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第5話 不思議な出来事 ジョゼット視点(1)
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「なんだって? 明日、『ファニクアの森』に行きたい?」
「はい、お父様。お昼の12時に行(ゆ)きたいと思っておりまして、馬車を出していただいてもよろしいでしょうか?」
ベルナール様と楽しい時間を過ごしてから、3日後の夜でした。お父様がいらっしゃる執務室を訪ね、お願いを行いました。
「それは構わないが、急にどうしたのだ? わざわざあの森を目当てにする者など、聞いたことがないぞ?」
困惑されるのも、無理はありません。ファニクアの森に失礼な発言となってしまいますが、あそこは本当に何の変哲もない森なのですから。
「実を言いますと、その日その時間にファニクアの森に行かないといけないような気がしているんです」
「なんだって? それは、いつからなのだ……?」
「先ほど――一時間前からです」
明日の正午に、ファニクアの森に居ないと――。お部屋で読書をしていたら、いきなりそう感じるようになったのです。
「あまりにも奇妙で無視をしたいという気持ちはありますが、突然そう思い出した理由が気になります。その時間に行けば何かしら判明すると思い、従ってみることにしました」
「なるほどな。ファニクアの森には元々危険は皆無だし、多めに護衛をつけていれば問題はないだろう。気を付けていってきなさい」
「ありがとうございます。安全を第一に確認をしてまいります」
お父様の許しが出ましたので翌日の支度を行い、出発が早いため午後10時に就寝。その後わたしは午前4時に起きて着替えや朝食を済ませ、午前5時半すぎにお屋敷を出発しました。
ここからファニクアの森までは、およそ6時間。
お馬さんや御者に頑張ってもらって晴れた空の下を進み、午前11時46分に目的地に到着しました。
((たぶん…………真っすぐ進んだ先にある切り株の前で、12時になるのを待っていたらいいんですね))
ファニクアの森を訪れるのは、今回が初めて。森の中がどうなっているのか知らないはずなのですが、なんとなく内部の雰囲気が分かります。
前後左右を守ってもらいながら、感覚に従って進み――そうするとちゃんと切り株がひとつあり、傍で足を止めて時の訪れを待ちます。
((あと、1分。何が起きるのでしょうか……?))
正確な時間が分かるように懐中時計を手に取り、規則正しく動く針を見つめていると――
「まあ、ジョゼット様~」
――ほんわかとした、可愛らしいお声が聞こえてきたのでした。
「はい、お父様。お昼の12時に行(ゆ)きたいと思っておりまして、馬車を出していただいてもよろしいでしょうか?」
ベルナール様と楽しい時間を過ごしてから、3日後の夜でした。お父様がいらっしゃる執務室を訪ね、お願いを行いました。
「それは構わないが、急にどうしたのだ? わざわざあの森を目当てにする者など、聞いたことがないぞ?」
困惑されるのも、無理はありません。ファニクアの森に失礼な発言となってしまいますが、あそこは本当に何の変哲もない森なのですから。
「実を言いますと、その日その時間にファニクアの森に行かないといけないような気がしているんです」
「なんだって? それは、いつからなのだ……?」
「先ほど――一時間前からです」
明日の正午に、ファニクアの森に居ないと――。お部屋で読書をしていたら、いきなりそう感じるようになったのです。
「あまりにも奇妙で無視をしたいという気持ちはありますが、突然そう思い出した理由が気になります。その時間に行けば何かしら判明すると思い、従ってみることにしました」
「なるほどな。ファニクアの森には元々危険は皆無だし、多めに護衛をつけていれば問題はないだろう。気を付けていってきなさい」
「ありがとうございます。安全を第一に確認をしてまいります」
お父様の許しが出ましたので翌日の支度を行い、出発が早いため午後10時に就寝。その後わたしは午前4時に起きて着替えや朝食を済ませ、午前5時半すぎにお屋敷を出発しました。
ここからファニクアの森までは、およそ6時間。
お馬さんや御者に頑張ってもらって晴れた空の下を進み、午前11時46分に目的地に到着しました。
((たぶん…………真っすぐ進んだ先にある切り株の前で、12時になるのを待っていたらいいんですね))
ファニクアの森を訪れるのは、今回が初めて。森の中がどうなっているのか知らないはずなのですが、なんとなく内部の雰囲気が分かります。
前後左右を守ってもらいながら、感覚に従って進み――そうするとちゃんと切り株がひとつあり、傍で足を止めて時の訪れを待ちます。
((あと、1分。何が起きるのでしょうか……?))
正確な時間が分かるように懐中時計を手に取り、規則正しく動く針を見つめていると――
「まあ、ジョゼット様~」
――ほんわかとした、可愛らしいお声が聞こえてきたのでした。
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