こちら、あやかし村おこし支援課

柚木ゆず

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第13話 賑 賑?(6)

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「『ダイコンをやった』ようですし、ここでは『暴れようと』していますよね?」
「い、いつの間に……!?」
「どこにいたの……!?」
「ずっと居ましたよ? 夢中で気が付かなかったみたいですよ?」

 姿を消していた、なんて言えない。そういうことにしておきましょう。

「お二人とも、嘘を吐きましたね?」
「………………」
「………………」
「貴方がたが行った行為は、犯罪です。しか――」
「えっ、AIだ! AIを使って俺達を陥れようとしてるんだ!! 俺達はなにもしてないんだからな!!」

 始まった。悪さをした者の定番、無様で間抜けな悪あがきが。

「そうよ! AIで作成された偽物よ! あたし達を犯人にしようとしてるの!」
「動揺しすぎて思考回路が正常に働いていない、そんなお二人に教えて差し上げましょうか。この動画が本物か捏造かは、警察に持ち込めば簡単に真偽が判明するんですよ」

 撮影に使用したスマホを調べれば、AIを用いた動画の作成が不可能だと証明される。

「もっとも――。たった今こんなものを記録できましたので、瞭然ですけどね?」

《いつの間に……!?》
《どこにいたの……!?》

 目と口を限界まで見開いている間抜けな顔と間抜けな声も、しっかり撮影させてもらっている。

「瞭然ですが、貴方がたがそう仰るので徹底的に調べていただきましょうか。ついでに、貴方がたが必死に触っていたスマホも一緒に――」
「「許してください!!」」

 息ピッタリ。二人がまったく同じタイミングで頭を下げた。

「つい……。つい、出来心なんです……」
「ストレスが溜まっていて……。つい、やってしまったんです……」
「駄目になった分のお野菜は、ちゃんとお支払いしますから……。許してください……」
「反省しています……。二度としないと誓いますから……。見逃してください……」

 二人とも、大学生らしい。退学になってしまうと、繰り返した。

「いいえっ、倍払いますからっ! お願いします……!」
「倍で駄目なら3倍払いますっ! お願いします……」
「いやです」

 わたしは即答した。

「あのですね。お金で解決できる問題でも、ごめんなさいで解決できる問題ではないんですよ?」

 人の努力や想いの結晶を傷付けた。
 そんな人間を許すつもりはない。

「何もしなければ何も起きなかった。自業自得でしょう? 貴方がたがどうなろうが知りませんよ」
「「そ、んな……」」
「貴方がたの罪は、しっかりと公にする。法に則り、この行為よる最大限の罰を受けていただきますよ」

 身を以て清算させるべきだし、なにより、それが今後この村の抑止力となる。皆さんが育ててきたこの天地村のためにも、手加減はしない。

「おっ、お願いします!! ボランティアだってっ、なんでもしますから!!」
「見逃してください!!」
「お願いします!! 大学を辞めたくないんです!!」
「お願いしますっ!! そんなコトになったら家を追い出されちゃいます!!」

 いくら泣き叫んでも、同じ。変わらない。
 わたしも安倍さんも懇願を無視し、警察に通報をしたのでした。


 
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