わたしとの約束を守るために留学をしていた幼馴染が、知らない女性を連れて戻ってきました

柚木ゆず

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第20話 ミシェルのその後 俯瞰視点(2)

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「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「っっ!? なにっ!? なんですのっ!?」

 それは、愚かな計画が立ち上がった日の夜のことでした。
 怒り、恨み疲れてミシェルが眠っていると、部屋の外から父トニーの大絶叫が響いて来たのでした。

「今のは…………夢の中の声……? 違うっ、今も聞こえた! お父様が何が叫んでいますわっ!」

 こんなにも大声を出すだなんて――。早く確認しないと――。
 そんな思いでベッドを飛び降り、絶叫の発生源へと向かってみたら――

「っ!! みしぇるうううううううううう!!」
「お、お父様……。どう……なってますの……?」

 ――そこには11人の男を従えた叔父と叔母と、2人の男に拘束されているトニーの姿があったのです。

「なっ! なにがありましたの!?」
「わたしにも分からんのだ!! コイツらが突然訪ねてきたと思ったらっ、よく分からんヤツらも一緒にいてっ! 組み伏せられてしまったのだ!!」
「おじ様おば様!! なんなんですの!? なにを考えていますの!?」
「……もう隠す必要はなくなった。教えてやろう」
「貴女は――いえ、貴女達は、彼がくれたせっかくのチャンスをフイにしてしまったのよ」

 もしも我慢を覚えて屋敷内で静かに暮らすのであれば、何も起きなかったこと。
 使用人の中に二人の手の者がいて、言動を監視していたこと。
 愚かな選択をしてしまったため、第2の選択肢が動き出してしまったこと。
 もうそれは止められないこと。
 それらが、叔父と叔母の口から告げられました。

「これからミシェル、そして兄さんには、とある場所に行ってもらう。死ぬまでずっとね」
「なっ!? わたしは当主だぞ!! そんなことが――」
「これはわたくし達2人の独断ではなく、一族の総意。これが証拠よ」

 大勢のサインと拇印が捺された書類。紛れもない証拠を見せられてトニー達は言葉を失い、そうしている間にミシェルも拘束されてしまいました。

「やっ、やめ!! 離して!! わたくしにはやらないといけないことがあるの!! フィリベールの毒抜きをしないといけないのっ!! きっとっ、絶対にっ!! フィリベールは心のどこかでわたくしに助けてを求めてるんだから!!」
「…………彼には、あまりにも多くの負担をかけてしまったな……」
「…………ええ。どうしようもなかったとはいえ…………忸怩たるものを感じずにはいられないわ」
「聞いていますの!? ちゃんと聞けぇええ!! わたくしはフィリベールのもとに――いやあああああああああああああ!!」

 叫んでいる間に合図が送られ、二人の連行が始まりました。

「やめろおおおおおおおおおおおおおお!! やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「はなせええええええええええええええ!! はなせえええええええええええええええええええええええええ!!」

 いくら叫んでも、その願いが叶うことはありません。
 娘ミシェルと父トニーは、仲良く馬車に放り込まれて――


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