VTuberデビュー! ~自分の声が苦手だったわたしが、VTuberになることになりました~ 

柚木ゆず

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エピローグその1 Vtuber葉月ミアとしての、新しい第一歩

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「こんばんみゃあ~っ! 応援でみんなを元気にしちゃう、葉月ミアだよ~っ!」

 9月1日、日曜日。夏休み最後の日の、午後7時。
 葉月ミアのお披露目配信が始まり、まずはいつものようにポンポンでお顔を隠した状態で挨拶を行いました。

「まずは、謝らせてください。楽しみにしてもらっていた配信を3回もできなくて、しかもご心配とご迷惑をおかけしてしまいました。ごめんなさい」
《全然いいよ、そのくらい》
《いえいえ》
《しょうがない》
《切り替えていきましょう!》

 今日も、今日までも、ありがとうございます。
 ……そう言ってもらっているから。
 この気持ちは今日も含め、これからの配信でお返ししていきます。

「ありがとうございますっ。じゃあまずは、質問に答えていきますね」

 お披露目をする時は募集した質問に答えていくというのが定番で、チャンネルのコミュニティで質問を募集していました。
 お顔を見せるのは7時半からで、それまで回答していきますっ!


「『活動は楽しいですか?』。答えは、ハイっ! 理由は、活動を始めてから色んな幸せと出会えたからです。Vtuberになる前となったあとではミア、毎日が全然違うんです。毎日キラキラしてます!」

「ではでは次の質問にいきますっ。『尊敬してる人はいますか?』。お返事はハイで、何人もいます」
《誰ですか~?》
「パパママ。それと、おふたりのお友達・・・です。すっごく感謝していて、いつか恩返しをしたいと思ってますっ」

「えっと。『最近あった嬉しいことはなんですか?』。それはもちろん、Vtuberとしてデビューしたことです!」
《デビューしてくれて俺も嬉しい。こんなV初めてだもん》
《ゲームも雑談も楽しい。生活の楽しみが増えた》
「ぇへへ、ありがとうございます。見てくれている皆さんとの出会いも、Vtuberになって嬉しいかったことのひとつですっ! いつも一緒に楽しんでくれて、ミアにパワーをくれて、ありがとうございますっ。これからもよろしくお願いします!」


 こんな風にわざわざ送ってくれた質問にお答えしていって、7時30分になりました。
 いよいよ。
 お披露目ですっ!

「…………ミアは配信が初めてで、ずっとお顔を隠していました。でもようやく慣れて、今日、ミアは顔を出しますっ!」
《ワクワク》
《ドキドキ》
「…………いきます。………………これが、ミアですっ!」

 猫の耳に似てるくせ毛がある、茶色のボブヘアー。
 ニャンコっぽい、好奇心旺盛な茶色の瞳のツリ目。
 猫みたいな小さな鼻と、うにょんとしたお口。
 口からちょこっと見える、八重歯。
 子猫のような、元気で明るい雰囲気。

 こんな風な、わたしも大好きな可愛いお顔。
 ちゃんとした『葉月ミア』が、皆さんの前に現れると――

《!?!?!?!?》
《声のイメージにピッタリ!》
《声からイメージした通り!!》

 ――わたしの頭の中も、!?!?!?!?になっちゃいました。
 ミアをデザインしたのは、翔くん――人気絵師の如月タミ先生で、タミ先生だ! ってコメントで溢れると思っていました。
 でも真っ先に、わたしの声が出て。ビックリしました。

《如月タミじゃん!》
《大物じゃん!》
《やば。拡散しないと!》

 さすがタミ先生です。
 ビックリしてると翔くんの名前がポンポン出てくるようになって、色んなところで話題になったからだと思う。あっという間に視聴者数が倍以上の3000人になって、その数はまだまだ増えていっています。

「タミお父さんのおかげで見てくれている人がグンッと増えて、チャンネル登録者数もギュンって増えました」

 数がすごすぎて、絶対にそう。初配信でこんな数字を見ていたら、緊張して喋れませんでした。
 そういう点を気にかけてくれた翔くんに心の中でお礼をして、続けます。

「話題になって見に来てくれた人達に、楽しんでもらえるように。これまで見てくれていた人達には、もっと楽しんでもらえるように。ミアは頑張って配信していきたいと思っています」

 だから。
 だから!

「これからよろしくお願いします。これからも、よろしくお願いしますっ!」

 わたしは元気よく、約束とご挨拶をさせてもらって――

《ぱちぱちぱち》
《こちらこそ!》
《これからもよろしく》
《相撲が好きって聞きました。楽しみ》
《レトロゲーが上手いらしいね。これから見ます》

 ――えへへ。あたたかく、受け入れてもらえて。
 新しい一歩を、笑顔で踏み出すことができたのでした!


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