わたくしを追い出した王太子殿下が、一年後に謝罪に来ました

柚木ゆず

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エピローグ アンブル&俯瞰視点

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「…………そういうこと、だったのですね」

《アンブル。貴方にお願いがあります》

 突然、頭の中に響いて来た声――祖国オサゾックの護り神様により、すべてを理解しましました。

『アンブル、久しぶりだね。今日は大事な話をしに来たんだ』

 王太子殿下が現れたのは、予想通り他意があった。なんと鈴本美兎さんは故郷へと転送されており、聖女不在となっていたのです。
 殿下達は真実を打ち明けると退位を求めると考えて伏せ、説得が無理だと分かるや殺害を試みる。ソレにより最後の一線を越えたと判断されてしまい、別の世界へと飛ばされてしまっていたのです。

《故に3週間ほどで、オサゾックは崩壊してしまいます。そこで貴方に再び聖女となっていただきたいのですが、ご安心ください。貴方は今の生活を失うことはありません》
「? それは、どういう……?」

 ここから神殿は――祈祷をする場所へは移動に約3日半かかるため、時間的な問題で行き来はできません。
 今回のように一週飛ばすなどすれば可能ではありますが、何度もしていたら瘴気が溜まっていずれ浄化ができなってしまいますし……。どうやっても失う、と思うのですが……?

《御足労が最低限で済むよう、この国の神に協力を依頼してワープホールを設置します。ルーマック男爵家のお庭から一瞬で神殿へと移動できるようになるのですよ》
「そういうことだったのですね……! あらゆる懸念は消え去りました」

 一瞬で移動できてしまえるのなら、時間的なアレコレは発生しません。
 今の生活を続けながら、聖女としての活動も問題なく行えますね。

《異世界の住人に干渉するには色々と制約がありまして、行動が随分と遅くなってしまいました。こちらは、その償いのひとつです》
「ひとつ、ですか? 他にもなにか……?」
《申し訳ありませんが、神的な意味で少々ルール違反をしてしまっていましてね。こちら以外には言及できないのですよ》

 神的なルール違反。
 その単語はとても気になりますが、語調からするに悪影響があるようには思えません。そう仰られていますし、そうしておきましょう。

《アンブル。今後も祖国をお願いします。貴方がたの幸せ、見守っております》
「痛み入ります。……お任せください。今度も誠心誠意、尽くさせていただきます!」


 〇〇


 そうしてアンブルは再び聖女となり、特殊な二足の草鞋の生活が始まるのですが――。『特別』な生き方をしている真っすぐな者が近くにいた、からなのでしょうか?

「うわぁああああ!? ………………え? なんとも、ない……?」

 一年後にドファールは馬車の事故に巻き込まれたものの、なんと無傷。かすり傷一つくつことはなく無事に屋敷に戻ることができ、用意していた『婚約リング』をアンブルに贈ることができたのでした――。
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