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第12話 その後 マエリス視点(1)
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「…………予想外の連続だったな」
「はい、お父様。予想外、でしたね」
フォルトエナ子爵邸内にある、応接室。そこでわたしとお父様は、顔を見合わせていました。
――ジョルロアさん達の追放――。
わたしが実家に戻っている間にあちらでは大騒ぎが起きていて、わたしも面識のあるザルイール様が新当主であり新会頭になっていました。
「だが、だ。こちらにとっては、最高の結末となったな」
「そうですね。これ以上のものは、ないと思います」
わたし達はジョルロアさん達に怒りを覚えているため、包み隠さず話してくださりました。
ザルイールさんは長年当主と会頭の座を欲していて、なんと従者だったアルスさんを送り込んでずっと目を光らせていた。今回悲願を達成できたのはわたしの存在が大きく、相当に感謝をされていました。
そこで通常の倍に近い額の慰謝料の支払いに加え、わたし達に非常な有利な形で商会と取り引きできるようになった。その上今度フォルトエナ家に困ったことが出来た際は、無条件で協力するいう約束まで結べたのでした。
「新当主殿のムーブに関して思うところがないわけではないが、罰を与えたい者達にちゃんと罰がくだったのだ。よしとしておこう」
「ですね」
お義父様とお義母様だった人達は追放のショックによって、自我が崩壊して今はどこかの施設で抜け殻となって生きているそう。あちらの調べによるとジョルロアさんはファニーさんに見捨てられてしまったようで、どこかに行ってしまった――行方不明のため詳しくは分かりませんが、恐らくは路頭に迷っているそう。
全員、自身の行いがしっかりと返って来ています。
「……たった数日間で、ここまで状況が変わるだなんて。人生、何があるか分かりませんね」
実家に戻って来た時は、他の女性を認識したまま過ごすという、あまりにも異常な日常が生涯続くと思っていました。
それがまさか、なにもかもが消え去るだなんて。
((事実は小説よりも奇なり、ですね))
浮気の発覚から現在までを思い返しながら、そんな風に思い――。
そう思っている時のわたしは、まだ知りませんでした。
その翌日に、それ以上の『奇なり』が待っていることを。
「お父様、参りました。大事なお話とは、なんなのでしょうか?」
「…………あの、だな。今更、になってしまうが……。聞いて欲しい」
「は、はい。なん、でしょう?」
「…………オスカーくんと、再婚するつもりはないか?」
「はい、お父様。予想外、でしたね」
フォルトエナ子爵邸内にある、応接室。そこでわたしとお父様は、顔を見合わせていました。
――ジョルロアさん達の追放――。
わたしが実家に戻っている間にあちらでは大騒ぎが起きていて、わたしも面識のあるザルイール様が新当主であり新会頭になっていました。
「だが、だ。こちらにとっては、最高の結末となったな」
「そうですね。これ以上のものは、ないと思います」
わたし達はジョルロアさん達に怒りを覚えているため、包み隠さず話してくださりました。
ザルイールさんは長年当主と会頭の座を欲していて、なんと従者だったアルスさんを送り込んでずっと目を光らせていた。今回悲願を達成できたのはわたしの存在が大きく、相当に感謝をされていました。
そこで通常の倍に近い額の慰謝料の支払いに加え、わたし達に非常な有利な形で商会と取り引きできるようになった。その上今度フォルトエナ家に困ったことが出来た際は、無条件で協力するいう約束まで結べたのでした。
「新当主殿のムーブに関して思うところがないわけではないが、罰を与えたい者達にちゃんと罰がくだったのだ。よしとしておこう」
「ですね」
お義父様とお義母様だった人達は追放のショックによって、自我が崩壊して今はどこかの施設で抜け殻となって生きているそう。あちらの調べによるとジョルロアさんはファニーさんに見捨てられてしまったようで、どこかに行ってしまった――行方不明のため詳しくは分かりませんが、恐らくは路頭に迷っているそう。
全員、自身の行いがしっかりと返って来ています。
「……たった数日間で、ここまで状況が変わるだなんて。人生、何があるか分かりませんね」
実家に戻って来た時は、他の女性を認識したまま過ごすという、あまりにも異常な日常が生涯続くと思っていました。
それがまさか、なにもかもが消え去るだなんて。
((事実は小説よりも奇なり、ですね))
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そう思っている時のわたしは、まだ知りませんでした。
その翌日に、それ以上の『奇なり』が待っていることを。
「お父様、参りました。大事なお話とは、なんなのでしょうか?」
「…………あの、だな。今更、になってしまうが……。聞いて欲しい」
「は、はい。なん、でしょう?」
「…………オスカーくんと、再婚するつもりはないか?」
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