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第18話 10年後~記念日に起きること~ キアラ視点(1)
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「ふひひ、ひひひ。ひひひひひ。ザマアみなさいよ……!」
洞窟の壁――今の私の家の、その一角。カレンダー代わりにしているスペースに横棒を刻み、私は今夜も薄笑いを浮かべていた。
「追跡者ども……! 今日もキアラ様を捕まえられなかったわねぇ……!!」
私を捕え拷問して鬱憤を晴らそうとしている、バカたち。血眼になって探しているのにねぇ、ぷぷぷっ。
今日も空振りで、今頃歯がみをしてるんでしょうねぇ……!
「ねえ、ねえねえ。どうせすぐ捕まえられると思っていたんでしょ? そうなんでしょ? でーもザンネンでーした! これまでもこれからも、私はず~っと捕まらないわよ……! だって勝利の女神は、このキアラ様に微笑んだんだから……!!」
フォーリアル山と呼ばれる、ド田舎にある大きな山の奥深く。ここは『隠れる場所が多い』『少し湿っぽいものの過ごしやすい』『水と食料が豊富』の三拍子が揃ったベストスポット。
しかも過去に滑落者が多く出ているため、『死者に冥府に引きずり込まれる』場所として有名という最高のおまけつき。その影響でさしものアイツらでも立ち寄らないし、そもそもそんな場所には私が入り込めないと思っている。
だ・か・ら。
この先も捕まる心配はなくて、餓死する心配もなくて、アイツらの悲願が果たされる日は来ないのよねぇ。
洞窟の壁――今の私の家の、その一角。カレンダー代わりにしているスペースに横棒を刻み、私は今夜も薄笑いを浮かべていた。
「追跡者ども……! 今日もキアラ様を捕まえられなかったわねぇ……!!」
私を捕え拷問して鬱憤を晴らそうとしている、バカたち。血眼になって探しているのにねぇ、ぷぷぷっ。
今日も空振りで、今頃歯がみをしてるんでしょうねぇ……!
「ねえ、ねえねえ。どうせすぐ捕まえられると思っていたんでしょ? そうなんでしょ? でーもザンネンでーした! これまでもこれからも、私はず~っと捕まらないわよ……! だって勝利の女神は、このキアラ様に微笑んだんだから……!!」
フォーリアル山と呼ばれる、ド田舎にある大きな山の奥深く。ここは『隠れる場所が多い』『少し湿っぽいものの過ごしやすい』『水と食料が豊富』の三拍子が揃ったベストスポット。
しかも過去に滑落者が多く出ているため、『死者に冥府に引きずり込まれる』場所として有名という最高のおまけつき。その影響でさしものアイツらでも立ち寄らないし、そもそもそんな場所には私が入り込めないと思っている。
だ・か・ら。
この先も捕まる心配はなくて、餓死する心配もなくて、アイツらの悲願が果たされる日は来ないのよねぇ。
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