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第1話 行き倒れていたのは レアナ視点(1)
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「…………う。うぅ……」
「…………ぁ。ぁぁ……」
「…………う……。ぁうぅ……」
60台半ばに見える、やせ型の男性と女性。#25歳__わたし#よりも一回りくらい上に見える、同じくやせ型の女性。倒れていたのは外国――隣国『エレトーファン』出身の家族と思しきそんな3人で、全員がうつ伏せ状態でうめき声を上げていました。
「………………怪我は、全員していないようだね。僕達は怪しいものではありません。大丈夫ですか?」
「…………は、は……」
「…………ぉ、お……」
「…………お、おぉ……」
わたし達に気付いたようで3人の目がこちらを向きましたが、身動きできないどころかまともに声が出ません。お三方からは何かを伝えようとしている意思が感じ取れたため、ヴァランタンくんは男性の口元へと耳を近づけました。
「何か、伝えたいことがあるんですよね? ゆっくりで構いません。声が小さくても構いません。一言一言、ご自身のペースで口にしてください」
そうすると男性の黒目が上から下へと動き、かなりゆっくりとしたペースでお口が数回動きました。
「理解しました。……レアナちゃん、分かったよ。この方々は空腹で動けなくなってしまっているようだ」
「そういうことでしたか。でしたら」
「うん。ウチにお連れしよう」
身体を動かせないほどお腹が空いているのなら、放っておいたら命を落としてしまいます。
見捨てることなんてできませんし、わたし達の出番がある可能性もあります。ですのでヴァランタンくんはお父さんとお母さん? を、わたしは娘さん? を抱え、大急ぎでホライザへと戻りました。
「ああ、お帰りヴァランタ――む? その方々は?」
「帰り道で倒れているところを、偶然発見したんです。現在激しい空腹により、自力での歩行も会話もできない状態となっております」
「なるほど。いま空いているのは…………207号室だな。ヴァランタン、レアナくん、そちらに運んでおくれ」
「「はい」」
偶々エントランスにいたお義父さんに頷きを返し、階段を昇って2階にある4人用の部屋へと移動。皆さんを丁寧にベッドに降ろし終わる頃、お義母さんがスープを運んできてくれました。
「こういう時は、レアナちゃんの出番ね。お願いできるかしら」
「もちろんです」
ホライザにいらっしゃる全てのお客様が快適に過ごせるように、わたしはヘルパーに関する資格も取得しています。ここまで弱っている人に飲んでもらうにはちょっとしたコツがいるのでわたしが一手に担い、慎重に全員の口の中に野菜のスープを流し込みました。
「…………ぉぉ……!」
「…………ぁ……!」
「…………ぁぁ……!」
「よかった、喜んでいただけているみたいですね。一気にたくさん食べてしまうと、身体に毒です。もう何も心配は要りませんから、まずはゆっくり休んでください。続きは起きてからにいたしましょう」
光が戻ってきた瞳に微笑みかけると小さく頷かれ、みなさんの瞼は静かに降りました。
そうしてお三方が眠りについて、6時間ほどが経ったでしょうか。まるで示し合わせたかのように、全員がほぼ同時に目を覚まし――
((うそ……。そんな……!?))
――やがて皆さんの口から、信じられない言葉が飛び出すのでした。
「…………ぁ。ぁぁ……」
「…………う……。ぁうぅ……」
60台半ばに見える、やせ型の男性と女性。#25歳__わたし#よりも一回りくらい上に見える、同じくやせ型の女性。倒れていたのは外国――隣国『エレトーファン』出身の家族と思しきそんな3人で、全員がうつ伏せ状態でうめき声を上げていました。
「………………怪我は、全員していないようだね。僕達は怪しいものではありません。大丈夫ですか?」
「…………は、は……」
「…………ぉ、お……」
「…………お、おぉ……」
わたし達に気付いたようで3人の目がこちらを向きましたが、身動きできないどころかまともに声が出ません。お三方からは何かを伝えようとしている意思が感じ取れたため、ヴァランタンくんは男性の口元へと耳を近づけました。
「何か、伝えたいことがあるんですよね? ゆっくりで構いません。声が小さくても構いません。一言一言、ご自身のペースで口にしてください」
そうすると男性の黒目が上から下へと動き、かなりゆっくりとしたペースでお口が数回動きました。
「理解しました。……レアナちゃん、分かったよ。この方々は空腹で動けなくなってしまっているようだ」
「そういうことでしたか。でしたら」
「うん。ウチにお連れしよう」
身体を動かせないほどお腹が空いているのなら、放っておいたら命を落としてしまいます。
見捨てることなんてできませんし、わたし達の出番がある可能性もあります。ですのでヴァランタンくんはお父さんとお母さん? を、わたしは娘さん? を抱え、大急ぎでホライザへと戻りました。
「ああ、お帰りヴァランタ――む? その方々は?」
「帰り道で倒れているところを、偶然発見したんです。現在激しい空腹により、自力での歩行も会話もできない状態となっております」
「なるほど。いま空いているのは…………207号室だな。ヴァランタン、レアナくん、そちらに運んでおくれ」
「「はい」」
偶々エントランスにいたお義父さんに頷きを返し、階段を昇って2階にある4人用の部屋へと移動。皆さんを丁寧にベッドに降ろし終わる頃、お義母さんがスープを運んできてくれました。
「こういう時は、レアナちゃんの出番ね。お願いできるかしら」
「もちろんです」
ホライザにいらっしゃる全てのお客様が快適に過ごせるように、わたしはヘルパーに関する資格も取得しています。ここまで弱っている人に飲んでもらうにはちょっとしたコツがいるのでわたしが一手に担い、慎重に全員の口の中に野菜のスープを流し込みました。
「…………ぉぉ……!」
「…………ぁ……!」
「…………ぁぁ……!」
「よかった、喜んでいただけているみたいですね。一気にたくさん食べてしまうと、身体に毒です。もう何も心配は要りませんから、まずはゆっくり休んでください。続きは起きてからにいたしましょう」
光が戻ってきた瞳に微笑みかけると小さく頷かれ、みなさんの瞼は静かに降りました。
そうしてお三方が眠りについて、6時間ほどが経ったでしょうか。まるで示し合わせたかのように、全員がほぼ同時に目を覚まし――
((うそ……。そんな……!?))
――やがて皆さんの口から、信じられない言葉が飛び出すのでした。
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