幼馴染と婚約者を裏切った2人の末路

柚木ゆず

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第18話 似た者同士 俯瞰視点(2)

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「緊急事態……? なんだそれはっ!」
「お父様がっ!? なっ、なんなのっ!?」

 アドンの父アドリアンは、オーテラング家が擁する『ラデンサールク商会』の会頭。エステェの父コンタンは、二人の結婚によって会頭補佐兼特別アドバイザーという役職に就いていました。
 そしてそんな二人はエステェが留学時代に作ったパイプを使い、この国を訪れていた隣国伯爵家の当主と接触をしていました。
 そんな状況下での、緊急事態の発生であり緊急の帰還。その事実によって乱闘をしている場合ではなくなってしまい、髪や頬がボロボロになっていた二人は慌てて立ち上がりました。

「わたくしは、詳細を把握しておりません。『とにかくアドンとエステェを呼んで来てくれ』との命を受け、こうしてお呼びに参りました」
「わたくしも同じく、詳細は把握しておりません。同様の指示を受け、お迎えにあがりました」
「二人で、来い……? よく分からないが…………わっ、分かった! すぐ向かおう!」
「すぐに行くわ!」

 そうして二人はすぐさま動き出し、それぞれの従者と侍女に導かれてエントランスへと走ります。そうすれば――

「……………………」
「……………………」

 まるで、屍のよう。生気を失い顔には絶望が刻まれているアドリアンとコンタンが、呆然と立ち尽くしていたのでした。

「ちっ、父上!? どうなされたのですかっ!? もっ、もしやっ! 今日の接触――取り引きに関する話が、とんでもないことになってしまったのですか!?」
「お父様!! 大きな問題が起きてしまったの!?」
「…………いいや、そうじゃない。取り引きに関する話は、上手くまとまった……。最高の結果となったのだよ……」
「…………問題は、そのあとだ……。わたし達はその後商会本部に戻り、そちらに関する作業を行っていたのだよ……。そう、したら…………」
「「そう、したら…………?」」

 自然と口内に溜まっていた唾液を、ごくりと呑み込んだアドンとエステェ。二人が揃って注視していたアドリアンとコンタンの口からは、やがて――。
 二人が予想だにしていなかった言葉が、飛び出したのでした。

「フェフィリア家当主とオフェリーがな……。『浮気を広められたくなければ多額の口止め料を寄こせ』、と言ってきたのだよ……」
「サネベーク家当主と、ピエールが……。『浮気を広められたくなければ多額の口止め料を支払え』、と言ってきたのだ……」

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