42 / 59
第19話 追跡者 俯瞰視点(1)
しおりを挟む
「まてっ! 待つんだっ、キアラ!!」
「まって! 待ちなさいっ! キアラ!!」
山の中で鉢合わせ、必死の形相でキアラを追いかける老人2人。彼らは――
「我々は追手ではないっ! わたしだっ! ガリーだ!!」
「ねえキアラっ、聞いて頂戴っ! わたくしはセレストよ!!」
見つけ出し連れ去ろうとする追跡者ではなく、キアラの父と母。かつてフェルア家の当主と当主夫人だった、家族だったのです。
『だめだ……。もう限界だ……』
『これ以上は……。からだが持たないわ……』
三人が決別したあと。ガリーとセレストは二人で行動を続け、様々な場所で身を顰めながら自給自足の生活を送ってきました。
しかしながらその環境は、容姿ががらりと変わってしまうほどに劣悪。食糧不足と逃走による精神面へのダメージにより、これ以上続けると心も体も衰弱して死んでしまう段階まで来てしまっていました。
そのためガリーとセレストは少なくとも逃走のストレスから解放される可能性が高い、『死者に冥府に引きずり込まれる』場所に目をつけたのです。
『あの場所は、誰も近寄らない……。あそこなら安全だ……』
『でも、あなた……。あそこに入ると死ぬと言われているのよ……?』
『分かっている。だが現状維持を選んでも、近いうちに死ぬんだぞ……。それなら、賭けてみるべきだと思わないか……?』
『…………そう、ね。そうしましょう……』
そうして二人はフォーリアル山を目指し、今日入山。怯えながら奥深くを目指し、暮らしていけそうな拠点を探していたのでした。
そして、その最中に――
「まって! 待ちなさいっ! キアラ!!」
山の中で鉢合わせ、必死の形相でキアラを追いかける老人2人。彼らは――
「我々は追手ではないっ! わたしだっ! ガリーだ!!」
「ねえキアラっ、聞いて頂戴っ! わたくしはセレストよ!!」
見つけ出し連れ去ろうとする追跡者ではなく、キアラの父と母。かつてフェルア家の当主と当主夫人だった、家族だったのです。
『だめだ……。もう限界だ……』
『これ以上は……。からだが持たないわ……』
三人が決別したあと。ガリーとセレストは二人で行動を続け、様々な場所で身を顰めながら自給自足の生活を送ってきました。
しかしながらその環境は、容姿ががらりと変わってしまうほどに劣悪。食糧不足と逃走による精神面へのダメージにより、これ以上続けると心も体も衰弱して死んでしまう段階まで来てしまっていました。
そのためガリーとセレストは少なくとも逃走のストレスから解放される可能性が高い、『死者に冥府に引きずり込まれる』場所に目をつけたのです。
『あの場所は、誰も近寄らない……。あそこなら安全だ……』
『でも、あなた……。あそこに入ると死ぬと言われているのよ……?』
『分かっている。だが現状維持を選んでも、近いうちに死ぬんだぞ……。それなら、賭けてみるべきだと思わないか……?』
『…………そう、ね。そうしましょう……』
そうして二人はフォーリアル山を目指し、今日入山。怯えながら奥深くを目指し、暮らしていけそうな拠点を探していたのでした。
そして、その最中に――
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
603
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる