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第11話 感謝の気持ち 俯瞰視点(2)
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「…………え? ファニー……?」
花が咲くような笑顔を期待したのに、返ってきたのは冷たい視線と手の痛み。
ジョルロアの頭の中は真っ白になり、ポカンと口を開けました。
「ここ、まで……? 一緒に、暮らしては、くれないのか……?」
「当たり前ですよ。地位も財も失った貴方には、なんの価値もない。そんな人と一緒に居るはずがありませんよ」
『え!? 君も気になっていた!?』
『は、はい……。とても素敵な方だな、と思って……。目を、奪われていました』
あの時のあの言葉は、嘘。ファニーは一目惚れなどしておらず、『貴族』『嫡男』に目をつけて話を合わせていたのです。
そんな理由で関係を持ち始めたファニーは、当然打算塗れの女。
いかに自分に貢がせるかだけを考えていて、それ故に貢ぐ力を失ったジョルロアにはまったく興味がないのでした。
「そもそもあたし、貴方の顔も性格も全然好みじゃないんですよ。せめてどっちかだけでも好みなら考えたんですけど、駄目ですね。もう要りません」
「…………お前まで、俺を騙していたんだな……!! くそ女めええええ――」
「暴力を振るっていいんですかぁ? 通報しちゃいますよぉ?」
「――っ! くそ……!!」
そんなことになってしまったら、更に悪い人生となってしまう。ジョルロアは振り上げた手を下ろし、血が出るほど唇を噛みました。
「も、もういい! なら家を空け渡せ! ソレは俺の金で建てた家だ!! お前に住む資格はない!!」
「違います。ここは『自由に使っていい』と渡されたお金で、あたしが建てた家です。住む資格があるのは、ファニー、なんですよ」
ジョルロアの名前を出せるはずがなく、法的にも持ち主はファニーとなっています。したがって彼女が譲ると言わない限り、彼には一切の権利がないのでした。
「この……! このぉ……!!」
「怒りたいのはこっちですよ。貴方のせいで、描いてた未来図が台無しになってしまったじゃないですか」
ある意味、とてつもなく2人はお似合い。ファニーは当然のように問題発言を行い、ジョルロアの後方を指差しました。
「だから腹が立っていて、貴方の顔なんて二度と見たくないんです。消えてください。今すぐに。さあ」
「………………っっ!!」
「聞こえなかったんですか? 早く消えろ。邪魔。目障り。これ以上しつこくするなら、通報するわよ?」
「………………くそが!! 死ね!! 死ね!! 地獄に落ちろ!!」
それが、精一杯でした。ジョルロアは呪詛と唾を吐きつけ、怒りと絶望で顔を歪めながら走り去ったのでした。
〇〇〇
そんなジョルロアは、その後――
花が咲くような笑顔を期待したのに、返ってきたのは冷たい視線と手の痛み。
ジョルロアの頭の中は真っ白になり、ポカンと口を開けました。
「ここ、まで……? 一緒に、暮らしては、くれないのか……?」
「当たり前ですよ。地位も財も失った貴方には、なんの価値もない。そんな人と一緒に居るはずがありませんよ」
『え!? 君も気になっていた!?』
『は、はい……。とても素敵な方だな、と思って……。目を、奪われていました』
あの時のあの言葉は、嘘。ファニーは一目惚れなどしておらず、『貴族』『嫡男』に目をつけて話を合わせていたのです。
そんな理由で関係を持ち始めたファニーは、当然打算塗れの女。
いかに自分に貢がせるかだけを考えていて、それ故に貢ぐ力を失ったジョルロアにはまったく興味がないのでした。
「そもそもあたし、貴方の顔も性格も全然好みじゃないんですよ。せめてどっちかだけでも好みなら考えたんですけど、駄目ですね。もう要りません」
「…………お前まで、俺を騙していたんだな……!! くそ女めええええ――」
「暴力を振るっていいんですかぁ? 通報しちゃいますよぉ?」
「――っ! くそ……!!」
そんなことになってしまったら、更に悪い人生となってしまう。ジョルロアは振り上げた手を下ろし、血が出るほど唇を噛みました。
「も、もういい! なら家を空け渡せ! ソレは俺の金で建てた家だ!! お前に住む資格はない!!」
「違います。ここは『自由に使っていい』と渡されたお金で、あたしが建てた家です。住む資格があるのは、ファニー、なんですよ」
ジョルロアの名前を出せるはずがなく、法的にも持ち主はファニーとなっています。したがって彼女が譲ると言わない限り、彼には一切の権利がないのでした。
「この……! このぉ……!!」
「怒りたいのはこっちですよ。貴方のせいで、描いてた未来図が台無しになってしまったじゃないですか」
ある意味、とてつもなく2人はお似合い。ファニーは当然のように問題発言を行い、ジョルロアの後方を指差しました。
「だから腹が立っていて、貴方の顔なんて二度と見たくないんです。消えてください。今すぐに。さあ」
「………………っっ!!」
「聞こえなかったんですか? 早く消えろ。邪魔。目障り。これ以上しつこくするなら、通報するわよ?」
「………………くそが!! 死ね!! 死ね!! 地獄に落ちろ!!」
それが、精一杯でした。ジョルロアは呪詛と唾を吐きつけ、怒りと絶望で顔を歪めながら走り去ったのでした。
〇〇〇
そんなジョルロアは、その後――
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