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第8話 予想外の出会い 真鈴視点(3)
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「大声で泣いている。『ない』。美緒ちゃんが言ってたのって、多分この子のことだ。美緒ちゃんが――あれ?」
水前寺くんから聞いた美緒ちゃんの言葉を思い出していたら、気になることがあった。
「水前寺くんにも、あの子が見えているよね?」
「は、はい。市川さんには、あの女の子の泣き声が聞こえていますよね?」
「うん、ちゃんと聞こえてる。あの子って、幽霊じゃないんだね」
この場所に案内したのは、幽霊の美緒ちゃん。幽霊に関する何かがあるのかと思ってた。
「小学校の……亡くなる前のお友達、でしょうか?」
「困ってるから助けてあげって、ってお願いかもね。オッケー美緒ちゃん。任せておいて」
そのお願い、引き受けました。
美緒ちゃんがいるはずの空に向かって頷いて、脅かせないようにゆっくり女の子に近づいた。
「どうして泣いているのかな? よかったら、お姉ちゃん達に教えてくれるかな?」
「ぇぐっ。えぐっ。あのね……。ママがいなくなっちゃったの」
この子は、迷子ちゃん。小学2~3年生くらいに見えるから、外でひとりぼっちになったら不安だよね。
「大丈夫、すぐに見つけるよ。お母さんの連絡先――スマートフォンの番号は、知らないかな?」
「分かんない……。お家のなら分かるけどね、今はね、パパもいないの」
「そっか。じゃあ、お母さんを最後に見たのはどこかな?」
連絡がつかないなら、お母さんの目撃情報を集めて見つけよう。
「ここ、なの。2階? 上のところでヌイグルミを見てたらね、ママがえっと……。エスカレーターにね、のってたの。でね、あたしもエスカレーターに乗ってね、追いかけたらママはお外に出ちゃったの。それでね、あたしも出たら、いなくなってたの」
「そっかぁ。ヌイグルミは、お母さんと見てたのかな?」
「ん、ママと見てた。でもね。別のところにあるヌイグルを見てたらね、ママは近くじゃなくってエスカレーターにいたのっ」
「……ふむふむ……。オッケー、分かった。すぐにお母さんに会えるよ」
女の子ちゃんの手を取って、ディスカウントストアに入る。
「ふぇ? お姉ちゃん、ママはお外だよ? こっちでいーの?」
「うん、いいんだよ。ヌイグルミがあるのは……」
「そちらのようですね」
水前寺くん、ナイス。
2階についたら左斜め前に進んでいって、ヌイグルミが沢山並んでいるコーナーで周りを見回す。
「私の推理が合ってるなら……………………見つけた! 女の子ちゃん、あの人がお母さんじゃないかな?」
「!! そうっ! ママ!! ママぁあっ!!」
レジの前にいる泣きそうな顔をしている女性を見た途端、女の子は走り出して抱き付いた。
「澄香(すみか)っ!? よかった! どこにいたの!?」
「お外だよっ! ママを追いかけたんだよ! なんでひとりぼっちにするのぉっ!」
「え、ええ……!? お母さん、ずっとここに居たわよ……? 澄香が、急にいなくなっちゃったのよ……?」
やっぱり、思った通りだった。
女の子ちゃんは後ろ姿がそっくりな人をお母さんと間違っちゃって、慌てて追いかけてたんだ。
「お見事です。よく分かりましたね」
「実はね、小さい頃に似た経験をしてるんだよ。私じゃなくて母が」
おじいちゃん達の家に帰省した際に、どうしても必要になってショッピングモールに行った。そこには幽霊が結構いたからベンチに座ってお母さんを待ってたら、『待って真鈴! どこにいくの~っ! お母さんはこっちよ~!』って違う女の子を必死に追いかけだしたんだよねぇ。
「大人でも間違える時があるんだから、子どもだったらもっとしちゃう。お母さんはどこにも行ってなくて、お店の中にいるって確信したよ」
「なるほど、そうだったんですね。その時はビックリしてしまったでしょうし、余計に見間違えやすくなって――」
「娘を見つけてくださってありがとうございます!!」
女の子ちゃん――澄香ちゃんが私達のことを話したみたいで、澄香ちゃんのお母さんが大急ぎでいらっしゃった。
「本当に、ありがとうございました……!」
「どういたしまして。でも、お礼は別の人に言ってあげてください」
いきなり幽霊とか言われたら、驚かれちゃうと思う。
でも、どうしても知って欲しかったから。水前寺くんと頷き合って、あの出来事を伝えることにしたのでした。
水前寺くんから聞いた美緒ちゃんの言葉を思い出していたら、気になることがあった。
「水前寺くんにも、あの子が見えているよね?」
「は、はい。市川さんには、あの女の子の泣き声が聞こえていますよね?」
「うん、ちゃんと聞こえてる。あの子って、幽霊じゃないんだね」
この場所に案内したのは、幽霊の美緒ちゃん。幽霊に関する何かがあるのかと思ってた。
「小学校の……亡くなる前のお友達、でしょうか?」
「困ってるから助けてあげって、ってお願いかもね。オッケー美緒ちゃん。任せておいて」
そのお願い、引き受けました。
美緒ちゃんがいるはずの空に向かって頷いて、脅かせないようにゆっくり女の子に近づいた。
「どうして泣いているのかな? よかったら、お姉ちゃん達に教えてくれるかな?」
「ぇぐっ。えぐっ。あのね……。ママがいなくなっちゃったの」
この子は、迷子ちゃん。小学2~3年生くらいに見えるから、外でひとりぼっちになったら不安だよね。
「大丈夫、すぐに見つけるよ。お母さんの連絡先――スマートフォンの番号は、知らないかな?」
「分かんない……。お家のなら分かるけどね、今はね、パパもいないの」
「そっか。じゃあ、お母さんを最後に見たのはどこかな?」
連絡がつかないなら、お母さんの目撃情報を集めて見つけよう。
「ここ、なの。2階? 上のところでヌイグルミを見てたらね、ママがえっと……。エスカレーターにね、のってたの。でね、あたしもエスカレーターに乗ってね、追いかけたらママはお外に出ちゃったの。それでね、あたしも出たら、いなくなってたの」
「そっかぁ。ヌイグルミは、お母さんと見てたのかな?」
「ん、ママと見てた。でもね。別のところにあるヌイグルを見てたらね、ママは近くじゃなくってエスカレーターにいたのっ」
「……ふむふむ……。オッケー、分かった。すぐにお母さんに会えるよ」
女の子ちゃんの手を取って、ディスカウントストアに入る。
「ふぇ? お姉ちゃん、ママはお外だよ? こっちでいーの?」
「うん、いいんだよ。ヌイグルミがあるのは……」
「そちらのようですね」
水前寺くん、ナイス。
2階についたら左斜め前に進んでいって、ヌイグルミが沢山並んでいるコーナーで周りを見回す。
「私の推理が合ってるなら……………………見つけた! 女の子ちゃん、あの人がお母さんじゃないかな?」
「!! そうっ! ママ!! ママぁあっ!!」
レジの前にいる泣きそうな顔をしている女性を見た途端、女の子は走り出して抱き付いた。
「澄香(すみか)っ!? よかった! どこにいたの!?」
「お外だよっ! ママを追いかけたんだよ! なんでひとりぼっちにするのぉっ!」
「え、ええ……!? お母さん、ずっとここに居たわよ……? 澄香が、急にいなくなっちゃったのよ……?」
やっぱり、思った通りだった。
女の子ちゃんは後ろ姿がそっくりな人をお母さんと間違っちゃって、慌てて追いかけてたんだ。
「お見事です。よく分かりましたね」
「実はね、小さい頃に似た経験をしてるんだよ。私じゃなくて母が」
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女の子ちゃん――澄香ちゃんが私達のことを話したみたいで、澄香ちゃんのお母さんが大急ぎでいらっしゃった。
「本当に、ありがとうございました……!」
「どういたしまして。でも、お礼は別の人に言ってあげてください」
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