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番外編 ファニーのその後 俯瞰視点(1)
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「よかった。約束の時間に間に合ったようだね」
「ルゾートさんっ、お待ちしておりました! お会いしたかったですっ!」
ジョルロアが追放されて行方不明となってから、9か月後。ファニーは元恋人のお金で建てた家で楽しく暮らしていて、満面の笑みで玄関のドアを開けました。
30代半ばに見える、口元に髭を蓄えたダンディーな男性。
彼は、ルゾート・アズト。ファニーの新しい恋人です。
『チッ、ジョルロアのせいで何もかもが台無しだわ。……早く、新しい『カモ』を見つけないと』
何もしなくても、お金や欲しい物がドンドン手に入る。一度そんな体験をしたファニーの脳内に『地道に働く』という選択肢はなく、すぐさま第2のジョルロア探しが始まりました。
((あたしの美貌と愛嬌があれば、男なんて簡単に手玉に取れる。よさげな男は……………………見つけた!))
前職のツテを使って就職していたリストランテで物色していたファニーは、やがてリッチなスーツで身を固めた客を発見します。
出で立ちも雰囲気も『金持ち』だったため迷わず接触し、話を聞いてみると貿易商だったためロックオン。自分の武器を最大限に駆使し、見事半年前にルゾートを手中に収めていたのです。
「僕も会いたかったよ。はい、今日のプレゼント。よかったら受け取って欲しい」
「? なにをいただけるのでしょうか…………えっ!? よろしい、のですか……!?」
「もちろんさ。君が喜ぶ姿を見るのが僕の幸せだからね。君は今日も遠慮してしまうと思うけれど、どうかしないで欲しい」
「しょ、承知いたしました。ありがたくいただきますね、ルゾートさん」
ルゾートが手渡したのは、ゆうに50万ザックスはするネックレス。ファニーは表向きは緊張しながら、心の中ではニンマリしながら高級品を受け取り、2人は他愛もない話をしながら家の中へと入っていきました。
「今夜はかなり、お忙しかったみたいですね? この間仰っていた新プロジェクトですか?」
「いいや、そちらではないんだよ。プロジェクトB――別の関係のもので、隣国のお偉いさんと会食をしていたんだ」
「指定された場所は遠かったし、かなり気難しい人で大変だったよ。ただ良い話ができて、来年の頭には大きく花が開きそうだ」
「わぁ……! さすがルゾートさん……!」
リビングスペースに移動したあとも楽しい会話が続き、そういったやり取りが1時間ほど続いた時でしょうか――。
不意に、ルゾートは神妙な面持ちとなったのでした。
「実はね、ファニーにお願いがあるんだ」
「ルゾートさんっ、お待ちしておりました! お会いしたかったですっ!」
ジョルロアが追放されて行方不明となってから、9か月後。ファニーは元恋人のお金で建てた家で楽しく暮らしていて、満面の笑みで玄関のドアを開けました。
30代半ばに見える、口元に髭を蓄えたダンディーな男性。
彼は、ルゾート・アズト。ファニーの新しい恋人です。
『チッ、ジョルロアのせいで何もかもが台無しだわ。……早く、新しい『カモ』を見つけないと』
何もしなくても、お金や欲しい物がドンドン手に入る。一度そんな体験をしたファニーの脳内に『地道に働く』という選択肢はなく、すぐさま第2のジョルロア探しが始まりました。
((あたしの美貌と愛嬌があれば、男なんて簡単に手玉に取れる。よさげな男は……………………見つけた!))
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出で立ちも雰囲気も『金持ち』だったため迷わず接触し、話を聞いてみると貿易商だったためロックオン。自分の武器を最大限に駆使し、見事半年前にルゾートを手中に収めていたのです。
「僕も会いたかったよ。はい、今日のプレゼント。よかったら受け取って欲しい」
「? なにをいただけるのでしょうか…………えっ!? よろしい、のですか……!?」
「もちろんさ。君が喜ぶ姿を見るのが僕の幸せだからね。君は今日も遠慮してしまうと思うけれど、どうかしないで欲しい」
「しょ、承知いたしました。ありがたくいただきますね、ルゾートさん」
ルゾートが手渡したのは、ゆうに50万ザックスはするネックレス。ファニーは表向きは緊張しながら、心の中ではニンマリしながら高級品を受け取り、2人は他愛もない話をしながら家の中へと入っていきました。
「今夜はかなり、お忙しかったみたいですね? この間仰っていた新プロジェクトですか?」
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「指定された場所は遠かったし、かなり気難しい人で大変だったよ。ただ良い話ができて、来年の頭には大きく花が開きそうだ」
「わぁ……! さすがルゾートさん……!」
リビングスペースに移動したあとも楽しい会話が続き、そういったやり取りが1時間ほど続いた時でしょうか――。
不意に、ルゾートは神妙な面持ちとなったのでした。
「実はね、ファニーにお願いがあるんだ」
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