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第20話(1)

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『御覧の通り、これはクーデター。しかもわたし大公を含めたこの国の貴族の8割が賛同し、その家臣と共にこの場に駆け付けているクーデターだ。……この数、この武器の量。抵抗と降伏。どちらが賢明か、言わずもがなだろう?』
『しかもね。この中には、腕の立つヤツが何人もいるんだよ。こんな風にねっ!』
『『『『『ひぃっ!?』』』』』
『『『『大した力のない我々は、10か月間この時の準備を行ってきた。今なら、お前達と対応以上に渡り合えるぞ(渡り合えるわよ)』』』』

 大公を始めとした数百人規模の貴族連合に加え、ザック、お父様、お母様、おじ様、レナちゃんによる、最前にいた衛兵の真横を撃ち抜く実弾による長距離射撃――正確無比な実力などなど。質も量も王宮サイドを圧倒していて、予想通り抵抗はなし。
 陛下や殿下は反撃を命じたみたいだけど、これを目の当たりにしたら反抗なんてできやしない。そのため全ての衛兵が武器を手放し道を開けてくれて、連合軍の代表者――閣下、アルフレッド、あたしは、全員が集合している食卓に乗り込んだ。

「リル……! リル……っ! またお前か……っっ。お前が――」
殿下、些末事は後回しだ。兄さん、義姉さん。貴方達の時間は、もうお仕舞いだ」
「めっ、メドスっ! なっ、何を言っているんだっ!? さっきから、お前の言っていることが理解できないっ!」
「理不尽な婚約とか息子を溺愛だとか、意味不明よ……っ。貴方はリル・サートルに騙されているのよっ!」

 陛下と王妃殿下は目を剥き、声を荒らげて閣下に詰め寄る――詰め寄ろうとして、こちらの味方となった衛兵さんに拘束されてしまった。

「この場にサーフィナ・コアナが居る時点で、明白なのだが……。やはり以後は、『長男が無条件で王座を継ぐ』という仕組みは、廃止しなければならないな」
「違うっ、違うんだメドスっ! これは偶々なんだ! 元婚約者が迷惑をかけたお詫びとして、食事に招待しただけ――」
「そうか。ならば、サーフィナ・コアナの私室がある理由を説明して欲しい。王宮ではいつの間に、客専用の部屋を用意するようになったのだ?」
「「…………………っ。………………………」」

 言い返したいけど、言い返せない。陛下と妃殿下は口をパクパクさせ、たまらず殿下を睨みつけた。




突然すみません。お詫びをさせていただきます。
体調不良によって予定していた部分まで書くことができず、本日はこのような形となってしまいました。そのため第20話(1)の続きは、明日投稿させていたただきます。

中途半端なところで終わってしまい、申し訳ございません。
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