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第19話 楽しいことと、そうじゃないこと(3)
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「…………あのときの……。へんな…………」
「こっ、こら! 乃愛!! なにを言っているの!! す、すみませんっ!」
「……………………い、いえいえ。だいじょうぶ、ですよー」
「本当に、申し訳ございません。……乃愛、貴方って子はまた……! 嫌な気持ちにさせることは言っちゃダメって、一昨日言ったでしょ!?」
「だって……」
「だってじゃない! ……乃愛、ちょっとこっちに来なさい。お話があります。ダメよ、『嫌』じゃないの。いいから来なさい」
女の子のお母さんは最後にまた何回もペコペコ頭を下げてくれて、泣いてる女の子を引っ張ってお店から出て言っちゃいました。
((……………………………………………………………………そ、そうだ。わたしも行かないと))
真鈴さんを、お待たせしちゃってる。わたしはスマホを持ったままサササササッと歩いて、フードコートに戻りました。
「お帰りなさい――美月ちゃん? なにかあった?」
「え? ううん、なにもありませんよー」
変な声。
4年ぶりに言われちゃったけど、ビックリしただけ。
《声可愛い》
あんな風に褒めてもらえて、
『タブレットの続きですが。美月さんの声は決して恥ずかしいものではなく、むしろ大きな才能なんですよ。その証拠があのコメントで、これまで美月さんを笑って来た人達がおかしかっただけなのですよ』
『その「みんな」。確かに教室内では「全員」となりですが、外に出てしまえば――日本という枠で見てみたら、そんなの極々一部。1億数千万人ぶんの何十なのですから、少数意見になってしまいますよね?』
『偶々美月さんの周りには悲しい性格の持ち主が大集合してしまっていて、ずっと言い続けられてしまったから……。加えて、大人まで一緒になってしまったから……。ほんの一部の人の意見を、全員の意見だって思い込んでしまっていたんですよ』
こんな風に言ってもらえた。
あの子は『全員』じゃなくて、ほんの極々一部。
だからブンブン首を振って頭の中からあの言葉を追い出して、ニッコリ笑いました。
「…………ごめんなさい、気のせいだったみたい。ちょうど優子さんもいらっしゃったし、戻りましょうか」
「あっ、お電話忘れちゃってましたっ。お母さん、ありがとうっ。もう終わりました!」
なのでわたし達は再びお母さんが運転する車に乗って、お家に戻る。そのあとは、
「お帰りなさい。パソコンの設置とセッティングは済みましたよ」
「翔くんありがとうございます。これ、お土産です」
翔くんは準備をしてくれていたので、そのお礼っ。ソフトクリームは無理なのでわたしが大好きなベーカリーコーナーの特製パンを、お母さんに頼んでいたのですっ。
「わざわざありがとうございます。早速ご覧になりますか?」
「はいっ。見させてくださいっ」
そのあとはお借りしているパソコンを見たり今度は3人でお喋りしたりして、真鈴さんが帰る時間になっちゃったのでお仕舞。わたしと翔くんは真鈴さんをお見送りして、
「また明日。いつもより早いですが、おやすみなさい」
「また明日です。おやすみなさいっ」
今日も玄関まで送ってもらって、さようなら。夜ご飯を食べてお風呂に入ってのんびりして、ベッドに入ったのでした。
「こっ、こら! 乃愛!! なにを言っているの!! す、すみませんっ!」
「……………………い、いえいえ。だいじょうぶ、ですよー」
「本当に、申し訳ございません。……乃愛、貴方って子はまた……! 嫌な気持ちにさせることは言っちゃダメって、一昨日言ったでしょ!?」
「だって……」
「だってじゃない! ……乃愛、ちょっとこっちに来なさい。お話があります。ダメよ、『嫌』じゃないの。いいから来なさい」
女の子のお母さんは最後にまた何回もペコペコ頭を下げてくれて、泣いてる女の子を引っ張ってお店から出て言っちゃいました。
((……………………………………………………………………そ、そうだ。わたしも行かないと))
真鈴さんを、お待たせしちゃってる。わたしはスマホを持ったままサササササッと歩いて、フードコートに戻りました。
「お帰りなさい――美月ちゃん? なにかあった?」
「え? ううん、なにもありませんよー」
変な声。
4年ぶりに言われちゃったけど、ビックリしただけ。
《声可愛い》
あんな風に褒めてもらえて、
『タブレットの続きですが。美月さんの声は決して恥ずかしいものではなく、むしろ大きな才能なんですよ。その証拠があのコメントで、これまで美月さんを笑って来た人達がおかしかっただけなのですよ』
『その「みんな」。確かに教室内では「全員」となりですが、外に出てしまえば――日本という枠で見てみたら、そんなの極々一部。1億数千万人ぶんの何十なのですから、少数意見になってしまいますよね?』
『偶々美月さんの周りには悲しい性格の持ち主が大集合してしまっていて、ずっと言い続けられてしまったから……。加えて、大人まで一緒になってしまったから……。ほんの一部の人の意見を、全員の意見だって思い込んでしまっていたんですよ』
こんな風に言ってもらえた。
あの子は『全員』じゃなくて、ほんの極々一部。
だからブンブン首を振って頭の中からあの言葉を追い出して、ニッコリ笑いました。
「…………ごめんなさい、気のせいだったみたい。ちょうど優子さんもいらっしゃったし、戻りましょうか」
「あっ、お電話忘れちゃってましたっ。お母さん、ありがとうっ。もう終わりました!」
なのでわたし達は再びお母さんが運転する車に乗って、お家に戻る。そのあとは、
「お帰りなさい。パソコンの設置とセッティングは済みましたよ」
「翔くんありがとうございます。これ、お土産です」
翔くんは準備をしてくれていたので、そのお礼っ。ソフトクリームは無理なのでわたしが大好きなベーカリーコーナーの特製パンを、お母さんに頼んでいたのですっ。
「わざわざありがとうございます。早速ご覧になりますか?」
「はいっ。見させてくださいっ」
そのあとはお借りしているパソコンを見たり今度は3人でお喋りしたりして、真鈴さんが帰る時間になっちゃったのでお仕舞。わたしと翔くんは真鈴さんをお見送りして、
「また明日。いつもより早いですが、おやすみなさい」
「また明日です。おやすみなさいっ」
今日も玄関まで送ってもらって、さようなら。夜ご飯を食べてお風呂に入ってのんびりして、ベッドに入ったのでした。
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