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第15話 目覚めるとそこは オーガスティン視点(2)

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「なっ、なにをするつもりだ!? 俺に何をするつもりだっ!?」
「…………いくら説明をしても、真実に気が付いてもらえない。それは悲しいことよね」

 え? え……?

「とっても悲しい。つらいつらい悲劇。絶対に、防がないといけない未来よね?」
「え? ……え?」
「だから万が一、どうやっても『運命』を共有できなかったら――わたしだけしか気付けなかった場合は、強引に認識してもらうしかない。そうよね?」
「ちっ、違う! それはちがうっ‼」

 そんなはずはない! そうなりはしないっ!
 そんなこと――
 
「なのでそうできるように、最悪の事態に備えて習得しておいた『催眠術』。ソレを貴方に使って、オーガスティンの心をがらっと変えちゃうのよ」

 コイツは4歳の頃から俺を愛していてっ! だが俺は見向きもしなかった! 運命の相手なのにっ、傍にいる運命の相手に気付いてくれないと思っていてっ!!
 もし最後まで気付けなかった場合は、ソイツで俺に好意を植え付けるつもりだったらしぃぃ!!

「わたし達は運命の相手なんですもの。頭の中を操るのは辛いし可哀想だけど、運命の相手と結ばれない方が辛いし可哀想だものね」
「ひ、ひぃぃぃ……。」
「貴方はあのメスに夢中になってしまっているし、メスのせいでわたし達の関係に大きなヒビが入ってしまった。もう修復不可能になっちゃったから――悲劇に一直線となっちゃったから、やるの」
「まっ、待ってくれ! 修復はできる!! やり直そう!! なっ!? なっ!? やり直そうマリー――」
「その表情は、やり直せる表情ではないわ。ふひひ、大丈夫よオーガスティン。怖いのは最初だけ。すぐに気持ちよくなって、とっても幸せになるから。安心して身を委ねてね」
「あんしんできなぃぃぃぃ!! 頼むっ!! たのむからぁぁぁ――」
「貴方のお願いでも、それだけは聞けないわ。さあ始めましょ、初めての共同作業をね」

 !! にたりとしたマリーは耳元で何かを囁き始め、そうするとヤツが揺らしているコインを見つめていたくなって…………。

 ぁぁ……。ぁぁああぁぁ……!!

 ドンドン、頭の中が真っ白になっていって――



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