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第5話 なんで⁉ サーシャ視点(1)
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「はぁ、ムカムカする。姉様に追い打ちをかけて、ストレスを発散させましょ」
夕方。お茶会から帰ってきたあたしは、自分の部屋で舌打ちをしていた。
参加者の中でウチの地位が一番低いせいで、イエスマンになって御機嫌取りをしないといけない。たまたま良い家に生まれただけの能無し女たちにペコペコするのは、とにかくストレスが溜まる。早く身体から抜かないと、イライラして死んじゃうわ。
「あの状態で大切なものを手放さないといけなくなったら、もっと泣いちゃうわよねぇ。何をもらおうかしら?」
リング? ネックレス? 隣国に嫁いだ友人から贈られたって言ってた、ハンカチ?
候補を定めながら服を着替え、邸内用の服になったあたしは姉様の部屋を目指す。
((そうねぇ。今日のターゲットは……………………))
ハンカチに、決まり。
姉様の泣き顔を想像しながら、廊下をパタパタ進んで――
「あ、サーシャ姉さん。ちょうどよかった」
――途中で、ダニエルに呼び止められた。
??? なんなのかしら?
「午後5時に――あと1時間くらいあと、だね。ユリス・エザント様が、いらっしゃるらしいよ」
「は? はあ!? エザント様がっ!?」
思わず大声が出てしまう。
ユリス・エザント様といえば、2日前に姉さんに告白した方! フラれた方!! どういうこと!?
「お昼に使者の方がいらっしゃっていたみたいで、大事なお話があるらしいよ。一家全員とお話しをされたいそうで、5時前には降りてきてくれって父さんから伝言を頼まれてたんだ」
「お昼に……!? あたし、知らないんだけど……!?」
「サーシャ姉さんはお茶会に参加していた時だし、帰ってからはピリピリしてたから少しあとにしようと思ってたんだって。何のためにいらっしゃるんだろうね?」
あたしにも、さっぱり。
あっちが少し格上だけど同じ伯爵家だから『俺と付き合え!』や『よく恥をかかせてくれたな!』なんて言ってはこれないし……。理由が分からない。
「まあ、その時になったら分かるよね。サーシャ姉さん、呼び止めちゃってごめんなさい。何かする途中だったのかな?」
「ええ、そうなの。……でも、それは中止にしたわ」
エザント様が来訪される目的が気になって、姉さんの相手をしてる場合じゃなくなった。
なんで?
なぜ?
どうして?
疑問で頭の中がいっぱいになって、そんなせいで時間があっという間に過ぎてゆく。あれこれ考えているうちに午後5時になって、エザント様がいらっしゃって――。
やがてあたしは――あたしだけじゃなくって、お父様もお母様もそう。予想外のことを知らされ、唖然となってしまうのだった。
夕方。お茶会から帰ってきたあたしは、自分の部屋で舌打ちをしていた。
参加者の中でウチの地位が一番低いせいで、イエスマンになって御機嫌取りをしないといけない。たまたま良い家に生まれただけの能無し女たちにペコペコするのは、とにかくストレスが溜まる。早く身体から抜かないと、イライラして死んじゃうわ。
「あの状態で大切なものを手放さないといけなくなったら、もっと泣いちゃうわよねぇ。何をもらおうかしら?」
リング? ネックレス? 隣国に嫁いだ友人から贈られたって言ってた、ハンカチ?
候補を定めながら服を着替え、邸内用の服になったあたしは姉様の部屋を目指す。
((そうねぇ。今日のターゲットは……………………))
ハンカチに、決まり。
姉様の泣き顔を想像しながら、廊下をパタパタ進んで――
「あ、サーシャ姉さん。ちょうどよかった」
――途中で、ダニエルに呼び止められた。
??? なんなのかしら?
「午後5時に――あと1時間くらいあと、だね。ユリス・エザント様が、いらっしゃるらしいよ」
「は? はあ!? エザント様がっ!?」
思わず大声が出てしまう。
ユリス・エザント様といえば、2日前に姉さんに告白した方! フラれた方!! どういうこと!?
「お昼に使者の方がいらっしゃっていたみたいで、大事なお話があるらしいよ。一家全員とお話しをされたいそうで、5時前には降りてきてくれって父さんから伝言を頼まれてたんだ」
「お昼に……!? あたし、知らないんだけど……!?」
「サーシャ姉さんはお茶会に参加していた時だし、帰ってからはピリピリしてたから少しあとにしようと思ってたんだって。何のためにいらっしゃるんだろうね?」
あたしにも、さっぱり。
あっちが少し格上だけど同じ伯爵家だから『俺と付き合え!』や『よく恥をかかせてくれたな!』なんて言ってはこれないし……。理由が分からない。
「まあ、その時になったら分かるよね。サーシャ姉さん、呼び止めちゃってごめんなさい。何かする途中だったのかな?」
「ええ、そうなの。……でも、それは中止にしたわ」
エザント様が来訪される目的が気になって、姉さんの相手をしてる場合じゃなくなった。
なんで?
なぜ?
どうして?
疑問で頭の中がいっぱいになって、そんなせいで時間があっという間に過ぎてゆく。あれこれ考えているうちに午後5時になって、エザント様がいらっしゃって――。
やがてあたしは――あたしだけじゃなくって、お父様もお母様もそう。予想外のことを知らされ、唖然となってしまうのだった。
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