VTuberデビュー！ ～自分の声が苦手だったわたしが、VTuberになることになりました～

第１４話 次の日のビックリ（１）

「こんにちは～。今日もよろしくお願いします――翔くん？　どうしたんですか？」

　次の日の、午後３時ちょっとすぎ。今日は配信がお休みで、配信に関する打ち合わせをするために田宮家さんにお邪魔しました。
　そうしたらね、翔くんがスマホをこっちに向けました。なんなのかな……？

「この画面を見てみてください。良い意味で、ビックリすることが起きていますよ」
「いい意味で……？　えっと……………………えええ！？」

　スマホを覗き込んだ瞬間、大きな声を出してしまいました。

《葉月ミアって子、ゲーム滅茶苦茶上手い》

《葉月ミア、スーパーブラザーノーミス全クリ。控えめに言ってヤバい》
《ノーミス！？　マ！？》
《マジ。アーカイブ観れば分かる》

《ＲＴＡ（リアルタイムアタック）やるべきだと思った》

《レトロゲー界に驚異の新星現る》

　などなど。
　ＳＮＳに、葉月ミアの話題が何個もあがっていたんです！

「葉月ミアに関する話題は、今確認できるだけでも６１件あります。昨夜の配信を見てくださった方達がポストしてくれているみたいですね」
「わたしのゲームで、こんなになってくれるなんて。昨日も今日もビックリです……！」

　プレイ中もすごく盛り上げってくれていて。始める前はこんなことになるなんて思ってなかったから、もうずっと驚きっぱなしです。

「配信を見てくれた方だけでなく、その話を聞いた他の方も絶賛してくれています。なのでチャンネル登録者数も、このようになっています」
「！　わぁ……！」

　葉月ミアのチャンネルの登録者数が、２５３になっていました！
　これってわたしの配信を見て、２５３人の人が興味を持ってくれたってことなんだよね……！
　すごい……！　すごすぎます……！！

「みんな、次の配信を楽しみにしてくれてる……！　もっともっと、楽しんでもらえるようにしなきゃだ……！！」
「僕も、精一杯お手伝いをさせていただきますよ」
「ありがとうございますっ。えへへ。よかったぁ。早く明日が来ないかなぁ」

　わたしはソワソワしながら次の日の午後７時が来るのを待って………………！　ようやく午後７時になってくれました！
　なので第３回目の配信、別のレトロゲーム配信が始まって――

（（！？！？！？））

　――もう何回も、ビックリすることが起きてるのに。このあともまだまだ、ビックリしちゃうことが続くのでした。