、ギターを背負ってる人がいたりするお店の、真ん中くらいにある場所。今人気のある商品を置いてるコーナーで、ユーカは棚にあったCDを1枚手に取った。
「……ボクが密かに応援している、歌い手のアルバム。ハナは前ウチに来た時、動画サイトのを聴いたでしょ?」
「………………。………………。………………」
「……。必死に思い出そうとしてるけど、思い出せそうにないね」
「…………ぁぅ、ごめんなさい。あの日は新しく覚えたコトがどっさりで、覚えよーとしすぎて殆ど忘れちゃったんだよぉ」
あたしはパソコンを触ったコトがなくって、使い方を教えてもらったの。
ブラウザ? とかアプリ? とかアップロード? とか普段聞かない単語ばっかりで、途中で頭が痛くなっちゃったんだよねぇ……。
「ハナちゃんのお父さんもお母さんも、機械が苦手だもんね~。また今度、ゆっくり教えてあげるね~」
「ユーナ、ありがとぉ。ユーカも、ほんとゴメンね?」
「……改めて説明すれば、なにも問題ない。ハナ、よければ月下ちゃんも、聞いてね」
にゅ、にゅう。
今度は忘れないよーに、しっかりお聞きするよー。
「……まず歌い手とは、動画投稿サイトに自分が歌った動画を投稿している人のこと。とはいえその種類は様々で、既にある歌を歌うカバー中心の人、自作した曲を歌う人、誰かに作ってもらった未発表の曲を歌う人などがいる」
「ふぇー。そーなんだー」
「……この歌い手は作詞作曲編曲を自分で全て行えるシンガーソングライターで、等身大の自分を表現した歌詞と切なくも前向きなメロディーが特徴。主に10代の男女から圧倒的な支持を得ており、投稿動画は必ず5000万回以上再生されている」
「5000万回!? す、すごいねぇ」
この国に住んでる人が確か、1億2600万人くらい、だったよね?
だとしたら3人に1人は聴いてるってことで、ほんとにすごいよっ!
「……しかもどの曲も、今でもすさまじいペースで数字が増えてる。毎日何十万人もの人が再生してる、超人気者」
「はぇ~」
「……あとね。この人の楽曲――この人が作詞作曲編曲をした曲を他の人が歌って、その曲はドラマの主題歌にもなってる。今お店で流れてるのが、それね」
その曲は、ゆっくりで少し寂しそうなリズム。でも聴いてるとなんでか『前に進まないと!』って思ってきちゃう、勇気の出る不思議な曲だった。
「……ボクはこの人の曲と歌を1回聴いてすぐファンになって、全邦楽の中で――日本の中で、1番オススメの人。以上で、説明終わり」
途中からズィィッと近寄ってきて、あたしとモミジちゃんに紹介をしてくれた。
ユーカは昔から、興味のあることになるとすっごく喋るの。だから初めて見る人は絶対にビックリしちゃって、多分モミジちゃんも――あれ?
モミジちゃんは、ビックリしてないや。
「??? ふや?」
モミジちゃんは、落ち着いた人。だから、ビックリしないのかなぁ?
「陽上さん? 私の顔に、何かついているかしら?」
「ううん、違うの。なんでもないよぉ」
ユーカは急に沢山喋っちゃう癖を、実は少し気にしてる。なのでそういうお話は、ここではしないのです。
「……動画サイトには曲とかPVとか色々アップされてるけど、やはりCDを欲しかった。買ってくる」
ソワソワしながら早歩きでレジに持っていって、ユーカのお買い物もお仕舞い。
お次は、お買い物モミジちゃん編っ。モミジちゃんの行きたいお店に、レッツゴーっ!
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