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第5話 衝撃の事実×2 俯瞰視点(1)
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「――以上の理由により、わたくしは最初から気付いておりました。あの噂の発生源はご友人ではなく、貴方様であると」
「ち、ちが……。い、いや……。か、かんちがい……。ごかい、で……。ちが、ちがうんだよ……」
「そ、そうなのだ……。な、なにかのかんちがい、なのだろう……。かしあすは、むじつ、なのだからっ」
「や、やってないっ。ち、ちがう……。ちがうんだよ……」
全てが明るみになったら、なにもかもが終わってしまう。描いていた未来図が音を立てて崩壊してしまう。
それを恐れたカシアスとジェスは、激しく動揺しながらも否定を試みます。
「ぎっ、ぎしんあんきっ、そう! 疑心暗鬼なんだよ! 俺に――俺達に醜い他意があると思い込んでいたからっ、そんな風に感じてしまっているだけなんだ! テオドールがうっかりというのも、ソレがもたらした酷い勘違いなんだよ!!」
「そっ、その通りだ! 我々にそういった他意はないっ、あまりにも酷い誤解をされておりますぞっ」
「答えありきで追及してしまって大きなミスをしてしまうっ、そういうのはよくあるんだよっ。ねえ父上!」
「ああよくあるな! きょっ、卿っ! アマリア嬢っ! じっくり考え直しっ、改めて周辺調査を行ってみてくれ! そうすればきっと真実が見えてくるはずだ!!」
大急ぎで根回しをすればどうにかなるはず――。そんな理由で二人は、アマリアとジョゼフに訴えかけました。
しかしながら、
「いえ、その必要はございませんよ」
「どうして!?」「どうしてだ!?」
「なぜならこちらには、すでにこういったものがあるからでございます」
傍にいた男性――使用人の一人から受け取り、二人へと向けた1枚の紙。そこにあったのは、友人ケビンとダニエルの『確かに聞いた』という証言とそれを証明するサインと、テオドールの『聞いてつい漏らしてしまった』という証言と証明のサイン。
根回しの不可能を告げるものが現れてしまったため、その計画もまた大失敗となってしまいました。
「実を言いますと、はっきりしとした証拠が3つありました。ですのでずっと、確信を持っていたの――」
「おっ、俺達を弄(もてあそ)んでいたんだな!? 泳がせて楽しんでいやがった――」
「違います。そのような意図はなく、これからその理由をお伝えするところでしたので、お聞きください」
遮った声を遮り、小さく息を吐き出します。そうしてリズムを整えたアマリアは、真っすぐカシアスを見つめて――
「ち、ちが……。い、いや……。か、かんちがい……。ごかい、で……。ちが、ちがうんだよ……」
「そ、そうなのだ……。な、なにかのかんちがい、なのだろう……。かしあすは、むじつ、なのだからっ」
「や、やってないっ。ち、ちがう……。ちがうんだよ……」
全てが明るみになったら、なにもかもが終わってしまう。描いていた未来図が音を立てて崩壊してしまう。
それを恐れたカシアスとジェスは、激しく動揺しながらも否定を試みます。
「ぎっ、ぎしんあんきっ、そう! 疑心暗鬼なんだよ! 俺に――俺達に醜い他意があると思い込んでいたからっ、そんな風に感じてしまっているだけなんだ! テオドールがうっかりというのも、ソレがもたらした酷い勘違いなんだよ!!」
「そっ、その通りだ! 我々にそういった他意はないっ、あまりにも酷い誤解をされておりますぞっ」
「答えありきで追及してしまって大きなミスをしてしまうっ、そういうのはよくあるんだよっ。ねえ父上!」
「ああよくあるな! きょっ、卿っ! アマリア嬢っ! じっくり考え直しっ、改めて周辺調査を行ってみてくれ! そうすればきっと真実が見えてくるはずだ!!」
大急ぎで根回しをすればどうにかなるはず――。そんな理由で二人は、アマリアとジョゼフに訴えかけました。
しかしながら、
「いえ、その必要はございませんよ」
「どうして!?」「どうしてだ!?」
「なぜならこちらには、すでにこういったものがあるからでございます」
傍にいた男性――使用人の一人から受け取り、二人へと向けた1枚の紙。そこにあったのは、友人ケビンとダニエルの『確かに聞いた』という証言とそれを証明するサインと、テオドールの『聞いてつい漏らしてしまった』という証言と証明のサイン。
根回しの不可能を告げるものが現れてしまったため、その計画もまた大失敗となってしまいました。
「実を言いますと、はっきりしとした証拠が3つありました。ですのでずっと、確信を持っていたの――」
「おっ、俺達を弄(もてあそ)んでいたんだな!? 泳がせて楽しんでいやがった――」
「違います。そのような意図はなく、これからその理由をお伝えするところでしたので、お聞きください」
遮った声を遮り、小さく息を吐き出します。そうしてリズムを整えたアマリアは、真っすぐカシアスを見つめて――
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