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第2話 2日後 俯瞰視点(1)
「卿、御夫人、イナヤ嬢。重ね重ね、申し訳ございません」
2日後の、午前11時を少し回った頃。アスユト子爵家の皆様が――当主ロドン様、当主夫人エナール様、マティウス様、マティウス様の実弟ガブリエル様がいらっしゃり、応接室で相談が始まるや改めてロドン様が背を折られました。
「卿、頭をお上げください。マティウス殿も被害者である可能性も充分にありますゆえ」
「……痛み入ります。先ほども申し上げましたように、誠心誠意――胸襟を開いて応じさせていただきます。まずは、こちらが把握している情報をお伝えします」
マティウス様がお戻りになられたあと、あちらでも緊急の会議が開かれていました。その結果――
マティウス様が初めて『ルナ』と出会ったのは、初めて両家で挨拶を行った時。共有の趣味があり、早々に意気投合していた。
ウチに2回目に訪れた際に『ルナ』とお喋りする機会があり、その際に自分は『ルナ』に惹かれているのだと気付いていた。
その後3回目の接触の際に『ルナ』からも『マティウス様と結婚出来たら幸せなのに』と言われ、両想いだったと認識。我慢できなくなり、そうできる方法を模索し始めていた。
あれこれ思案したものの見つからず、一時は諦めていた。しかしながらコッソリ二人きりでするお喋りが楽しくて仕方がなく、諦めきれなくなった。
2人の夢を叶えるべく、無礼と承知で2人でお願いすることにした。
――そういった内容が、マティウス様の口から出ていたそうです。
「その際息子はスラスラと説明をしましたし、くだんの『ルナ』についても過去のやり取りまで一切詰まることなく事細かに語っておりました。聴取は我々3人に加えて家令を含めた5人に同席してもらったのですが、わたしを含め全員が『嘘を言っているとは思えない』と判断いたしました」
「あのあと――。我々も振り返りましたが、同じ結論に至りました」
『? それはこちらの台詞ですよ。ルナ様は、ちゃんといらっしゃったじゃないですか。あの場に』
『どこって。僕の隣で立っているじゃないですか』
『??? 身長は……154センチ、だそうですよ。体型は細身で、お顔はウサギを連想させます。服は本日もリボンが多いものをお召しになられてますね。とてもよくお似合いです』
あの日発せられた言葉の中にも、表情の中にも、不自然さはなし。演技をしているようには見えませんでした。
「……マティウスよ。ルナという女性は、この部屋の中にいるのか?」
「ええ。イナヤ様のお隣に居ます。不安そうに父上のお顔を見つめていますよ」
「「「「「「「………………」」」」」」」
マティウス様に視線を追って全員でその地点を見つめてみますが、あの時とおんなじ。誰も目視できませんし、触りも出来ません。
「そうか。……分かった。マティウス、少し席を外してくれ。お前抜きで話したいことがある」
「え? 父上……?」
「すまんな。少しだけだ、席を外してくれ」
「しょ、承知しました。し、失礼します」
マティウス様は戸惑いながらも部屋を出ていかれ、アスユト家のお三方が神妙な面持ちで頷き合いました。
マティウス様抜きで話したいこと。なんなのでしょう……?
2日後の、午前11時を少し回った頃。アスユト子爵家の皆様が――当主ロドン様、当主夫人エナール様、マティウス様、マティウス様の実弟ガブリエル様がいらっしゃり、応接室で相談が始まるや改めてロドン様が背を折られました。
「卿、頭をお上げください。マティウス殿も被害者である可能性も充分にありますゆえ」
「……痛み入ります。先ほども申し上げましたように、誠心誠意――胸襟を開いて応じさせていただきます。まずは、こちらが把握している情報をお伝えします」
マティウス様がお戻りになられたあと、あちらでも緊急の会議が開かれていました。その結果――
マティウス様が初めて『ルナ』と出会ったのは、初めて両家で挨拶を行った時。共有の趣味があり、早々に意気投合していた。
ウチに2回目に訪れた際に『ルナ』とお喋りする機会があり、その際に自分は『ルナ』に惹かれているのだと気付いていた。
その後3回目の接触の際に『ルナ』からも『マティウス様と結婚出来たら幸せなのに』と言われ、両想いだったと認識。我慢できなくなり、そうできる方法を模索し始めていた。
あれこれ思案したものの見つからず、一時は諦めていた。しかしながらコッソリ二人きりでするお喋りが楽しくて仕方がなく、諦めきれなくなった。
2人の夢を叶えるべく、無礼と承知で2人でお願いすることにした。
――そういった内容が、マティウス様の口から出ていたそうです。
「その際息子はスラスラと説明をしましたし、くだんの『ルナ』についても過去のやり取りまで一切詰まることなく事細かに語っておりました。聴取は我々3人に加えて家令を含めた5人に同席してもらったのですが、わたしを含め全員が『嘘を言っているとは思えない』と判断いたしました」
「あのあと――。我々も振り返りましたが、同じ結論に至りました」
『? それはこちらの台詞ですよ。ルナ様は、ちゃんといらっしゃったじゃないですか。あの場に』
『どこって。僕の隣で立っているじゃないですか』
『??? 身長は……154センチ、だそうですよ。体型は細身で、お顔はウサギを連想させます。服は本日もリボンが多いものをお召しになられてますね。とてもよくお似合いです』
あの日発せられた言葉の中にも、表情の中にも、不自然さはなし。演技をしているようには見えませんでした。
「……マティウスよ。ルナという女性は、この部屋の中にいるのか?」
「ええ。イナヤ様のお隣に居ます。不安そうに父上のお顔を見つめていますよ」
「「「「「「「………………」」」」」」」
マティウス様に視線を追って全員でその地点を見つめてみますが、あの時とおんなじ。誰も目視できませんし、触りも出来ません。
「そうか。……分かった。マティウス、少し席を外してくれ。お前抜きで話したいことがある」
「え? 父上……?」
「すまんな。少しだけだ、席を外してくれ」
「しょ、承知しました。し、失礼します」
マティウス様は戸惑いながらも部屋を出ていかれ、アスユト家のお三方が神妙な面持ちで頷き合いました。
マティウス様抜きで話したいこと。なんなのでしょう……?
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