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第6話 戸惑う3人 アレクシア視点(3)
しおりを挟む「…………ボスコ様、申し訳ございません……。違います、違ってました……。ぜんぶおっしゃる通りです……。嘘を吐いていたのは、貴方様ではなくてこの私です……。さっきはあのように叫びましたが……今は心から、反省をしておりまして……。金輪際……あのようなことはいたしません……」
「我々も……。嘘を吐き、嘘を重ね……。ずっと……娘を庇っておりました……」
「申し訳、ございません……」
「ボスコ様、申し訳ございません。妹の、数々のご無礼をお許しください」
わたし以外の三人は身体をブルブル震わせ、目を真っ赤にしながら謝罪をして誓約書にサインをしたり。
「…………ご迷惑を、おかけしました……」
「…………申し訳、ございませぬ……」
「…………ご面倒を、おかけいたしました……」
「ご迷惑をおかけいたしました。改めて謝罪をさせていただきます」
急いで治安局に向かい、この件の関係者一人一人に深々と頭を下げて回ったり。
「…………クララ様、申し訳ございません……。このたびの温情、痛みいります……。私はずっと貴方様に嫉妬をしていて、酷いことをいくつもしてしまって……。今は、心より反省しています……。こんな私にやり直すチャンスをくださり、ありがとうございます……」
「…………このご恩……。一生、忘れません……」
「…………あのような真似をした娘に、チャンスをくださり……。感謝いたします……」
「妹がご迷惑をおかけし、申し訳ございません。あれだけのお辛い思いをされたにもかかわらず手を差し伸べてくださったこと、改めて感謝いたします」
そのあとボスコ様たちと共に、ネイフィア子爵邸を訪問。応接室にてわたし以外の三人は、机下で拳を激しく震わせながら何度も謝罪を行ったり。
この騒動に関する対応を家族全員で行い、正午時過ぎに――事件発生から18時間後に、ようやくわたし達はお屋敷に戻って来た。
「…………………………」
「…………………………」
「…………………………」
いくつもの酷い濡れ衣。不必要な謝罪。徹夜による不眠。などなど。
多数の肉体的であり精神的ショックによって三人はエントランスで崩れ落ち、仲良く呆然と天井を見上げるようになった。
「…………………………」
「…………………………」
「…………………………」
その姿はまるで、抜け殻。すでにメンタルが限界で、きっと最低でも一週間は寝込む羽目になると思う。
でも――。
そんな暇はない。そうさせてくれはしない。
((だって――))
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