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第4話 ………… マエリス視点
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((……………………………………ファニーさんとの間に、子どもがいただなんて……))
頭が真っ白になってしまうほどの、衝撃に襲われました。
でも、すぐに……。
それ以上の衝撃が、やって来てしまうのでした。
「嫌いになんて、なるはずがありませんよ。いつも、パパパパ言っています」
「そうなんだ。嬉しい、ホッとしたよ」
「泣いている時も、ジョル様の話をするとピタッと泣き止むんです。世界で一番大好きな人のひとりですよ」
「嬉しい反応をしてくれるねぇ。ここに連れてこれていたなら、抱き締めていたよ」
「ああ、レオンは本当に良い子だ。どっかの誰かとは大違いだよ」
「もしかして……。また、ジョル様を困らせるようなことがあったんですか?」
「そうなんだよ。ライズ、アイツは俺にストレスばかり溜めさせる。あんなのを子ども扱いするのは苦痛だよ」
「あ~あ。マエリスもライズも、死んでくれたらいいのにな。なんで事故に巻き込まれるのが俺なんだよ」
「あ、あの。あまりそういうことは、仰らない方が……」
「ファニーは優しいなぁ。いいんだよ、いいのいいの」
「そ、そう、です、か……?」
「いつも言っているけど、俺の妻はファニーで子どもはレオンだけ。マエリスもライズも、俺に憑りついている悪霊みたいなだからね。何を言ってもいいのさ」
レオンという息子の話をする時に、ライズには一度も向けたことのない優しい表情を浮かべたり。ライズを扱き下ろしたり、死ねと言ったり。
おもわず飛び出していきたくなる言葉が次々と、しかも嬉々としてジョルロアさんの口から出てきたのです。
((…………許せ、ない……))
わたしはともかくライズへの暴言は看過できず、体温が上昇していくのが分かります。しかしながらここで姿を晒してしまうと、以後の行動に支障をきたしてしまう。
この感情をぶつけるのは、明後日なのです。
((…………落ち着き、ましょう))
ペンダントに触れてこみ上げてくる怒りを懸命に抑え込み、それこそ自己防衛のために耳を塞いでなにも聞こえないようにする。そうしているとやがて2人は名残惜しそうにしながら個室を後にして、それを合図にわたしも次の行動へと移ります。
((まずは……))
わざわざ、ジョルロアさん自らファニーさんにつけてあげたナフキン。ふたりの指紋が付着しているものを確保し、待機してもらっていたウチの馬車に乗り込んでファニーさんが乗った馬車を追跡する。
((…………ここが、ファニーさんが暮らしている家))
そうして浮気相手の住居を特定し、これで材料は揃いました。ですので再度実家に帰ってお父様と合流し、浮気の証拠を持ってハーライト邸へと向かい――
頭が真っ白になってしまうほどの、衝撃に襲われました。
でも、すぐに……。
それ以上の衝撃が、やって来てしまうのでした。
「嫌いになんて、なるはずがありませんよ。いつも、パパパパ言っています」
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「嬉しい反応をしてくれるねぇ。ここに連れてこれていたなら、抱き締めていたよ」
「ああ、レオンは本当に良い子だ。どっかの誰かとは大違いだよ」
「もしかして……。また、ジョル様を困らせるようなことがあったんですか?」
「そうなんだよ。ライズ、アイツは俺にストレスばかり溜めさせる。あんなのを子ども扱いするのは苦痛だよ」
「あ~あ。マエリスもライズも、死んでくれたらいいのにな。なんで事故に巻き込まれるのが俺なんだよ」
「あ、あの。あまりそういうことは、仰らない方が……」
「ファニーは優しいなぁ。いいんだよ、いいのいいの」
「そ、そう、です、か……?」
「いつも言っているけど、俺の妻はファニーで子どもはレオンだけ。マエリスもライズも、俺に憑りついている悪霊みたいなだからね。何を言ってもいいのさ」
レオンという息子の話をする時に、ライズには一度も向けたことのない優しい表情を浮かべたり。ライズを扱き下ろしたり、死ねと言ったり。
おもわず飛び出していきたくなる言葉が次々と、しかも嬉々としてジョルロアさんの口から出てきたのです。
((…………許せ、ない……))
わたしはともかくライズへの暴言は看過できず、体温が上昇していくのが分かります。しかしながらここで姿を晒してしまうと、以後の行動に支障をきたしてしまう。
この感情をぶつけるのは、明後日なのです。
((…………落ち着き、ましょう))
ペンダントに触れてこみ上げてくる怒りを懸命に抑え込み、それこそ自己防衛のために耳を塞いでなにも聞こえないようにする。そうしているとやがて2人は名残惜しそうにしながら個室を後にして、それを合図にわたしも次の行動へと移ります。
((まずは……))
わざわざ、ジョルロアさん自らファニーさんにつけてあげたナフキン。ふたりの指紋が付着しているものを確保し、待機してもらっていたウチの馬車に乗り込んでファニーさんが乗った馬車を追跡する。
((…………ここが、ファニーさんが暮らしている家))
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