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第6話 家に帰って 真鈴視点
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「お帰りなさい。真鈴が寄り道をするだなんて、珍しいわね」
せっかくだし本屋さんで少女漫画雑誌を一冊買って、コンビニでソフトクリームを強引に押し付けて、公園のベンチに座って一緒に食べて、帰宅。玄関で靴を脱いでいたら、お母さんが驚いた顔をしながら現れた。
「すごく珍しいでしょ? 水前寺良平くんって転校生と、幽霊助けをしてた」
「幽霊助け!? なっ、なにそれっ!?」
「水前寺くんは、幽霊の声が聞こえるの。それでね――」
挨拶の時にいきなり、『幽霊を見れる人はいませんか?』って言い出したこと。学校中で聞き回っていて、上級生に囲まれていたこと。そこに首を突っ込んだこと。困っている幽霊を助けていて、今はできなくなっていたこと。
幽霊を見える私が、安全かどうかを確かめる係になったこと。一人目は化け物で、二人目は女の子でお願いを叶えたこと。
とてつもなく濃かった、1日の出来事を伝えた。
「まあ……! 真鈴以外にもいたのね」
「うん、ビックリした。予想外、だったよ」
幽霊の声を聞ける人がいるなんて、思いもしなかった。
でも、それ以上に驚いたのは――。
『困っている人がいたら、助けたいじゃないですか』
――当然のように、さらっと言えちゃう人がいたこと。
苦しんでいる人のためなら、学校中でヘンな目で見られても構わないなんて。ほんと、すごすぎるよ。
「…………あのね、お母さん」
「なあに、真鈴」
「…………私ね。霊感があってよかったかも、って思ってる」
親友を失くしたり、居場所を失くしたり、滅茶苦茶なことをされて悲しい思いをしたり、出歩くのが苦痛になったり。
私にとって霊感は、最悪な存在だった。ずっとずっとず~っと、消えて欲しいと願い続けていた。
だけど。
そんな霊感があるから、水前寺くんを助けられた――あの子を救えたワケで。ちょっぴり、見直した、かもしれない。
「…………そう。真鈴、これからもその子と幽霊助けをするの?」
「水前寺くんが前に住んでたところ――隣の市で2人困っているっぽい幽霊を見つけてて、明後日の土曜日に朝からでかけるつもり」
私達は中学1年生で、学校が終わってから移動してたら補導されちゃう。お互い両親は平日も休日も何かと忙しくって、朝から自由に動ける休みの日に行くように決まったのです。
「真鈴が学校のない日に出かけるのは、初めてよね?」
「帰省とか家の用事以外で出るのは、初めて。……朝に玄関を通る時は、こんな予定ができるなんて思ってなかったよ。ほんと不思議だよね、人生って」
せっかくだし本屋さんで少女漫画雑誌を一冊買って、コンビニでソフトクリームを強引に押し付けて、公園のベンチに座って一緒に食べて、帰宅。玄関で靴を脱いでいたら、お母さんが驚いた顔をしながら現れた。
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「幽霊助け!? なっ、なにそれっ!?」
「水前寺くんは、幽霊の声が聞こえるの。それでね――」
挨拶の時にいきなり、『幽霊を見れる人はいませんか?』って言い出したこと。学校中で聞き回っていて、上級生に囲まれていたこと。そこに首を突っ込んだこと。困っている幽霊を助けていて、今はできなくなっていたこと。
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「まあ……! 真鈴以外にもいたのね」
「うん、ビックリした。予想外、だったよ」
幽霊の声を聞ける人がいるなんて、思いもしなかった。
でも、それ以上に驚いたのは――。
『困っている人がいたら、助けたいじゃないですか』
――当然のように、さらっと言えちゃう人がいたこと。
苦しんでいる人のためなら、学校中でヘンな目で見られても構わないなんて。ほんと、すごすぎるよ。
「…………あのね、お母さん」
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親友を失くしたり、居場所を失くしたり、滅茶苦茶なことをされて悲しい思いをしたり、出歩くのが苦痛になったり。
私にとって霊感は、最悪な存在だった。ずっとずっとず~っと、消えて欲しいと願い続けていた。
だけど。
そんな霊感があるから、水前寺くんを助けられた――あの子を救えたワケで。ちょっぴり、見直した、かもしれない。
「…………そう。真鈴、これからもその子と幽霊助けをするの?」
「水前寺くんが前に住んでたところ――隣の市で2人困っているっぽい幽霊を見つけてて、明後日の土曜日に朝からでかけるつもり」
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「帰省とか家の用事以外で出るのは、初めて。……朝に玄関を通る時は、こんな予定ができるなんて思ってなかったよ。ほんと不思議だよね、人生って」
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