31 / 37
第16話 それは、分水嶺 俯瞰視点(4)
しおりを挟む
(お父様お母様っ、アナタたちもよ! 注目っ、注目!)
(?)(?)(?)(?)(?)
(ここから脱出できる方法を思い付きましたのっ! わたくしに協力してっ!!)
これから自分があのナイフを拾うから、同時に全員で竜神を抑えつけて。そうしておけば神相手でも一瞬隙が出来るから、その間に自分が刺して殺す。
竜神の様子を確認しつつ、早口で指示を出しました。
(なんという観察眼だ……! すごいぞサンドラ!)
(よく気付いたわねっ! ありがとうサンドラっ!)
(流石でございますお嬢様……!!)
サンドラ以外の12人もサンドラと同類で、自分のためなら平気で誰かを殺せる人間。全員が満面の笑みと喝采を返しました。
(もちろんやるともっ! ぜひやらせてくれ!!)
(みんなで力を合わせて自由を勝ち取りましょうっ!)
(ええお母様っ。さあ、始めますわよ!!)
起きてしまう前に、殺る。13人は細心の注意を払って足音を殺しながら近づき、
((…………よし。拾えたつ))
サンドラが慎重にナイフを拾い上げ、
《今ですわっ!》
《《《了解!》》》
目線で会話を行い、右腕左腕右脚左脚に、それぞれ3人がかりで掻き付きます。
「なっ!? 貴様らなにをす――」
「もう遅いですわよ!! お前こそっ、罰を受けろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
迷いも罪の意識も、一切なし。サンドラは勢いよく飛び掛かり――
「が、が、ぁ…………」
――背中側から心臓を突き刺し、竜神は血を流しながら倒れました。
「上手くいきましたわっ! あとはっ!」
「分かっている! うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
致命傷ではない可能性を考慮し、球で入念に轢く。100キロ以上ある球をなんと20往復もさせ、念のためもう数か所竜神製のナイフで急所を刺し、ようやくサンドラが袋を拾い上げました。
「はあ、はあ、はあ。ここまでやったら、確実に死にましたわっ! お父様お母様アナタたちも、ココから出ましょうっ。出てっ、次はミシュリーヌとローナを殺しますわよ!!」
自分達を苦しめた罰を与える。サンドラは――サンドラは喜びと怒りを露わにしながら扉へと走り、鍵を差し込んで扉を開けます。
そうして一斉に、開いた扉を潜り――
「「「「「「………………」」」」」
潜ったその先で、サンドラ達は言葉を失ってしまいます。
なぜならば、扉の先には真っ白な空間が広がっていて――
「流石はゴミ共。思った通りの行動を取るんだな」
――そこで、さっき殺したはずの竜神が立っていたからです。
(?)(?)(?)(?)(?)
(ここから脱出できる方法を思い付きましたのっ! わたくしに協力してっ!!)
これから自分があのナイフを拾うから、同時に全員で竜神を抑えつけて。そうしておけば神相手でも一瞬隙が出来るから、その間に自分が刺して殺す。
竜神の様子を確認しつつ、早口で指示を出しました。
(なんという観察眼だ……! すごいぞサンドラ!)
(よく気付いたわねっ! ありがとうサンドラっ!)
(流石でございますお嬢様……!!)
サンドラ以外の12人もサンドラと同類で、自分のためなら平気で誰かを殺せる人間。全員が満面の笑みと喝采を返しました。
(もちろんやるともっ! ぜひやらせてくれ!!)
(みんなで力を合わせて自由を勝ち取りましょうっ!)
(ええお母様っ。さあ、始めますわよ!!)
起きてしまう前に、殺る。13人は細心の注意を払って足音を殺しながら近づき、
((…………よし。拾えたつ))
サンドラが慎重にナイフを拾い上げ、
《今ですわっ!》
《《《了解!》》》
目線で会話を行い、右腕左腕右脚左脚に、それぞれ3人がかりで掻き付きます。
「なっ!? 貴様らなにをす――」
「もう遅いですわよ!! お前こそっ、罰を受けろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
迷いも罪の意識も、一切なし。サンドラは勢いよく飛び掛かり――
「が、が、ぁ…………」
――背中側から心臓を突き刺し、竜神は血を流しながら倒れました。
「上手くいきましたわっ! あとはっ!」
「分かっている! うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
致命傷ではない可能性を考慮し、球で入念に轢く。100キロ以上ある球をなんと20往復もさせ、念のためもう数か所竜神製のナイフで急所を刺し、ようやくサンドラが袋を拾い上げました。
「はあ、はあ、はあ。ここまでやったら、確実に死にましたわっ! お父様お母様アナタたちも、ココから出ましょうっ。出てっ、次はミシュリーヌとローナを殺しますわよ!!」
自分達を苦しめた罰を与える。サンドラは――サンドラは喜びと怒りを露わにしながら扉へと走り、鍵を差し込んで扉を開けます。
そうして一斉に、開いた扉を潜り――
「「「「「「………………」」」」」
潜ったその先で、サンドラ達は言葉を失ってしまいます。
なぜならば、扉の先には真っ白な空間が広がっていて――
「流石はゴミ共。思った通りの行動を取るんだな」
――そこで、さっき殺したはずの竜神が立っていたからです。
4
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。
樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。
ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。
国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。
「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」
今、目の前で娘が婚約破棄されていますが、夫が盛大にブチ切れているようです
シアノ
恋愛
「アンナレーナ・エリアルト公爵令嬢、僕は君との婚約を破棄する!」
卒業パーティーで王太子ソルタンからそう告げられたのは──わたくしの娘!?
娘のアンナレーナはとてもいい子で、婚約破棄されるような非などないはずだ。
しかし、ソルタンの意味ありげな視線が、何故かわたくしに向けられていて……。
婚約破棄されている令嬢のお母様視点。
サクッと読める短編です。細かいことは気にしない人向け。
過激なざまぁ描写はありません。因果応報レベルです。
卒業パーティでようやく分かった? 残念、もう手遅れです。
柊
ファンタジー
貴族の伝統が根づく由緒正しい学園、ヴァルクレスト学院。
そんな中、初の平民かつ特待生の身分で入学したフィナは卒業パーティの片隅で静かにグラスを傾けていた。
すると隣国クロニア帝国の王太子ノアディス・アウレストが会場へとやってきて……。
「お前みたいな卑しい闇属性の魔女など側室でもごめんだ」と言われましたが、私も殿下に嫁ぐ気はありません!
野生のイエネコ
恋愛
闇の精霊の加護を受けている私は、闇属性を差別する国で迫害されていた。いつか私を受け入れてくれる人を探そうと夢に見ていたデビュタントの舞踏会で、闇属性を差別する王太子に罵倒されて心が折れてしまう。
私が国を出奔すると、闇精霊の森という場所に住まう、不思議な男性と出会った。なぜかその男性が私の事情を聞くと、国に与えられた闇精霊の加護が消滅して、国は大混乱に。
そんな中、闇精霊の森での生活は穏やかに進んでいく。
豊穣の巫女から追放されたただの村娘。しかし彼女の正体が予想外のものだったため、村は彼女が知らないうちに崩壊する。
下菊みこと
ファンタジー
豊穣の巫女に追い出された少女のお話。
豊穣の巫女に追い出された村娘、アンナ。彼女は村人達の善意で生かされていた孤児だったため、むしろお礼を言って笑顔で村を離れた。その感謝は本物だった。なにも持たない彼女は、果たしてどこに向かうのか…。
小説家になろう様でも投稿しています。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
お父様、お母様、わたくしが妖精姫だとお忘れですか?
サイコちゃん
恋愛
リジューレ伯爵家のリリウムは養女を理由に家を追い出されることになった。姉リリウムの婚約者は妹ロサへ譲り、家督もロサが継ぐらしい。
「お父様も、お母様も、わたくしが妖精姫だとすっかりお忘れなのですね? 今まで莫大な幸運を与えてきたことに気づいていなかったのですね? それなら、もういいです。わたくしはわたくしで自由に生きますから」
リリウムは家を出て、新たな人生を歩む。一方、リジューレ伯爵家は幸運を失い、急速に傾いていった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる