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第17話 その後・ベルナールの場合~変化~ ベルナール視点
しおりを挟むジョゼット様と僕の婚約は政略的なもので、お互いに恋愛感情はなかった。夫婦のなるのだから良い関係を築ければいいとは思っていたけれど、ずっと異性としての好意が芽生えることはなかったのだった。
――でも。あの日から変わっていった――。
監視の者から報告がありジョゼット様のもとを訪ねると、そこには僕の知らないジョゼット様がいた。
心優しくて、真摯で、他者を想う心を持ち合わせている。
目の前にいらっしゃる『ジョゼット様』がどんな人物なのかに気付いてから印象が大きく変わっていき――。その過程で、沢山の素晴らしい部分を知っていった。
((決して言い訳をされないんだな))
あの時分は、『何者かの憑依によって本来はしない行動を取り続けていた』と結論が出ていた。今のジョゼット様の意思では動いていなかった。
すべて憑依のせいにすることはできたし、してもよいものだった。
にもかかわらずあの方は全ての責任を背負い、誠心誠意対応されたり。
「みなさんは確かにデータが基となっていますが、今はちゃんとご自分の意思を持っています。ご安心を。れっきとした人間ですよ」
「そうですね。仰る通り、性格は用意されたものです。ですがわたしの性格も、自分で気付かないうちに形成されています。だとしたら、みんな同じだとは思いませんか?」
僕達が不安を覚えないよう配慮してくださったり、ヴァサロット様が抱かれた不安を優しく取り除かれたり。
そういったそのお姿であり御心に心を打たれ、それ以外にもいくつも――それこそ出せば枚挙にいとまがないほどに、短い間に彼女の魅力に触れた。
((……素敵、だな))
だから自然と特別な感情を抱くようになり、時間の経過に比例してその感情は強く大きくなっていって――
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