婚約破棄ですか? ありがとうございます!

柚木ゆず

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第17話(2)

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「この国に存在する、『レイオン家』と『ワエマズ家』。皆様が速やかに行動できるよう、わたし達が非賛同派の公爵家を賛同派へと変えたいと考えております」

 気になっていた疑問をお尋ねしてみると、お上品に予想外なことを仰った。
 あたしも、アルフレッドも、近くにいたレナちゃんも。もちろんビックリしてしまって、実際に目玉が飛び出しそうになった。

「わたしの家はレイオン家と、アイズの家はワエマズ家と代々懇意にしており、両家が存在し続けられるよう、『困った時は助け合う』という盟約を結んでおりました」
「ですが今回の相手は王家だった為、両家は『他国の問題だから首を突っ込めない』などと言い訳をして不介入。反感を買ってしまう事態を恐れ、相談にすら乗ってもらえませんでした」
「そして――。その際にわたし達の父が『こちらは以前、他国の問題でも動いたじゃないか!』『約束が守られないなら盟約は破棄する!』と訴えると、彼らは慌てて『次に要望があれば必ず動きます』そう返しました。ですので今回要望を出せば、両家は動いてくれるのですよ」

 ふふふふふっと。ジャンス様は少々、黒めに微笑んだ。
 盟約なのに、話すら聞いてもらえなかったんだもんね。……かなり、ご立腹みたい。

「両家共に『保険』を失うのは痛いですし、このクーデターは正当性があり成功が確定したも同然です。確実に呑んでくれますよ」
「僕達は他国の貴族でして、残念ながら直接は関われません。ですのでこのような形でお力添えをさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか?」
「「もちろんですっ! 是非、よろしくお願いしますっ!」」

 あたしとアルフレッドは、迷わず頭を下げた。
 公爵家クラスを2つの引き込めたら、状況は大きく好転する。所要時間が何日も短縮できちゃうんだもん。最高のお力添えだよね……っ。

「そっか、ようやく分かりましたよ。閣下はこういう繋がりを御存じだったので、すぐに俺達のもとへご案内したのですね?」
「うむ、そうなのだよ。……やはりあらゆる意味で、『似た者』は引き寄せ合うようだ。お二人のおかげで、様々な心配事がなくなった」

 閣下はあたし達4人に対して目を細め、パンと手を打ち鳴らす。そうすると従者さんがススっと寄ってきて、現場の状況を報告。全て片付いたことを把握すると頷き、ジャンス様とハイオラ様に顔を向けた。

「ナナユ・ジャンス殿、アイズ・ハイオラ殿。殿下が新たな手を打つ前に、片をつけたいと考えております」
「はい、承知しております。ですので至急、両家に接触致します」
「移動距離と現在の時刻を考えると、今夜中には『味方』になってくれるでしょう。その際に、伝達する事などはございますか?」
「この手紙を――決行時刻や待機場所などを記したものを、渡していただけると助かります。ジャンス殿はこちらを、ハイオラ殿はこちらをお願い致します」

 すでに決行時刻は決まっていて、それは夕食の真っ最中である午後7時。そしてお二人の助力で目途が立ったため、決行日は明日。
 その日その時間、アルフレッドが中心となって決めた陣形で――抵抗は無駄だとすぐに悟らせる陣形で、一気に勝負をつけるみたい。

リル君サートル家の待機場所はアルフレッド君ロザス家と同じだが、念のためあとで確認をしておいて欲しい。件の監視者は、当日わたしが捕らえ無力化しておく。周囲は気にせず、アルフレッド君と王宮へ来てくれたまえ」
「はいっ、分かりました。閣下、ジャンス様、ハイオラ様、アルフレッド。よろしくお願いしますっ」

 そうしてあたし達は全員で頷き合って、一旦解散。それぞれの目的を果たすため、各自行動を始めたのでした。

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