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第9話 異常事態 俯瞰視点(2)
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「叔父上、叔母上、それにお前達まで……!! なんなんだ!?」
一階に降りてみたらエントランスには、父親の兄妹2人と商会内において重要なポジションに就いている10人が居た。それぞれの護衛などを含めるとなんと30人以上が集結していて、ジョルロアの目は点になりました。
「今日は来訪の予定は一件も入っていなかったぞ!? どうなってい――もしかして……。父上と母上のアレと、関係があるのか……?」
「ご名答。その通りだよ、ジョルロア」
集団の先頭にいた、眼鏡をかけた神経質そうな男――父ロークの実弟ザルイールが、静かに頷きを返しました。
「叔父上教えてください!! なにがあったんで――」
「ところで、ジョルロア。お前、浮気をしていたそうだな?」
「――……。え……?」
前のめりになっていたジョルロアの身体が、まるで石像になったかのように硬直しました。
((浮気の件は、外に漏れないように口留めしたんだぞ……!? どうなってる!?))
「近しい者以外に知られないように口止めしていたのに、なぜ知られている――そう焦っているのだろう? 実はな、とあるルートで情報を入手したのだよ」
「や、やだなぁ、なにを言っているんですか? 浮気? そんなことありませんよ」
浮気は様々なリスクがあるため、家族以外は関係の即解消を望む。否定しないと、せっかく手に入れた明るい未来が崩壊してしまう。
最悪の事態を防ぐべく死に物狂いで心を落ち着かせ、さも事実でないかのように肩を竦めてみせました。
「叔父上も御存じでしょう、人を好きになれないのを。そんな俺が、誰を好きになるというのですか?」
「ファニー・ヴァサーズ。それが、お前が恋をしている人物だ」
「ふぁ、ファニー? 誰ですかね? そんな人知りませんよ?」
「……そうか。この地図にある住居に住んでいる女性と、レオンという男児のことも、知らないのだな?」
((……。バカ、な……。どういうことだ……!?))
ザルイールが差し出した紙はファニーの自宅がある場所を正確に示しており、子どもの名前まで把握されていた。
ソレらは、自分の味方しか知らないこと。叔父達は本来、知り得ない情報でした。
((どうやって情報を入手した……!? 漏らすヤツはいないはずだ……!!))
自分の周りは信頼できる忠実な部下たちで固めているし、フォルトエナ家にはきつく口止めをした。ジョルロアにとっては、それこそ夢のようなできごとでした。
「…………そうか、だから父上と母上は『夢』だと繰り返していたのか……。ようやく、理解できた……。そうだ、そうだよ。これは、夢じゃないとおかしいんだ――」
「違うぞ、ジョルロア。兄上達が錯乱し現実逃避をし始めた理由は、そこではない」
確かにソレを聞かされた際も取り乱しましたが、ああなってしまっていた原因はその次に告げられた内容にありました。
「当主ローク、当主夫人アヌーク、嫡男ジョルロア。以上の3人を追放する。……これが、兄上達が壊れた理由だ」
一階に降りてみたらエントランスには、父親の兄妹2人と商会内において重要なポジションに就いている10人が居た。それぞれの護衛などを含めるとなんと30人以上が集結していて、ジョルロアの目は点になりました。
「今日は来訪の予定は一件も入っていなかったぞ!? どうなってい――もしかして……。父上と母上のアレと、関係があるのか……?」
「ご名答。その通りだよ、ジョルロア」
集団の先頭にいた、眼鏡をかけた神経質そうな男――父ロークの実弟ザルイールが、静かに頷きを返しました。
「叔父上教えてください!! なにがあったんで――」
「ところで、ジョルロア。お前、浮気をしていたそうだな?」
「――……。え……?」
前のめりになっていたジョルロアの身体が、まるで石像になったかのように硬直しました。
((浮気の件は、外に漏れないように口留めしたんだぞ……!? どうなってる!?))
「近しい者以外に知られないように口止めしていたのに、なぜ知られている――そう焦っているのだろう? 実はな、とあるルートで情報を入手したのだよ」
「や、やだなぁ、なにを言っているんですか? 浮気? そんなことありませんよ」
浮気は様々なリスクがあるため、家族以外は関係の即解消を望む。否定しないと、せっかく手に入れた明るい未来が崩壊してしまう。
最悪の事態を防ぐべく死に物狂いで心を落ち着かせ、さも事実でないかのように肩を竦めてみせました。
「叔父上も御存じでしょう、人を好きになれないのを。そんな俺が、誰を好きになるというのですか?」
「ファニー・ヴァサーズ。それが、お前が恋をしている人物だ」
「ふぁ、ファニー? 誰ですかね? そんな人知りませんよ?」
「……そうか。この地図にある住居に住んでいる女性と、レオンという男児のことも、知らないのだな?」
((……。バカ、な……。どういうことだ……!?))
ザルイールが差し出した紙はファニーの自宅がある場所を正確に示しており、子どもの名前まで把握されていた。
ソレらは、自分の味方しか知らないこと。叔父達は本来、知り得ない情報でした。
((どうやって情報を入手した……!? 漏らすヤツはいないはずだ……!!))
自分の周りは信頼できる忠実な部下たちで固めているし、フォルトエナ家にはきつく口止めをした。ジョルロアにとっては、それこそ夢のようなできごとでした。
「…………そうか、だから父上と母上は『夢』だと繰り返していたのか……。ようやく、理解できた……。そうだ、そうだよ。これは、夢じゃないとおかしいんだ――」
「違うぞ、ジョルロア。兄上達が錯乱し現実逃避をし始めた理由は、そこではない」
確かにソレを聞かされた際も取り乱しましたが、ああなってしまっていた原因はその次に告げられた内容にありました。
「当主ローク、当主夫人アヌーク、嫡男ジョルロア。以上の3人を追放する。……これが、兄上達が壊れた理由だ」
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