31 / 37
第19話 二人の本音~ピエールside~ ピエール視点(1)
しおりを挟む
内心でバカにしているだけなら気付かれはしない? ソレは大きな間違いだ。ずっとバカにされてきた人間は、幾度も嘲りを向けられ続けられてきたが故に、相手の目を見ればそんな感情の有り無しが分かるんだ。
だから――
当時の生徒会長エステェ・ファレナルースが、心の中では俺をバカにしているのだと知っていた。
……とはいえ、それは別に構わない。
当時の自分は、デブでノロマで要領の悪い男。父の椅子を継ぐべく必死になっても全く成果が出ず、何一つ結果を残せていなかったんだ。バカにされて当たり前の状況を自ら作っていたのだから、仕方ないことだと思っている。
したがって当時バカにしていた人間に暗い感情を抱いてはおらず、そこに関しては一切怒りも恨みも抱いていない。
けれど僕はずっと、エステェに激しい憎悪を抱いていた。ではなぜ、そうなっているのかと言うと――
そんな僕であり僕を取り巻く状況を、利用したからだ。
『皆さん、必死に努力されている方をバカにしてはいませんよ』
『たとえ結果が出ていなくとも、必死に頑張っている人をバカにしてはいけませんよ』
ヤツは箔が付く生徒会長になるため、そして高位貴族の令息に『心優しい令嬢』と認識させるために、こういった発言を繰り返していたんだ。僕の姿を目にするたびに、嘲笑っていたくせに。
((エステェ・ファレナルース……。許さない……っ。絶対に許さない……!!))
なので僕はいつか必ず復讐をしてやると誓い、幸い環境も味方をしてくれた。
『ピエール、会頭がお前の根性を認められた。次の右腕は、予定通りお前でいくとのことだ』
どうやら僕は、気負い過ぎて空回りしてしまっていたらしい。それによって心に余裕ができ、心身ともに大きく成長することができた――ヤツが留学している間に、復讐できるだけの力が身についたのだった。
そしてやがてエステェが帰国し、いよいよ動き出そう――と、していた時だった。あまりにも予想外な出来事が、不意に発生したのだった。
『ごきげんよう。私を覚えていらっしゃいますか?』
だから――
当時の生徒会長エステェ・ファレナルースが、心の中では俺をバカにしているのだと知っていた。
……とはいえ、それは別に構わない。
当時の自分は、デブでノロマで要領の悪い男。父の椅子を継ぐべく必死になっても全く成果が出ず、何一つ結果を残せていなかったんだ。バカにされて当たり前の状況を自ら作っていたのだから、仕方ないことだと思っている。
したがって当時バカにしていた人間に暗い感情を抱いてはおらず、そこに関しては一切怒りも恨みも抱いていない。
けれど僕はずっと、エステェに激しい憎悪を抱いていた。ではなぜ、そうなっているのかと言うと――
そんな僕であり僕を取り巻く状況を、利用したからだ。
『皆さん、必死に努力されている方をバカにしてはいませんよ』
『たとえ結果が出ていなくとも、必死に頑張っている人をバカにしてはいけませんよ』
ヤツは箔が付く生徒会長になるため、そして高位貴族の令息に『心優しい令嬢』と認識させるために、こういった発言を繰り返していたんだ。僕の姿を目にするたびに、嘲笑っていたくせに。
((エステェ・ファレナルース……。許さない……っ。絶対に許さない……!!))
なので僕はいつか必ず復讐をしてやると誓い、幸い環境も味方をしてくれた。
『ピエール、会頭がお前の根性を認められた。次の右腕は、予定通りお前でいくとのことだ』
どうやら僕は、気負い過ぎて空回りしてしまっていたらしい。それによって心に余裕ができ、心身ともに大きく成長することができた――ヤツが留学している間に、復讐できるだけの力が身についたのだった。
そしてやがてエステェが帰国し、いよいよ動き出そう――と、していた時だった。あまりにも予想外な出来事が、不意に発生したのだった。
『ごきげんよう。私を覚えていらっしゃいますか?』
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,784
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる