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第5話 当日 エミーリラ視点(2)
((だ、だめ……。目が回って……。足に……力が、入らない……))
怒りすぎて血圧が上がりすぎたせい、だと思う。立っていられなくなって、身体が前へと倒れていってしまう。
「お姉様っ!!」
ミファレアがこっちに駆け寄って来る。
だけど……。離れて他家の令嬢と話していたせいで、間に合わない。
「「「「「あぶない!」」」」」
参加者達も、急いで駆け寄ろうとする。
だけど……。声が少しでも聞こえないように輪から離れていたせいで、誰も間に合わない。
((だ、だめ……。手も、動かせない……))
だから……。だから…………。
私はただただ、自分が倒れていくのを見ていることしかできなくって――
「ぎゃあ!!」
そのまま床に倒れ込む。
額を思い切り打ち、ゴンという鈍い音が辺りに響き渡った。
「痛い……! 痛い……!! 痛いぃぃぃぃぃ……!」
頭が痛い! 骨が痛い! 骨に響く! 頭の中が揺れる! 辛い! 泣きそう!
色んな思いが頭の中を駆け巡り、私は両手で額を抑えながら転がり回る。
((痛い……痛いっ! 気絶した方が、まし……!!))
情けない姿を見せる羽目になるけれど、この痛みから逃れられるならいい。意識を失いたいっ!
そう、思っているのに……。できない……。
「うぐぅ……! うううう……!! ぁあ、ぁぁぁぁ……!!」
衝撃と激痛で気絶しそうになってはいるのに、ゴールできない。気絶する寸前のところで止まってしまう。
「いたい……! いたい……! いたい……っ。いたい……!」
そのせいで、痛みと苦しみをずっと感じないといけない。
当たった箇所の激痛。
当たった影響の脳内の振動。
当たった影響の吐き気。
などなど。地獄のような時間を経験する羽目になって……。
結局、リールゾンド家の人達が治療をしてくれるまで……。5分近くも、つらい思いをしてしまったのだった……。
「エミーリラ嬢、大丈夫だろうか? 念のため今日はもう帰った方がよいのではないか?」
「お、お気遣い痛み入ります。おかげさまで随分と回復いたしました。最後まで参加させていただきます」
冗談じゃない!
今日は名誉回復のために来ている。評判を戻せずには帰れない。
((あの白い目と不愉快な言葉を、二度と飛んでこないようにする……! 悪いことがあったあとは良いことがあるというし、きっと成功するわ!!))
怒りすぎて血圧が上がりすぎたせい、だと思う。立っていられなくなって、身体が前へと倒れていってしまう。
「お姉様っ!!」
ミファレアがこっちに駆け寄って来る。
だけど……。離れて他家の令嬢と話していたせいで、間に合わない。
「「「「「あぶない!」」」」」
参加者達も、急いで駆け寄ろうとする。
だけど……。声が少しでも聞こえないように輪から離れていたせいで、誰も間に合わない。
((だ、だめ……。手も、動かせない……))
だから……。だから…………。
私はただただ、自分が倒れていくのを見ていることしかできなくって――
「ぎゃあ!!」
そのまま床に倒れ込む。
額を思い切り打ち、ゴンという鈍い音が辺りに響き渡った。
「痛い……! 痛い……!! 痛いぃぃぃぃぃ……!」
頭が痛い! 骨が痛い! 骨に響く! 頭の中が揺れる! 辛い! 泣きそう!
色んな思いが頭の中を駆け巡り、私は両手で額を抑えながら転がり回る。
((痛い……痛いっ! 気絶した方が、まし……!!))
情けない姿を見せる羽目になるけれど、この痛みから逃れられるならいい。意識を失いたいっ!
そう、思っているのに……。できない……。
「うぐぅ……! うううう……!! ぁあ、ぁぁぁぁ……!!」
衝撃と激痛で気絶しそうになってはいるのに、ゴールできない。気絶する寸前のところで止まってしまう。
「いたい……! いたい……! いたい……っ。いたい……!」
そのせいで、痛みと苦しみをずっと感じないといけない。
当たった箇所の激痛。
当たった影響の脳内の振動。
当たった影響の吐き気。
などなど。地獄のような時間を経験する羽目になって……。
結局、リールゾンド家の人達が治療をしてくれるまで……。5分近くも、つらい思いをしてしまったのだった……。
「エミーリラ嬢、大丈夫だろうか? 念のため今日はもう帰った方がよいのではないか?」
「お、お気遣い痛み入ります。おかげさまで随分と回復いたしました。最後まで参加させていただきます」
冗談じゃない!
今日は名誉回復のために来ている。評判を戻せずには帰れない。
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