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第3話 謎、戸惑い アレクシア視点(1)
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「バカな!! ぼっ、ボスコ君は何を言っているんだ!?」
「この子がイジメだなんてっ、あり得ないことだわ!! ボスコさんは何を言っているの!?」
涙ながらに語られた一部始終を聞いた二人は、仲良く絶句。お父様とお母様は、激しく顔を歪めながら頭を抱えた。
「キアラの言う通りだ!! キアラは何もしてはおらん!! なぜならストレスは全てこのアレクシ――こほん! ストレスはあれだっ! 趣味や食事や運動で発散するような子なんだぞキアラは!!」
「それにそんな理由で妬んだり僻んだりする子じゃないわ!! 何もかもありもしないことだわ!!」
「そうなの!! だから何度もそう説明をしたのっ!! でも……ボスコ様は聞く耳を持ってくださらなくて……。しかも……。なのに治安局でも受理されちゃって、これから調査が行われるようになってるの……」
今キアラの後ろには治安局員の方が五名いらっしゃって、邸内の人間の一挙手一投足を監視し続けている。
この子は全てのストレスをわたしで発散していて、絶対に外で本性を晒しはしない。その言い分に関しては正しいはずなのだけど……。治安局が踏み切れるだけの主張が行われたのね。
「キアラっ、ボスコ君は治安局員になんと説明したのだ!?」
「何もしていないのに調査だなんてっ。なんて言っていたのっ!?」
「それがね……。クララ様が怖がるから入ってくるなって言われて、どんな会話があったか分からないの……。局員の方々も、いくら聞いても教えてくれないの……」
その言葉を受けてわたし達に行われた説明によると、明かせば捜査にいくつかの支障をきたすとのこと。とにかく、客観的に見て説得力のある内容が、クララ様とボスコ様から出たみたいね。
「……ますます、腑に落ちん……。ボスコ君は、何を聞かされた――そうだっ、肝心のボスコ君はどうしたのだ!? 同行するのではなかったのか!?」
「『家』も絡む大きな出来事だから、リンダール家当主と合流してからいらっしゃるみたい……。それと、クララ様は……。私が叫んだから過呼吸になったとか言っていて……。ここには来られないから、ボスコ様に色々託しているみたい……」
「そ、そうか……。……キアラの部屋に、なにがあるというのだ……!?」
わたしも――わたしとカタリナも気になって仕方がない、イジメの証拠。それを知るには到着を待つしかないからそのまま待機を続け、十数分待った頃ボスコ様達が到着された。
「ボスコさまっ! ボスコ様っっ!! 私はなんにも――」
「……待たせたな。では早速、事実を突きつけようじゃないか」
キアラに言い寄られてこの子にすっかり惚れてしまい、いつもだらしのない笑みを浮かべられていたボスコ様。今日の彼は淡々とキアラを睨みつけ、不愛想に歩き出す。
こうして――。第三者と家族立ち合いのもと、キアラの部屋の調査が始まったのだった。
「この子がイジメだなんてっ、あり得ないことだわ!! ボスコさんは何を言っているの!?」
涙ながらに語られた一部始終を聞いた二人は、仲良く絶句。お父様とお母様は、激しく顔を歪めながら頭を抱えた。
「キアラの言う通りだ!! キアラは何もしてはおらん!! なぜならストレスは全てこのアレクシ――こほん! ストレスはあれだっ! 趣味や食事や運動で発散するような子なんだぞキアラは!!」
「それにそんな理由で妬んだり僻んだりする子じゃないわ!! 何もかもありもしないことだわ!!」
「そうなの!! だから何度もそう説明をしたのっ!! でも……ボスコ様は聞く耳を持ってくださらなくて……。しかも……。なのに治安局でも受理されちゃって、これから調査が行われるようになってるの……」
今キアラの後ろには治安局員の方が五名いらっしゃって、邸内の人間の一挙手一投足を監視し続けている。
この子は全てのストレスをわたしで発散していて、絶対に外で本性を晒しはしない。その言い分に関しては正しいはずなのだけど……。治安局が踏み切れるだけの主張が行われたのね。
「キアラっ、ボスコ君は治安局員になんと説明したのだ!?」
「何もしていないのに調査だなんてっ。なんて言っていたのっ!?」
「それがね……。クララ様が怖がるから入ってくるなって言われて、どんな会話があったか分からないの……。局員の方々も、いくら聞いても教えてくれないの……」
その言葉を受けてわたし達に行われた説明によると、明かせば捜査にいくつかの支障をきたすとのこと。とにかく、客観的に見て説得力のある内容が、クララ様とボスコ様から出たみたいね。
「……ますます、腑に落ちん……。ボスコ君は、何を聞かされた――そうだっ、肝心のボスコ君はどうしたのだ!? 同行するのではなかったのか!?」
「『家』も絡む大きな出来事だから、リンダール家当主と合流してからいらっしゃるみたい……。それと、クララ様は……。私が叫んだから過呼吸になったとか言っていて……。ここには来られないから、ボスコ様に色々託しているみたい……」
「そ、そうか……。……キアラの部屋に、なにがあるというのだ……!?」
わたしも――わたしとカタリナも気になって仕方がない、イジメの証拠。それを知るには到着を待つしかないからそのまま待機を続け、十数分待った頃ボスコ様達が到着された。
「ボスコさまっ! ボスコ様っっ!! 私はなんにも――」
「……待たせたな。では早速、事実を突きつけようじゃないか」
キアラに言い寄られてこの子にすっかり惚れてしまい、いつもだらしのない笑みを浮かべられていたボスコ様。今日の彼は淡々とキアラを睨みつけ、不愛想に歩き出す。
こうして――。第三者と家族立ち合いのもと、キアラの部屋の調査が始まったのだった。
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