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第3話 最初の作戦を終えて リュカ視点
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((…………よし。上手くいった))
ニナと母さんを、笑顔で見送ったあと。自室に戻った俺は、静かに右手を握り締めた。
母さんにリボンを発見され、咎められている姿や異様な発言をニナに目撃される。全て想定通りで、2人に『第1段階』の認識をさせられた。
((これで安心して、第2段階に移れる。……とはいえだ))
少しでも違和感を覚えられたら、失敗しかねない。アイツらはある種の狂人で、大切な人の心身に何をされるか分からない。
そこで、次の実行は約1か月後。それまでは今夜のような言動を見せたり、次回と第4段階の準備をしよう。
((第4段階の方は……。他者に頼むよりも、自分で作った方がより衝撃的だな))
アレは依頼をする予定だったが、考えが変わった。手間はかかってしまうけれど、そうしておこう。
((予定では、第4段階は3か月後。そのくらいあれば、充分間に合うな))
元々俺に、その知識はある。明日からニナや家族に悟られないよう、睡眠時間を削って――深夜に着手しよう。
((念の為に制作スケジュールを組んで……………………………………これで、第4段階についてはオーケー。あとは……………第2段階目に備え、情報の追加をしておこう))
さっき使ったばかりの手帳を取り出し、ページにある文字達をノートに写してゆく。
今日得た情報は、文字にして7612。この7か月間で得た情報と合わせると、900000字オーバー。第2段階を成功させるには、これらを全て暗記しなければならない。
((しかも……。情報は、まだまだ増える可能性がある……))
したがって、暗記はかなり大変。元々記憶力に優れている俺でも、正直不安になってしまう量だ。
((けれど――。しっかりと記憶しなければ、成功はない))
なので、やるしかない。
俺は頬を強めに叩いて弱気を追い出し、写し終えたノートを閉じてベッドに入る――その前に、窓際に向かう。そしてその窓から南東の方角を眺め、
((ルイーズ、必ずその手を掴むから。待っていてください))
あの日から深夜の常套句となっている台詞を紡ぎ、ベッドに入って就寝。明日からの行動を万全の調子で行えるよう、今夜もまた、罪悪感を抱きながら瞼を降ろしたのだった。
ニナと母さんを、笑顔で見送ったあと。自室に戻った俺は、静かに右手を握り締めた。
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((これで安心して、第2段階に移れる。……とはいえだ))
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((第4段階の方は……。他者に頼むよりも、自分で作った方がより衝撃的だな))
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((念の為に制作スケジュールを組んで……………………………………これで、第4段階についてはオーケー。あとは……………第2段階目に備え、情報の追加をしておこう))
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なので、やるしかない。
俺は頬を強めに叩いて弱気を追い出し、写し終えたノートを閉じてベッドに入る――その前に、窓際に向かう。そしてその窓から南東の方角を眺め、
((ルイーズ、必ずその手を掴むから。待っていてください))
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