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第2話 不思議な出来事 マエリス視点
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「ただいま、マリエス」
「お帰りなさい。……リフレッシュできましたか?」
「ああ、とても良い時間を過ごせたよ。おかげで来週も、一週間頑張れそうだ」
今日も今日とて、朝から森林浴に出掛けた日の夜。上機嫌で帰って来たジョルロアさんと色々お話しをして、嫌な気持ちを抱きながらベッドに入ったあとのことでした。
((…………はぁ、また1時間くらいで起きてしまった。ライズに心配をかけないように、ちゃんと寝ないといけないのに――あら?))
室内にある時計を見てため息を吐いていると、出入り口の方から『カサ』という物音が聞こえてきたのでした。
((なにかしら……? 紙が磨れるような音が、したような――!? てがみ……!?))
扉のすぐそばに、簡素な封筒が落ちていました。
あの音と、この位置。さっき、誰かが扉の隙間から室内に滑り込ませたみたいです。
((差出人の名前は、書いていないわね。……開けてみましょうか))
ここは何人も警備がいるお屋敷の中で、不審者がコッソリ入れるのは不可能。入れたのはお屋敷の中にいる誰がなので、拾い上げて開封しました。
((…………これからお伝えする情報は確かなもので、そのすべてを信用して欲しい……? この差出人は、わたしになにを伝えたいの……?))
その答えは、
《信じられないと思いますが、貴方様の夫であるジョルロアは浮気をしています。
こちらには、その証拠をお見せできる方法がございます。本日16日から一週間後、このあと指定させていただく行動の実行をお願い致します》
こういった、ものでした。
((…………誰かが、裏切りを教えてくれようとしている――……。恐らく、違いますね))
ハーライト家に雇われている人達の中に、『純粋にわたしを心配してくれる人』はいないように感じています。
きっとその読みは間違っていなくて、差出人に何かしらのメリットがあるからそうしているのでしょう。
((正体も分からない相手からの、お誘い。怪しい…………ですが、乗りましょう))
浮気は紛れもない事実で、少なくともこの方は嘘をついていない。それに指定された行動は、どれもが危険性がないものでした。
となれば現状打つ手がないわたしに、断るという選択肢はありません。
((……このチャンスは、絶対に逃さないようにしないといけませんね))
証拠を見た、その事実を使って認めさせる方法。そちらを一週間の間に8パターン考え、本番に臨むこととなりました。
ひとつめの指示に従い前日から実家に戻っていたわたしは、ふたつ目の指示のタイミングに合わせて馬車に乗り込み――
「お帰りなさい。……リフレッシュできましたか?」
「ああ、とても良い時間を過ごせたよ。おかげで来週も、一週間頑張れそうだ」
今日も今日とて、朝から森林浴に出掛けた日の夜。上機嫌で帰って来たジョルロアさんと色々お話しをして、嫌な気持ちを抱きながらベッドに入ったあとのことでした。
((…………はぁ、また1時間くらいで起きてしまった。ライズに心配をかけないように、ちゃんと寝ないといけないのに――あら?))
室内にある時計を見てため息を吐いていると、出入り口の方から『カサ』という物音が聞こえてきたのでした。
((なにかしら……? 紙が磨れるような音が、したような――!? てがみ……!?))
扉のすぐそばに、簡素な封筒が落ちていました。
あの音と、この位置。さっき、誰かが扉の隙間から室内に滑り込ませたみたいです。
((差出人の名前は、書いていないわね。……開けてみましょうか))
ここは何人も警備がいるお屋敷の中で、不審者がコッソリ入れるのは不可能。入れたのはお屋敷の中にいる誰がなので、拾い上げて開封しました。
((…………これからお伝えする情報は確かなもので、そのすべてを信用して欲しい……? この差出人は、わたしになにを伝えたいの……?))
その答えは、
《信じられないと思いますが、貴方様の夫であるジョルロアは浮気をしています。
こちらには、その証拠をお見せできる方法がございます。本日16日から一週間後、このあと指定させていただく行動の実行をお願い致します》
こういった、ものでした。
((…………誰かが、裏切りを教えてくれようとしている――……。恐らく、違いますね))
ハーライト家に雇われている人達の中に、『純粋にわたしを心配してくれる人』はいないように感じています。
きっとその読みは間違っていなくて、差出人に何かしらのメリットがあるからそうしているのでしょう。
((正体も分からない相手からの、お誘い。怪しい…………ですが、乗りましょう))
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となれば現状打つ手がないわたしに、断るという選択肢はありません。
((……このチャンスは、絶対に逃さないようにしないといけませんね))
証拠を見た、その事実を使って認めさせる方法。そちらを一週間の間に8パターン考え、本番に臨むこととなりました。
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